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day19 小説を書くということ。

昼下がり。たまたまFacebookを開いたタイミングで、環天頂アークの写真をアップしている友達がいた。見えるかと思い、スマホを手に外に出たら、幻日に会えた。嬉しい。
夜は夜で、ゼウスとアルテミスのランデブー。美しきかな。

昨日から書き始めた、はぐみで連載中だった小説の最終話を、今日書き終えた。4000字にも満たない文字数ゆえに、あっという間に書き終わる。

初めて小説を書いたのは中学生の頃だった。
いくえみ綾先生の漫画『天然バナナ工場』が好きすぎて、学生のバンド活動をモチーフに書いた(ちなみにその頃いくえみ綾先生は『彼の手も声も』を連載中だった)。

高校時代にも小説を書いて、ちょこまか書くたびにクラスメイトに読ませて、意見をもらってはまた、続きを書くということを繰り返していた(ちなみに文芸系ではなく美術系のクラスである)。
絵本作家を目指す女と、ピアノを弾く男の同棲生活の話だった。

そもそもは漫画家になりたかったのだが、画力も今ひとつで、いざケント紙を前にすると全然描けないで挫折した。
ノートに書いた漫画をクラスメイトに見せることはできても、清書となるとめげるのだ。

小説を書いていて思うのは、漫画ではなくストーリーを描くのが好きなんだなぁということ。

頭の中に情景が浮かぶ。空の色、季節、気温や湿度、場所、乗り物、服装、音、声、話しかたなどなど、たくさんの情報が同時に流れ込んでくる。

今から差し出す手は、右なのか左なのか。この人の利き手はどっちだ?何の仕事をしているの?スーツ着てる?それともカジュアルコーデ?今、相手から見てどの位置に立ってるの?

こんな情報、逐一文章に詰め込んだら読み手が大変だ。そしてある程度、読み手に想像させるのも大切。


小説だけではないけれど、文章を書くときは読むリズムも大切にしたい。やたらと長いセンテンス、スタッカートばりの句点、改行のない壁のような文章は、なるべく避けたいものだ。

小説家を目指すつもりは今のところないけれど、小説を賞レースに出してみたいなぁとは思う。どう評価されるのか気になるところ。
でも今の時代、小説家として自分で出版できちゃうからね。別に賞獲らなくても。


さて、はぐみで連載した小説を、この場を使ってリライトしていきたいと考えている。
どうしても限られた誌面に収めるために、たくさん削り、4回という連載でコンパクトにまとめた感が否めない。書き足りないのだ。

とはいえ、誌面という限られたスペースに収める作業もまた、編集長的には最高に楽しいのである。変態か。

ちなみに今回の小説は、実体験をちまちま挟み込んだ、完全なるフィクション。だから主人公は100パーわたしだ。


学生時代、空想で書いていた物語。大人になって、人生のアレコレを体験したからこそ書ける物語。どちらもアリだよね。
でもなんだかんだ言って、自分のリアルなストーリーがいちばん楽しくて好きだなぁっていう、まさかのオチ。


『はぐみ』はそろそろ最後の旅立ちの支度が整いました。みんなのもとに届けるまでが編集長のお仕事です。

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