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最初のお客を見つける

 個人事業として起業を思い立ち相談にやってこられます。
やりたいコトがある、事業として取り組みたい。と相談を持ち掛けられた時に、最初の問い掛けが「一人目のお客さまは見つかっていますか」というものです。

 マーケティング論でいえばペルソナなんですが、その論では条件を出して絞り込むという手法を提案された方も多いと思います。ペルソナの効用はお客さま探しではなく、起業内容の具体化を進めるために顧客の立ち位置で5W2Hで分析しなさいと要求しています。

 最初のお客様は自分の前に立って居るその人を基軸にして考えてみてくださいと問い掛けをしています。得意なコトをやりたいは不可欠前提ですので、その対極にいるお客さまの立ち位置を先ず考えましょう。

 起業するにはお客さまが探求している問題認識を欠かすコトはできません。その顧客課題を解決する方法にやりたいコトが適応できていると事業としてスタートしていきます。そしてやりたい事業を見つめる視線を多角化してから起業の準備をしていただきたい。

ケーススタディ

 お客さまと接するために、自社から40か所の見込み客を巡回するルートを考えてみてください。最短時間で、交通費最安値で、距離最短で、といった条件を課して演習として図に書いて挑戦してみてください。

 ルート検索するにしても最短を見い出すコトは(不可能に近い)膨大な数の一筆書きを書かなければいけません。あきらめて行き当たりばったりで夕方に成ったら今日は終わり、と済ませますか。

 この設問はマネジメント問題です。今日は商品Aを売り込むために、有望顧客を5社に絞って最短ルートを探って一日で回ってこよう。と考えたときにマーケティングという概念が適応できるようになります。

 どのような事実(DATA)から5社に絞り込んだのかが問題です。
この仮説を立てる一つの方法がペルソナという概念設計です。さて5社の巡回で商談を確保できたでしょうか。

 相談の最初にお客さまの獲得といった課題から入っていくのですが、事業を立ち上げて真っ先に困ることは、この顧客獲得プロセスが科学的でないという事実です。感と経験に頼った行動則では行き詰まります。

 ではマーケティング論を熟知していると上手く行くのかと言えば、必ずしも万端だとはいえません。論とはアルゴリズムとして証明されている話に限りますので、全体の一割も適応できればいい話です。

 勘と経験で走るな、科学的アプローチを取れ、だけど論が張れているのはほんの少ししかない。と身も蓋もない話をしました。
なので最初の問い掛けに相応しいのです。何をどのくらい考えて起業に臨もうとしているかを語るコトになると考えています。


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