こんばんわ！なおとです。
今回も「あひるの空」全巻振り返り！今回は28巻です。最近は中々時間が作れず投稿できていませんでした。仕事が～とか言い訳せずに頑張ります。前置きはさておき振り返っていきましょう！

1巻からの振り返りをマガジンとしてまとめていますので下のリンクよりどうぞ。

今回も下記フォーマットでやっていきます。

1．本巻の注目キャラクター
2．連動して読むならこの巻
3．深読みするためにもうひと押し

北住との交流戦、ナベのブザービーターで劇的勝利を収めたクズ高。みんなの調子が上がる中、一人陰りが見え始めーーー。

1．本巻の注目キャラクター

28巻のピックアップは「茶木 正広」こと「チャッキー」です。

ナベ、ヤスとともに初心者3人組としてバスケを始めます。3人の中では比較的基礎能力が高い印象です。DFが上手く堅実な正統派PGです。クズ高には空と千秋とかなりピーキーなPGかしかいないので、試合を落ち着かせたいときには絶対に必要なポジションです。
チャッキーは初期メンバーなのに今まで紹介を避けていたのは、この28巻のためです
この記事を見ている人は知っていると思いますが、結論チャッキーはこの28巻でバスケ部を辞めます。何となく不穏な雰囲気はありましたが、当時は衝撃でした。まさか初期メンバーが止めるとは思いもしませんでした。
ヤスとナベがポジションを確立させていくことに焦り、極めつけは親友ナベの北住戦での活躍を目の当たりにし、自身が取り残されている感覚に陥ります。そして焦りを、取り残されている事実を否定する為にPGとというポジションに固執します。そんな焦りの最中、スタメンを任された練習試合で上手くゲームメイクできず、監督にもう一度試合に使ってくれと直訴します。智久はそんなチャッキーに向かって、

「ポジションは保身の場所じゃない。次の試合ではオマエは使わん」

と余りにもきつすぎる一言。

ポジションが欲しくてこだわった裏腹で、実は取り残されている感覚から逃げるための保身であることを智久は見抜いていましたね。
このシーンを読んだときは正直胸が苦しくなったのを覚えています。
誰だってありますよね。自分の存在意義を求めて何かしがみ付こうとするのは。誰だって自分の居場所が欲しいものです。チャッキーはそれでずっと悩んでいました。ヤスとナベと比較してもチャッキーは劣っているとは全く思いません。PGは経験値がモノをいうポジションなので最初上手くできなくて当たり前です。スタメンを任せられるだけでも胸を張って良いレベルです。
しかし、焦っている時こそ、ナベの活躍なさらにチャッキーを苦しめたでしょう。

智久の言葉を受けて部活を休み始めるチャッキー。この描写も見ていて苦しいです。そんなチャッキーに智久が再度言葉を掛けます。
そして、チャッキーがクズ高バスケ部からいなくなります。

退部の原因としては、自身の役割、存在意義を見出せなかったということに加え、「新入生」というワードも彼を苦しめたでしょう。経験者のPGが入部してきた日にはたまったもんじゃありません。

ヤスとナベの活躍を喜ぶと同時に悔しさを常に持っていたチャッキー。だから冷める。
智久のセリフに「情熱は常に悔しさに勝る」とありますが、最初意味が分からなかったんですよね。
でも今なら分かります。悔しいからそれをバネに情熱を燃やします。しかし逆もしかり。悔しさに情熱が冷め、悔しさに勝ってしまうのです。チャッキーは冷めてしまったんです。プライドの高い低いではありません。チャッキーはバスケが好きでなければならない、頑張らなければならない、そんな葛藤に襲われながら存在意義を求めていました。だからこそ、努力もし走ってきました。
自分の本心を隠して努力してきたのです。それがナベの活躍と自身のミスが重なって浮き彫りになってしまった。

ただ、メンバー同士の繋がりの強さを感じた1冊でもあります。
立ち止まって待つことが優しさではない、見えなくなるまで遠く、遠くまで進むことがチャッキーに対しての見せるべき姿です。

部活を辞めた後の気まずさや負い目は、残った者と去った両方が感じるものです。それで関係が崩れるのって部活をしていた人あるあるですよね。私も経験があります。
空とナベはチャッキーのそんな思いをさせないように動いたことは中々できないことだし、それでも現実でもそうすべきなのだと感じました。

部活を辞めたって友達で親友で、仲のいい先輩です。部活が全てじゃありません。
バスケ以外の部活をしていたら起こりうることや、学校生活、振り返り記事ではあまり触れていませんが恋愛模様も繊細に描き切っているのが「あひるの空」が最高な理由です。本当に奥が深いです。
そしえ考えさせられます。28巻はこの1冊だけを見ても「あひるの空」の真の魅力がギュッと詰まっているので本当におススメです。

次巻はチャッキーの穴を埋めるように新しい風「新入部員」が新たに入ってきます。その中には懐かしいキャラも？一緒に振り返っていきましょう。

2それでは29巻の振り返りお会いしましょう。