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香港の今を感じて

2019年9月12日~16日まで香港に行って参りました。1995年11月に香港を初めて訪れて以来、香港が好きで毎年訪れていますが、今回は昨今の香港情勢を見ていてとても心配になり、とにかく香港に実際に行って今の香港をこの目で見たいと言う思いのみで訪れました。

セントレアからキャセイパシフィック航空を利用して香港へ。香港国際空港に到着、いつものような賑わいとは違う少々落ち着いた雰囲気がそこにありました。到着した日は平日なので、デモや集会の予定がなく交通機関も正常運転でした。空港からエアポートエクスプレスとタクシーを利用して滞在先である九龍半島で観光客のメッカ尖沙咀(チムサーチョイ)の宿泊先へ。昨年12月に同ホテルに宿泊した際、ロビーはチェックインをする旅行客で列をなしていたが、今回は蛻の殻と言おうか、その時は誰も並んでおらずすぐさまチェックインを済ませる事が出来た。その後、早速繁華街に繰り出してみると、いつもは大陸からと思しき観光客をかなりの割合で見かけるものの、そのような観光客がほとんど歩いていない。香港は基本的に歩道が狭いので、人混みを歩く事が常なのが、今回は歩いている人が断然少なくてなんと歩きやすい事だろう不謹慎かも知れないが正直そう思った。確か、中国では最近香港のデモについて暴動と言った事を報じ香港への安全情報レベルを引き上げているので、政治を利用して渡航数を調整するその姿勢が顕著に表れていると感じたのと同時に中国様様とはこういう事を招く事がある事を決して香港だけでなく、我が国日本でも考えさせられる事だと思いました。繁華街を歩いていて、ふと中央分離帯に書かれている文字に気が付きました。ある所には光復香港 時代革命 (香港を取り戻せ 革命の時だ)と言う言葉が書かれていたり、ある所には黒警死全家死剩你一個 (意訳:ヤクザな警察が家族まとめて死んでもあなたは1人死に損ない)と書かれていて、香港を守る気概と警察や政府に対する物凄い怒りと言うか、恨みがある事をどれほどの思いが込められている事をこの言葉を通じて胸に突き刺さるようでした。

翌日13日は中秋節、いわゆる中秋の名月(旧暦8月15日)でした。この日の夕方、地下鉄荃灣駅で友達と会いました。荃湾駅を出ると連絡通路には連儂牆レノンウォールが作られていました。その連儂牆は夜な夜な誰かによって剥がされる事があり、剥がされてもまた貼り直しているのだとか。連儂牆は壁一面だけでなく、地面にも貼られています。それもテープを何重にして、少しでも強度を上げるべく貼られていました。

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友達とは、夕食を食べながら香港情勢について色々と話しました。その後、地元の公園に中秋節のランタン祭を見に行き更に海沿いで、人間の鎖のためにたくさんの市民が集まっているのを見ました。小さな子供が香港人加油呀!(香港人頑張れ!)と叫んでいるのを聞いて、涙が出そうになりました。歳が4~5歳位の男の子にこんな事を言わせる、香港社会ってどうなっているんだろうか。絶対的に歪んでいる今の香港社会の深刻さを感じました。そして集まっている人々によるシュプレヒコールを実際に目の前で聞き、心底から湧き上がる心の叫びが、追い打ちをかけるように胸に突き刺さりました。
友達が、最近香港人の間で囁かれている言葉があると教えてくれました。それは、「攬炒」日本語で言う道連れと言う言葉です。つまり、もし香港が地に堕ちる時は、多大なる相手も道連れにすると言う事です。私は攬炒と言う言葉の意味を聞いて正直、言葉が出なかったです。ここまでの危機感を抱いている香港の人々。ネットだけでは知りえない、実際の言葉を聞く事が出来貴重な時間でありました。






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