見出し画像

安全地帯 40周年ライブCD 部分的なレビュー

(約6,300文字 読了まで約15分)
お疲れ様です。適応障害治したいマンです。

昨日、タイトルのCDが発売されたので書きたい欲に駆られ書くことにしました。体調も天候のわりにいいのでありがたいです。
発売日のうちに書ききれなかったので投稿は少しズレましたが、体調第一です。

タイトルがえらく長くなるので雑に銘打ちましたが、正式名称は
「安全地帯 40th ANNIVERSARY "Just Keep Going!" Tokyo Garden Theater」
です。

ふーんって感じかもしれませんが信者なので私にとっては大事なことです。
このライブには2日間参加しました。
最初は友人と、そしてこの音源が収録された最終日は一人で行きました。


長くてどうでもいい前置き

サブスクがあると普通はCD買いませんねきっと。
私も安全地帯や玉置さんでなければ音源一緒なら懐事情もあって買わなかったと思います。

割と音にこだわる人間なので(知識はない)、イコライザーのついたウォークマンでアンプかまして聴きたいのです。
あとは、安全地帯と玉置さんへの感謝を込めてお金を払いたいというのと、ジャケットを所有している満足感を得たい、実際に行ったライブだから、とかそんな理由でファンクラブ経由で予約しました。

ファンクラブ経由だと発売日前日に届くので、一昨日の夜に届きました。大変な中、配達してくださり本当にありがとうございました。

ドキドキしながら開封。まず玉置さんと安全地帯の素敵なポストカードが4枚入ってて家宝にしようと思いました。というか、しました。

35周年ソロライブCDも当たり前のように予約していたので同梱されていましたが、今回の記事は安全地帯なので書きたいけど省きます。

CDのジャケットがなんかキラキラしている!画像ではわかりませんが、Vの部分が鏡のように反射していて神々しい!素晴らしいです。

ただ欲を言えば田中さんが画面に映ったカットをジャケットにしてほしかったです。このジャケットはBlu-rayの見開きと同じジャケットなので。。

CDを開けたらまず何をするかと言えば歌詞カードを見ます。これはライブの写真集も兼ねてたので思い出して胸が熱くなりました。

歌詞カードというか冊子を持ち上げると、一枚ポロリと何かが落ちました。
なんか書いてあります。読んでみよう。

「高音質CDの決定版 Ultimate Hi Quality CD」
ほう。

「UHQCDとは~」
うーん。よくわからないけど、とりあえずすごく音質がいいってことですね!すごく楽しみです!

右下に小さく※が打ってありました。
「音質の比較の差は再生環境に影響されます」

ですよね~。ボロボロのCDプレーヤーに100均のイヤホンだったらさすがの高音質でも宝の持ち腐れになってしまいますもんね。
ふるさと納税で高級食材をもらったのはいいものの、料理の腕が絶望的だったら不味い飯しか作れないみたいな感じですよね多分。

ちなみに私は複数の再生環境があるので、細かい聴き比べは今後していきたいと思います。

とりあえず以下の再生環境で聴きました。
※写真載せるのが面倒くさいのでnoteが包括契約しているとされるAmazonリンクを載せています。買っても私の懐には1円も入りません。

病状が今よりひどく頭がおかしくなっていた時期に、妻もジャズが趣味だしもういいやっていって勢いで買ったのでとんでもない額ですが、音だけでいうとそのへんのシアタールームやライブハウスよりいい音です。

なので、たぶんUHQCDの良さがきっと味わえるでしょう。

なんかどんどん脱線してるので本筋に戻します。ごめんなさい。勢いだけで書いてます。

部分的なレビュー本編

やっと本編です。今回は「部分的な」と書いてある通り、一部の曲だけレビューします。

  • あの頃へ

  • 萠黄色のスナップ

  • 夕暮れ

  • 悲しみにさよなら

  • 情熱

  • ひとりぼっちのエール

  • I Love Youからはじめよう

「悲しみにさよなら」を除き、安全地帯の代表曲やヒット曲がありません(最近は「I Love Youからはじめよう」が代表曲になっているとは思いますが…紅白万歳!)。

私がひねくれていて、メジャーな曲よりマイナーな曲が好きなほうが本当のファン、とかそういうのではありません(その発想が既にひねくれてるような気もしますが)。

アカウント名の通り、私は闘病生活を通じて玉置さんを知り、玉置さんソロから遡って安全地帯を聴くようになったので、救われていたり希望になる曲がたまたまマイナーだったり目立ちにくい曲だったりするだけです。

こちらに書きましたが、抜粋しますと、

  1. アマチュア時代からの、カントリーロックのような、洋楽っぽい曲

  2. 童謡のような懐かしさや雄大な自然を感じられる、穏やかで優しい曲

  3. 苦しみの吐露・共感や社会への無力感を歌った、ネガティブ要素の強い曲

  4. 恋愛ではなく広い意味での愛(友愛や自己愛、家族愛等)を歌った曲

の要素を持つ曲が上に挙げた7曲なのです。

・あの頃へ
確かにとてもクリアな音です。若干低音域が弱いかなと感じましたが(ドラムの音が軽く感じるのとベースが小さい)、ちゃんといい音です。

Blu-rayと違って音だけなので、ヘッドホンやスピーカーで目を閉じて全てを安全地帯と玉置さんの歌声に集中して聴きます。

そうすると生まれた地である札幌の吹雪や雪まつり、旭川の冬景色が浮かんできます。見たことがないはずなのに知っているような景色が浮かぶのです。

玉置さんの含蓄のある歌声は、今、冬の旭川にいるかのような感覚へと誘ってくれます。
あぁ、部屋の中が寒いな。暖房をつけているのに寒い。そりゃそうだ、旭川だもの。毎日のように天気予報で旭川の気温を見ると氷点下10度とかが当たり前なんだから、そりゃ寒いよな、って感じになるのです。

そして「あの頃へ」というのは、川の流れる音や陽だまり、広くどこまでも続く空、山々、団地の中で遊んだり野球をやったり、家に帰ったら親がいてご飯を準備してくれていたり、そういう少年時代の優しさと愛に溢れた良き想い出と深く結びついていることを歌声が語っています。

玉置さんの「あの頃へーーー~~~♪」にそれらの要素が全て詰まっているのです。

冬の曲でありながら春を待ち遠しく、辛抱強く耐え忍ぶような曲調と歌い方は、極寒の旭川で生まれ育った玉置さんだからこそ作り上げられるものだと思いました。

今の声は、彼の胸の内に故郷の旭川があるということを感じさせます。遠いからこそ近くにある、そういう感じがします。

・萠黄色のスナップ
アマチュア時代からの曲で、記念すべきデビュー曲です。
べらぼうに好きです。北海道版カントリーロックといっていいと思います。

「あの頃へ」で歌われた、極寒の旭川から、雪がとけて、川に流れ込み、命が芽吹く様子が浮かんできます。旭橋から臨む石狩川が見えてきます。

この前曲からの繋がりが素晴らしい。「あの頃へ」の後に「萠黄色のスナップ」というのは本当にセンスが良すぎます。
冬から春に季節が移ろいでいるのです。

苦しかった時期が去り、活力がみなぎる春がやってきて、そうなることを今まで信じてきたのさ、という歌い口です。
玉置さんが歌詞に「俺」を使うのはレアで、これはアマチュア時代の曲の特徴です。この曲は松井さんが詞を書いていませんので。

春というと「桜」というのがよくあるイメージかと思いますが、この曲の素晴らしいところは春を萠黄色(=草木の緑)で表現しているところです。
枯れた木に葉がつき、草木が茂るようになってきた新緑の季節に、冬眠していた動物たちも動き出す、やっと辛い冬が終わったのだと、それを萠黄色というカラーで表現しているところが本当に素敵です。

最高音はあえて出さず、コーラスと絡ませているところもまた味があっていいです。

2番が終わった後の間奏も、キーボードやサックスによって原曲や若い頃のライブにはない深みのある、それでいてちゃんと原曲の雰囲気を持つ音色で見事に演奏されています。

このCDの値段の半分はこの曲に払っている感覚です。

・夕暮れ
インストなのでボーカルはありません。
ギターの音色がとても繊細で優しくて美しく、あぁ今日も日が暮れて一日が終わっていくな、という感覚になります。
旭川で見た夕焼けを思い出します。

心地よいメロディラインですが、17時になると町に鳴り響く「子どもたちは早く帰りましょう」的な風景も浮かんできて、まだ遊んでいたいな、でも帰ったら晩飯が待ってる、また明日!
みたいな童謡のようなストーリーが出てきます。

これを聴きながら夕焼け空を見たいなあと思うのでした。
武沢さんの繊細なギターは顕在で素晴らしいです。

・悲しみにさよなら
やっとヒット曲が出てきました。
現地に行った時はまだギリギリ身体が動いていたのですが、それでも体調が悪く、アップテンポなヒット曲のオンパレードで圧倒されてしんどくなっていたときにこの曲がきて、一気に安心感に包まれたことを覚えています。

この曲はアマチュアの頃からずっと玉置さんが大切にしてきたであろう、人と人の一対一の人間関係から愛が始まり、そしてそれは単に恋愛という形だけではなく、老若男女問わず誰しも何かしらの形で心に宿る優しさというか、そういう普遍的な愛を歌っていると思います。
安全地帯のヒット曲の中では珍しいタイプの曲です。

未発表曲に「泣いて気が済むのなら」という曲がありますが、あの曲のアンサーソングみたいな感じがするのです。
あの曲では、気が済むまでたくさん泣いて悲しいことを乗り越えた先には笑顔があるもんさ、と若い玉置さんは歌っています。

あの頃からずっと彼の中には変わらない愛という概念がきっとあるのでしょう。

というか、頼むから未発表曲をリリースしてほしいです。旭川時代の曲すごく好きなんです。

話を戻して、間奏前の
「あーいをーー世界中のーぉーためにぃーー〜
♪オーイェエ~♪」
というアドリブは、前述した普遍的なものを感じさせる歌い方でした。

・情熱
旭川で5人が活動再開したときの、エネルギッシュでロックバンドらしさを感じさせる曲です。

アマチュア時代はアメリカという名の夢を追いかけてコピーに始まり洋楽感のある曲を作っていましたが、これは安全地帯としてのバンドサウンドを完成させた5人の結晶みたいな曲だと個人的に思っています。要は、オリジナリティがあるということです。まさに情熱。パッションが滾ってます。

私は「安全地帯Ⅶ 夢の都」溺愛しているので、この曲を聴いたとたんにジャケットの場所である「就実の丘」が浮かびます。

実際にこの場所にも昨年行き、そこでこの曲を聴きました。そのときの言葉にならない感動と、澄んだ空気に広がる大空、大雪山連峰が脳裏に焼き付いています。

そんなわけでこれを聴くとエネルギーが湧いてくると共に、「あの頃へ」とは違う春から夏にかけての旭川にタイムスリップできるのです。

ライブCDの音源は、玉置さんがメンバーと一緒に音を奏でている一体感をより強く感じられます。映像がないと、あぁ、安全地帯の5人でこの曲を奏でているなあと感じるのです。すごく活き活きとした歌声です。

2番でアレンジを加えて「忘れーかーけてぇいるぅー、この、そーらを〜〜♪見上げてーーーエエェェーーーエエェェ~~♪」
というところがすごく好きです。
私も窓からを見て、ああ旭川、と思うのです。

後半では会場が総立ちのムードになってパッと明るくなったことを思い出して、手拍子も心地よく聞こえます。
これを聴いている今この瞬間の自分は、2022年11月30日のガーデンシアターの夜にいるなぁ、と錯覚します。

最後のドラムソロの後に、玉置さんが「安全地帯、ドラァムス、田中ぁ裕二ぃ!!」と高らかに言うところが最高です。

「安全地帯Ⅶ 夢の都」だけで多分2万字くらいは書けると思うのでこの辺で我慢します。

・ひとりぼっちのエール
安全地帯を約10年にわたって活動休止させる前に、今後のソロ活動の決意表明のようにリリースされた曲です。

深い悲しみの中にも、一筋の喜びや希望が隠れていて、それを信じていれば必ず夜明けは来る、嵐のあとの青空が見える、という希望を歌っていて救われます。

君のために 流した涙の熱さが 僕を支えてきたんだ

君のために 叫んだ時間の長さが 僕を強くした

このサビの歌詞は、私がカウンセリングで認知行動療法を受けている中で、自分の中にいる感情の自分(インナーチャイルド)に対して声掛けをして、過去のトラウマや苦しみと向き合い、泣き叫んできた日々をまんま歌っているようで、玉置さんも自分への問いかけをしてきたのかなぁと想像して感動します。泣きます。

「ひとりぼっちの」としているのは、ここで歌われている「君」が、自分自身のことで、そういう過去の自分や苦しみと向き合ってきたことの証拠なんじゃないかなぁと解釈しています。

寂しそうに、辛そうな脆さも感じさせる原曲の歌声と違い、力強さと自信を感じさせる安定感のある声です。過去の玉置さんに歌っているように聴こえます。

会場全体が「ラーララーラー♪」と歌うのに合わせて、スマホのライトをかざした情景を思い出して心が暖かくなります。

最後の玉置さんの「ありがとう!」が、苦難を乗り越えて輝いている今を象徴しているようで素晴らしいです。

・I Love Youからはじめよう
こちらも過去の記事で熱量を持って書きましたが、安全地帯で一番好きな曲です。

トリで一番好きなこの曲を聴けてライブが終わったので、アンコールの定番といっても初めて生で聴く「I Love Youからはじめよう」は凄まじい感動がありました。

この後の紅白歌合戦でもこの曲が披露されましたし、本当に色んな思い入れがあります。

昨年の故郷BANDでも、旭川のアンコールでアカペラで歌ってくれたので、それも思い出して涙がこみ上げてきます。

玉置さんの叫び声のあと曲が始まり、「どーだい!!!」とシャウトするのも昔といい意味で変わっていなくて、玉置さんがこの曲を作ったときからずっとお気に入りで、本人が「今の世の中に必要な曲」だと思ったのも頷ける、時代を超えた名曲だと思います。

イントロのフレーズが、力強いリードギターなのがとてもいいです。
原曲とはまた違った味があります。

1番では、夢を追いかけていた頃を歌っていますが、旭川で合宿生活を送っていた場所(当時はMFP、現ハーヴェストロードハウス)が頭の中に鮮明に浮かびます。滞在時間は数分ですが、実際に行けてよかったです。

2番では歌い方を崩して「ほんとーのぉーじぶんならーイェィ、こわくなぁい~♪」と力強く歌います。「情熱」のアレンジに通ずる熱量があります。

安全地帯が完全復活した2010年以降、しばらく声の調子が悪かったり、すごく崩した歌い方をしていて賛否両論ありましたが(モノマネ芸人のネタになったり)、あの頃の崩し方とは違って、ちょうどいい塩梅だなぁと思います。
すごく完成された歌声です。

この曲の後には「あの頃へ」がオルゴールテイストのインストで入り、大歓声と「ありがとう!!」、拍手に指笛とライブの余韻に浸れる時間があります。

誰かが「まだまだ頼むよ~いつまでも△〇×〇△~~」「あんぜんちたぁーい」と言っていました。
わかります。私もそう思います。

安全地帯の曲オルゴール集とかでないかなぁ。

終わりに

再生環境がうんぬんかんぬんとかは、ある程度の環境さえあればあとは誤差なんじゃないかなぁと思うくらいに、感動が勝ちました。
音もいいですし、なにより特別な思い出が封じ込まれているので生涯聴き続けるライブアルバムになるでしょう。

ありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?