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香港のシーク教寺院にて

2年前3月24日~27日まで香港に行って参りました。その折に香港在住歴が長い日本人の友達と一緒に彼女のリクエストで、香港の跑馬地にあるシーク教寺院を訪れました。シーク教寺院を訪れる目的は何かと言いますと。施し飯を貰うためです。施し飯とはその名の通り、タダでご飯を振る舞うと言うものです。シーク教の施し飯は宗教や人種に関係なく、誰にでも振る舞われるものだそうです。と言うことで、今回訪れることになりました。勿論、シーク教と言うものに馴染みがない私はシーク教徒とはシーク寺院とはどのようなものか、興味がありましたのが確固たる理由です。

但し、シーク寺院を訪れる際に注意すべきことがあります。それは男性はターバン。女性はスカーフで髪を隠すことです。私はこの日のために、香港に行く前インドの雑貨を扱うお店でスカーフを購入しておきました。寺院の入り口を入って下駄箱近くで、靴を脱ぎ裸足になりスカーフで髪を隠し寺院に入りました。寺院の講堂と言いますか、大広間に入る時、皆さん手を合わせてお辞儀をして入っている様を見まして、私と友達も見様見真似で、大広間に入りました。大広間の一番前では、楽器を演奏しながら歌を歌う方が男女合わせて3人。そして日本で言うお寺の神主さんみたいな男性がシーク教徒の男性が1人1人その方の前で手を合わせお辞儀をすると、棒に白いひも状のものが付いたものを振っていました。そう言えば、大広間では男性と女性はそれぞれ分かれて座っていました。私と友達は女性側の一番後ろに座り、その場の雰囲気をとにかく噛みしめていました。少しすると、寺院の男性スタッフと思しき方が何やら、食べ物を前の方から順に配っていました。そして、私の前にその方が立ち、訳も分からず両手を差し出しました。すると、バケツような容器から何やらすくって私の両手の上にポトンと落として行きました。それはコンビニのおにぎりの半分位の大きさで、蒸したてで温かく三温糖のような色をしている食べ物でした。そして持っていると何やら油分が手のひらににじみ出ているので、何の迷いもなく友達がくれたウェットティッシュで、その食べ物を食べた後、手を拭いていたら前方にいる女性が何やら一瞬私たちの行為を見ているようでした。その時、内心「しまった」と思いました。「この食べ物はきっと有難い食べ物で尚且つ、手ににじみ出る油分はきっとそのまま手に塗れば美容オイルみたいに有り難いものなのだと」恵みをいただく自分の行為が何て無礼なのだと我ながら思いました。それからしばらくしてから、昼食の施し飯が振る舞われている部屋へ移動しました。そこでも、やはり男性と女性はそれぞれ分かれて横一列になり、部屋に入り口に置いてある水が入ったステンレスのコップと何品か盛り付けることが出来るステンレスのプレートをそれぞれ各自座った場所の前に置き、友達と話をしていると、寺院のスタッフと思しき男性が、何やら料理の名前を叫びながら、一人ひとりに盛り付けていました。とにかく施し飯をいただくべく、私もその男性が回って来られた時に手を合わせて

その恵みをいただきました。白ご飯にカレーが2種類。そしてナンを小さくしたような食べ物チャパティ。ココナッツミルクのような甘い食べ物とお漬物みたいなものまで、計6種類。食事を配っている男性はひきりなし回っていました。施し飯と聞いたので、ほんのおごそかな物だと勝手に連想していたのですが、お腹一杯食べなさいと言わんばかりに振る舞われていて、シーク教とはなんて慈悲深い教えであろうかと、只々純粋に感動しました。生まれて初めて、恵みをいただくと言う体験をし、本当の慈悲に触れることが出来、とにかく自分にとっても貴重な経験になったと強く思いました。そして、自分自身も誰かのお役に立つのであれば、ぜひその助けになれば恵みを分け与えたいと、思いました。今回、シーク寺院を訪れたことは自分自身を見つめなおす良い機会でありました。また機会がありましたら、来港の折に訪れたいと思います。

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