出産予定日は2月下旬だったように思う。
お腹にいる子は確実に女の子だ。

しかし予定日を過ぎても一向に生まれてくる
気配がない。

「先生、私の誕生日が3月2日だから、
その日に産もうかなあ」
「そうですね、もう赤ちゃん大きいし
陣痛促進剤使いましょ」

というわけで1999年3月2日、
いよいよ我が子とご対面だ！
同じ誕生日！面白い！

3月2日。31歳の誕生日おめでとう私！！
先生思い切り促進剤打って下さい！！
ん・・？腹・・・痛くもかゆくもない。
あれ？？？なんで？？？

残念ながら促進剤が効かず、生まれてくれない。

まっ、次の日は桃の節句だし、いっかあ・・

3月3日。出てこず。中で私の腹を蹴って遊んでいる。
おーーーい、何をしてるんだい。
もうそろそろ会おうよ～～～。

・・・3月4日の早朝。
いきなりとんでもない陣痛に見舞われ破水し
うおおおおイテえぇぇ！！と思っているうちに
ひょっこり生まれた娘。

そういうワケで
桃の節句を挟んでの誕生日となった我々。
昨日の娘の誕生日、母娘でプレゼント交換をしました。

娘がケーキを作ってくれたので
私はプレゼントの洋服を持って娘の住む京都へ。
そこでブツブツ交換なり。

年明けから心の病で療養中の娘。
1ヶ月前に会ったときは
一回り小さくなったように感じて
ずっと心配をしていたのですが
会って以来、こまめにLINEでやり取りし、
他愛のない話を続けてきました。
自分の心の状態を私に全部正直に打ち明けられたことで
気持ちがだいぶ、楽になったようです。

「ママ、ケーキ作るわ。何がいい？」と
連絡が来たときは
あ、ますます元気になってきてるかも？と。

1ヶ月ぶりの彼女の顔は明るくなっていて
前は見られなかった笑顔も見ることができました。

社会に戻るのはまだまだ勇気がいるし怖いだろうね。
ゆっくりゆっくりでいいからね。大丈夫。
ママもまだまだ頑張って働くからね。
「スマホあまり触らないようにしてる」
「テレビの情報も頭に入れないようにしてる」
正解。それが一番、休めるよ。

昨日の娘は
ほんのりとメイクをした顔
そして限りなく透明に近い
桜色のマニキュアをした爪

心が深い沼に落ちてしまっていたら
爪を見ても
鏡を見ても
何の感情も湧かないはず

嬉しかった
自分に向き合えているような気がする
ケーキもとても嬉しかったけれど
娘のピンク色の指先を見られたことが
何よりも一番、嬉しかった

生まれてきてくれて
本当にありがとう
25歳の誕生日、おめでとう