姉弟格差

一緒に暮らしている子供について思うこと。

私自身4人兄弟の末っ子である。長子から見たら10歳(学年で言ったら11年)の違いがある。私が覚えていることは小学校入学前、兄姉に煙たがられたこと。「○○は橋の下から拾ってきた」と父親が冗談で(子供ながらに冗談とわかって)言っていたのに便乗して上の兄姉が面白がって言っていた。私は泣いて母親に助けを求めていたと思う。そのなく姿が父親からしたら愛おしかったのだろう。

ただ普段からこんな言葉を発すると、思春期の思想は変化する。そのうちに「○○と一緒の顔がいやだ」とか「○○の兄弟が嫌」とか冗談半分本気半分で平気で言う。半世紀生きた今思うのは、当時の兄姉は、自分が学校でいろいろあったうっぷんを下にぶつけていて、彼らもかわいそうだったんだということである。ただそれが許されるかどうかは、言葉の暴力を受けてきた私が思うことで、謝ったからいいじゃんという上の思考で決めてはいけないと思う。

自分たち兄弟は、今思うと余裕のない親の元、ピリピリした幼少期で、貧乏だから家にいるのが嫌だと思っても不思議ではない環境だったと思う。ただ、極貧かというとそうではなく、親の気持ちに余裕がなく子供の希望より親の希望を優先した家だった。長子は青春時代まで貧乏な家をで早く出たいと出ていった。

私が大きくなるにつれ、進学就職等で兄姉は家を離れ、工場も大きくなり経済的にも楽になった。だから、15-18で家族に対する思いは長子と私では全く違う。長子にはそれが許せないらしい。

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話を今に戻して。我が子たちは、二人兄弟、姉・弟で2歳違い。年齢ギャップはないものの自分の経験から、「お姉ちゃんだから」という言葉は言わないようにしていたつもりだった。

娘に言わせれば、遠回しに言葉を変えて姉として我慢をさせていたようだ。そして現在、母親との会話はほとんどない。たまの会話も娘から『気を使って母親と会話するいい娘』の感じがありありと感じられる。そして都合の悪いことは話さない、母親そっくりだ。こういった態度は相手(この場合は母親)に甘えているのだが、そこを指摘するとまたへそを曲げそうなのであえて言わない。ただ、それでは人生損すると思うことは教えねばと考え会話を試みるも、娘は私の言葉を受け入れない。そう育ててしまったのも自分なので怒ることはせず、話をするだけです。同性ということもあり、イライラさせられることは多々あります。

弟については、末っ子ということもあり、自分自身に重ねるところが多く、対応してきました。ただ、本人は必死に頑張っているのに、見ていると要領の悪さにこちらが声を出すことも多々あり、そのたびに、私も兄姉にそう思われていたのかなと思うようになりました。こちらも、今ではほとんど会話はありません。都合が悪くなると、会話を打ち切り部屋にこもります。ただ、私を直接イライラさせることはあまりまりません。実際に彼がどう思っているかは全くわかりません。

そうやって子育てが終わりかけの今、兄弟格差は生まれたのです。長子は都合のいい所だけ長子として扱ってほしいと思うところはあり、弟は手を抜けるところは手を抜いて中途半端なことを多々やり...。個性として言う部分もおおいかもしれませんが、兄弟の格差なのかなと思うのです。

今のところ姉弟仲が悪くないのが救いです。必要以上にべたべた仲良くする必要はないので、程よい距離感で、必要なことが話せる仲であってほしい。その中で親がスケープゴートになっても仕方がないかなと思っている次第です。(淋しいけど)