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オールド香港を求めて

香港は常に変化著しい所である。近年、古き良き時代の香港の面影が薄れていく中、1970年代の面影を残す土瓜灣に行って参りました。

尖沙咀からダブルデッキに乗る事約15分位。天光道と言うバス停で降り立ち土瓜灣に到着。下町の雰囲気を感じながら、google mapを頼りに土瓜灣十三街を目指して歩く事5分。地球の歩き方2017~18 香港 マカオ 深圳の巻頭特集で掲載されているアパート棟が目の前に広がってきました。


このアパート棟が立ち並ぶ辺りを相称して十三街と言うそうです。まさしく築50年以上の建物が密集していて、通りを1本中に入ると自動車修理の工場と思しき建物が目につきました。きっと、昔からそのまま変わらず今なお古き良き香港が息づいている、そんな雰囲気を肌で感じました。

アパート棟の手前に牛棚藝術村と言う赤レンガ造りの建物があります。こちらは1908~1999年まで動物検疫所を兼ねた牛の屠畜場として使われていた所で、閉鎖後は歴史建造物に指定され、改装された後現在はアート施設としてアート以外に文化展、ワークショップなどが行われているそうです。

ここまででも、土瓜灣の魅力満載なんですが、土瓜灣の魅力の極みと言おうかオールド香港が息づいている確かな場所を訪れました。

十三街から歩く事7~8分。その場所、永香冰室がありました。入り口がオープンで、店内がすぐ見渡せる小さな佇まい。きっと初めて訪れた方は、入るのに臆するそんな雰囲気かも知れない。私は逆にその佇まいになおさら興味をそそられ、お店に入ってみました。中には、お店のおかみさんと思しき白髪の方と中年の男性2人が話をしていました。店内を見渡すと、本当に70年代の香港にタイムスリップしたのかと思う、おそらく創業当時(1959年)から何も変わっていないそのままの雰囲気。感激のあまり、店内をくまなく見渡してしまいました。

お店にいた男性の1人が私が日本人だと分かり、話かけてくださいました。男性がTVの方を指さして、「これは昔の香港です」と言っていて、何かと思って見ますと確かに香港の昔の写真のようでした。そしてその写真の上にあるお店の営業許可証がこれまた年季が入っていて、もろ日本語で凄ーい!と言ってしまいました。

そして更にお店の奥のほうの壁に日本人の絵もありますと教えてくださいました。その時に日本と香港の歴史の奥深さを感じずにいられませんでした。

さて、肝心の注文はと言いますと。香港の冰室と言う事で、個人的に外せない紅豆冰(日本語で言うあずき氷)を広東語で注文しました。注文して少ししますと、その紅豆冰が出て来ました。私が今まで食した事がある紅豆冰とは面持が違いますが、このスタイルが本来の紅豆冰であろうかと思いながら、いただきました。

この紅豆冰。お世辞抜きで本当にスッとして美味しかったです。70年代にタイムスリップした雰囲気で、天井に大きな羽の扇風機が回っていて、心地よい風の中に、穏やかな店内でいただく紅豆冰のお味は格別でした。

お勘定を払う時に、男性の1人が「ここはオールド香港だよ」とおっしゃっていました。私はその言葉にうなづくと共におかみさんに向かって「ここは良い場所です」と広東語で言いました。するとおかみさんはすかさず笑顔で「ありがとう」と広東語で私に言ってくださいました。後で、思ったのですが永香冰室と言うお店の由来はきっと、いつまでも変わらぬ香港の冰室(味)と言う思いが込められているのではないかと思いました。

今回、地球の歩き方に土瓜灣そして永香冰室が紹介されていたので、来る事が出来た事に感謝です。これからも機会がありましたら、今尚残る古き良き香港を訪ねたいと思います。  2017年9月香港にて

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