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雨上がりのパペポ

嵐があけて外へ出た。

バス停で時刻表の板が
暴風にゆれてるけど
空は青く清々しい。

ああー気持ちいいねーって
街路樹に大声で話しかけても
強風とマスクで誰にも聞こえないから安心。

ふと見ると、

むこうの舗道を
Tシャツ小太りのおじさんが
ぶつぶつ怒りながら走っている。

前傾姿勢の走りのわりに進んでない。歩みと言ってよい。
私は顔を背け、バス待ちですのふりをする、、

やはりおじさん怒ってボヤいて
偶然停っている軽トラの向こうを通り。。。
。。。現れ、ない。気になる。
軽トラが行っても
おじさんは見えない。あれ?

。。。と、おじさんは建物の横からニョッキと出てきて来た道を戻る。
怖い顔のままで
用が済んだら歩みたい。
けど風に押されて走らされる。

どこ行くだ?
おじさんは、
離れて停めた灯油タンクを積んだ車に戻った。

そっか燃料屋さん仕事中なのですね、
危険なおじさんと思ってすいません、

と思ったら、

おじさんの車の窓から、
大きな青いものが
道路の真ん中にポンと放り出た。

あああ!それはダメでしょ!
と私はついにガン見になる。
そしたらおじさん、
車をずーっとバックして、
近くに寄ってきた。
やば、私の目力、伝わったよ、どうする!
怖い、早くバス来てよ、
いや待って、私は悪くない、
悪いのはそっちでしょ、ひるむなおりーぶ。

おじさんは私の前付近でバックをやめ、
前進に切り替え、道路に落ちてる青いものを
ちゃんと拾って行きました。

ああ、よかった、怖くないやん、
ただのTシャツ小太りの働くおじさんやん、
向かい風に文句言ってただけや、街路樹に話しかけてた私と同類や、アホやな、せやけど、あの青いのはなんやったん、いまだにわからへん。

。。といつの間にか頭ん中で鶴瓶が喋って横で上岡龍太郎がニヤつく。。

ハレ?

パペポやーん!パペポーッ!
30年ぐらい前に見とったやつや!
どんなしょうもない話も、あの人たちはネタにできるーっ、毎週土曜の憧れー!

脳が関西弁のまま、私は来たバスに乗った。
そして一連のことやらパペポやらを思い出し、
バスの中、ずーっと笑いが数珠つなぎ

あいつやばい危険、と見られてるんは、
お前やろ。。。そうや私や、ハハハハハケケケケケ

あかん、まだパペポが止まりません。

嵐の後の青空は本当に気持ちよいのでした。

おわり


いただいた、あなたのお気持ちは、さらなる活動へのエネルギーとして大切に活かしていくことをお約束いたします。もしもオススメいただけたら幸いです。