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漢字で感じる人間学74(青・生命の源の色)

漢字の「青」を取り上げてみます。

字源ではこんな感じ。上は「生きる」の「生」がもとになっています。下の方は「井戸」の「井」で、澄み切った水源の様な意味を現します。

青(金文)

「生」はもともと草木が成長する姿です。それに澄み切った水源が加わることで、「生命の源」の様なイメージを現します。

実際に青は生命の源の色でもあります。生命を生み出した海もその上に広がる空も、もともとの色は青。色んな波長が混ざっている光の中で大気や海の水が青以外の波長を吸収してしまい、青だけを反射するので私たちの目には青く見えます。

また青は、安心感を与える色でもあります。ドラえもんはもともと耳のついていた黄色いロボットでしたが、ねずみに耳を食べられたことで、青く変わってしまいました。これが黄色だったり赤だったりしたら、また違うストーリーになっていたことでしょう。のび太がどんな困った時でも四次元ポケットから何かを出してくれるという安心感があります。

もともと空はどんな曇り空でも青空です。昼なのに暗黒の分厚い雷雲に覆われる時もありますが、それでもその隙間の方を見ていくと、その雲を生み出している青空があります。色んな形をした雲が空に浮かんでいますが、それらが個々の人間や人間の感情とすると、その雲が浮かんでいるフィールドがあって、それはどんな時でも明るい青空です。

この澄み切った生命の源の「青」ですが、他の文字と結びつくと、こんな感じで発展していきます。

水+青で 「清」 水で浄化されて清められるイメージ
日+青で 「晴」 お日さまで澄み切って晴れ渡るイメージ
米+青で 「精」 これは「米」を選り分けで選別し調えるイメージ

分け入っても分け入っても青い山(種田山頭火)

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