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展覧会レビュー:作品のない展示室 @世田谷美術館

面白い展示(?)をしていると聞いて行ってきました。世田谷美術館には2、3回ほど行ったことがあったし、このような試みは後にも先にもないと思いました。

世田谷美術館は砧公園の中にあり、地域と共存した美術館で規模も大きくありませんが、砧公園ととても調和がとれており、近所の人が大人でも子供でも、フラっと行けるような、素敵な美術館です。

森美術館のようなハイテクな美術館もいいですが、持論としては美術館とは地域との共存共栄すべきものだと思っています。海外はそういう美術館が多いですね。日本ではバブル期に箱物の美術館が増え、企画展の方法も日本独自の路線を行くようになったので、地域とともに栄える美術館というのは少ないように思えます。

そんな中でも、世田谷美術館はとても良いモデルケースだと思います。

最近は「美術館女子」という騒動もありましたが、今回の世田谷美術館は「美術館とは」というシンプルな問いを考えるきっかけになる催しでした。

展示が何もなくても美術館に訪れる人は多く、展示がないのにカメラのシャッターを切る人も多くいます。美術館は展示がなくとも価値があることが証明され、訪れた人たちは展示がないからこそ気づく世田谷美術館の魅力に改めて気づいたことでしょう。

ビジネス的にも上手い開催だと思いました。この催しは無料です。無料なので行く人も多いでしょう。これをきっかけに、世田谷美術館とタッチポイントを作り、いつか面白そうな企画を見た人は、世田谷美術館に行こう、となるでしょう。また、世田谷美術館のミュージアムショップやレストランでお金を落とす人も多いでしょう。このコロナ禍で収益を上げることが難しい美術館が多い中、短期的にも中長期的にも収益に繋げることができます。

あと、砧公園は本当にいい公園ですね…、こんな公園の近くに住みたい。

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