『プレイデート』
未就学児や小学生など、小さな子供たちがお友達と遊ぶこと。親同士が日時や場所を決めて、アレンジのお手伝いをします。

シンガポールでもプレイデートと言っていたので、海外ではよく使われる言葉かと。特にインター校では、子供たちのプレイデートがとても多い様子です。ちなみに、お友達の家にお泊りをするのは『スリープオーバー』。

次男9歳、ノルウェーのインター校に編入して3か月。
先日、ここで初めてのプレイデートに誘われました。

転校生の胸の内

ノルウェーに移住する際、息子たちが学校に馴染めるか、学校を好きになれるか、が一番の心配事でした。

あっという間にお友達を作ってしまう長男と違って、次男は少しシャイな性格。新しいことや、環境が変わることに抵抗を感じやすいタイプです。

インター校に入った当初、なかなかお友達ができる様子がありませんでした。話を聞くと、ランチの時、クラスメートが誰も同じテーブルに来なくて１人ぼっちで食べとたか、休み時間にひとりでブランコで遊んだとか。
「僕は日本がいい。日本の学校が好き」と言う次男に、親ははらはらです。

日本で1年弱過ごした間に、英語をずいぶん忘れてしまったのもハードルでした。人の言ってることはわかるけど、自分から言葉が出てこない。
コミュニケーションがうまくとれていないのでは、と心配したパパが先生に伝えると、クラスに混じりやすいよう、すぐに対策をとって頂きました。

次男は本来、おしゃべりで愉快な性格です。時間はかかっても、いつかお友達が自然にできるだろう、としばらく様子をみてみました。

やがて、同じ時期にマレーシアから転校してきた隣のクラスの子と休み時間に遊ぶようになったり、お友達の誕生日パーティに誘われたり。徐々に交友関係ができ始めて小さな安堵を感じていました。

そして最近、次男の口から新しいお友達の名前（V君）を頻繁に聞くように。それも、プレイデートしたいとしきりに誘われている様子です。

ママ同志が繋がらないと始まらない

プレイデートをするには、まずは親同士が繋がっていなくてはアレンジできません。メッセージを送りあうため、電話番号を交換したいところです。

まだお会いした事のないママと、どうやって連絡をとるものか。
そこで、ミニお手紙を書きました。メッセージカードが手元になかったので折り紙の裏にメッセージを書いて折りたたみ、次男に持たせます。

子供同士、ちゃんと受け渡し係を務めてくれて、V君のママからさっそくSMSが届き、プレイデートのアレンジが始まりました。

ピュアで真っすぐな愛情

プレイデートの前に、学校でV君のママと会う機会がありました。活発そうで、笑顔の素敵な女性です。

セルビア出身で、スタバンゲルは4年住んでるとか、となりのクラスの女の子がV君の双子の兄弟だとか、ママは同じインター校の幼稚園で働いているとか、いろんな情報を得ることができました。

ママが言うには、最近Ｖ君は次男のことばかり家で話していて、（だから、うちが引っ越ししたばかりとか、パパの誕生日が最近だったとか、何でも知っている）プレイデートの催促が続いていた様子。

Ｖ君は今年、親友だったお友達がノルウェーから引っ越してしまい、ずっと寂しい気持ちを抱えていたとのこと。Ｖ君は社交的で明るく、クラスにお友達は多い。でも、とても仲の良い親友が１人いつもそばにいることが、彼にとっては必要なのだそう。

次男が転校してきて、この子は自分が探している親友になるかも、と感じるようになり、一気に仲良くなった様子。クラブ活動も、学校イベントも、できる限り次男と一緒に参加したいし、プレイデートでがっつり一緒に遊びたい、と。

次男が当初、お友達できなくて心配だったことを話すと、「もう心配はいらないわよ、休み時間、ふたりは本当に楽しそうに遊んでるから」と。
ミミズをつかまえたり、集めた落ち葉の上に飛び込んだり、大人しいとは思えない遊びっぷりな様子。

5時間たっぷりのプレイデート

プレイデートの日は、Ｖ君パパ、双子の女の子と一緒にうちまで迎えにきてくれました。寒い寒い日でしたが、「家の中だけじゃなくて外でもたくさん遊ばせたい。サイクリングもしたい」と張り切るパパ。あちこち行くかもしれないから、長時間預かっても大丈夫か、と。
いろいろ計画してくれ、お世話してもらってこちらが恐縮、という感じです。

戻ってきたのはもうすっかり暗くなったころ（4時過ぎたら暗くなる）。
やっぱり寒いなか、元気いっぱいで帰ってきました。手作りワッフルのお土産をかかえて。

ふたりの友情がどのように育っていくかは未知数ですが、ノルウェーでの初めてのプレイデートはきっと次男にとって忘れられない思い出になったと思います。