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『あひるの空』全51巻振り返る29巻

こんばんわ!なおとです。
「あひるの空」全巻振り返り!今回は29巻です。
チャッキーが辞めメンバが減ってしまったクズ高に新たな風が舞い込みます。
1巻からの振り返りもマガジンとしてまとめてますので是非下記リンクよりお読みください。

今回も下記フォーマットでやっていきます。

本巻の注目キャラクター
連動して読むならこの巻
さらに深読みポイント

春が来て新入部員が入ってきた。新1年が新たにクズ高メンバーに。新しい風と共に関東大会が始まる。

本巻の注目キャラクター

29巻のピックアップは「紺野ミチロウ」です。

-日向武史-あひるの空-第28巻-–-漫画BANK

登場時からとにかく調子ものの彼。しかしクズ高に進学した理由は中学3年の時にクズ高と新城の試合を見て、「この人たちは絶対上がっていく!」と確信したことが理由。彼もまたクズ高のバスケに心を動かされた一人です。あの試合はこんな世代違いまで波紋が広がっていたとは思いませんでした。
スタミナとジャンプ力は優れており、次期クズ高のPF/Cとして名乗りを上げます。しかしお調子者のミチロウにはある弱点が。

-日向武史-あひるの空-第30巻-–-漫画BANK

それは「イップス」です。イップスとは精神的な原因などににより本来できていた動きが突然できなくなる言わば精神病のようなものです。
30巻関東予選1回戦でそのイップスが判明します。極度の緊張により体が硬直してしまうとのこと。出場してすぐに3秒バイオレーションを取られてしまいます。
イップスが原因で中学時代はチームから見放されてしまう悲しい過去を背負っているミチロウですが、クズ高は違います。決して見放さないのがクズ高です。千秋の「イップスの克服が、クズ高バスケ部が勝ち上がる鍵になる」という言葉にひどく落ち込んでいましたが、再度奮起します。ミチロウのお調子者の性格も相まってイップス克服へ努力します。IH予選の2回戦霞川崎戦にて役割を限定することで少しずつ自信を取り戻していきイップスを克服し、晴れてクズ高の一員として活躍し始めます。
ミチロウもそうですが、千秋は本当にチーム全体、そして個人一人一人をよく観察して理解しているなぁと感じますね。千秋がいなければチームはとっくにバラバラになっていた可能性は十分にあります。フロアリーダーは百春が適任ですが、チームリーダーは千秋と言っても過言ではありません。

連動して読むならこの巻


48巻をおススメします。
・「クズ高が勝ち上がっていくための大きな鍵になる」

-日向武史-あひるの空-第30巻-–-漫画BANK (1)

千秋のこの一言はミチロウの性格を考慮しての言葉だとは思いますが、道路は本当にクズ高の鍵になります。チームの要としてキャプテンとしてチームを引っ張り続ける百春は35巻の丸高戦の怪我により満足にプレイができない試合が続くことになります。
そんな百春の代わりとして登場するのがミチロウです。48巻の妙院戦では4Fとファウルトラブルに陥った百春の代わりにミチロウが登場しますが、そのプレイはイップスだった頃とは違い、百春に全く引けを取らないプレイでチームを支えます。そして3年引退後百春の代わりが務まるのはミチロウしかいないと言わしめる程に。元々ポテンシャルの高かったミチロウに足りなかったのは自信と、みんなから頼られる信頼だったのです。この2つが揃えば百春越えもあるかもしれませんね。
そんなミチロウが欲しがる信頼が48巻のラストに少し描かれています。

-日向武史-あひるの空-第48巻-–-漫画BANK

これは後に描かれる大栄戦での一幕です恐らく怪我でプレイが出来なくなった百春と交代するシーンです。ミチロウはこの時百春から信頼と魂を受け継いだのでしょう。ミチロウの覚醒はこの大栄戦で描かれるかもしれませんね。

さらに深読みポイント

29巻からは関東大会が描かれ始めています。そこには懐かしい顔ぶれが。鶴金工業をはじめ、北住、菊川高校の姿もあります。北住と菊川が一回戦で激突します。序盤から北住勇勢。流石強豪と言わんばかりの安定感に加えて太郎の攻撃力です。しかし二ノ宮のプレイから流れを掴んだ菊川が少しずつ開いた点差を縮め始めます。
ここで少し判明した事実ですが、菊川の県大会出場という事実です。

-日向武史-あひるの空-第29巻-–-漫画BANK

あれっ?と思いました。確か菊川はIH予選3回戦敗退で県大会出場を逃しているはずと。恐らくこれは新人戦もしくはWC予選のことでしょう。
ここで私が気になっているのはWC予選の描写が一つも無いことに違和感を感じています。今やIH、国体とWCは三大大会と呼ばれるほどです。そのWCが一つも描かれておらず話にも上がらないのは少し違和感があります。
では何故WCを描かないのか。私はあることに気づきました。それは「家鴨の空」出場する高校がほとんど県立、もしくは市立であること。大栄でさえ県立高校です。よっぽど強豪もしくは私立高校でない限りWCまで部活に残らないということ(受験や就職)、そして青春という短い時間をIHというあえて夏で終わらせることで物語のしての中だるや一度限りの青春を描くためにWCはあえて描いていないのかなと考えています。

この二校とも冬の交流戦以降グッとレベルを上げているのが見てわかります。そして何より二校の「熱量」の高さもやはり公式戦といった感じです。
この関東予選ですが、クズ高はこの熱量に圧倒され緊張により、まさかの1回戦敗退を喫します。それもそのはずクズ高は去年のIH予選から練習試合は多数こなしてきたものの、公式戦は一回も出場していません。秋の国体、新人戦、あひるの空では描かれていませんがWC(ウィンターカップ)予選とすべて同好会であったが故に出場できていません。経験は練習試合で積んできても、チームとしての練度は上がっていませんでした。公式戦の緊張感、一回負けたらそこで終了の恐怖感は実際に体験しないと感じ取れるものではありません。クズ高が更に上に上がっていくためには関東大会での負けは必要な敗戦だったでしょう。なまじ勝っていると気づかないことは沢山ありますからね。

29巻は新しい風、新入部員とともに関東大会に乗り込んだクズ高。不穏な空気のまま30巻では一回戦が始まります。

それでは次の30巻でお会いしましょう。

以下購入リンクです。




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