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漢字で感じる人間学49(骨が豊かで體・からだ6)

からだシリーズ。骨をキーにみてみます。

からだは今は「体」と表記します。「人の本となるもの」という意味が伝わってきます。これはこれで意味のあることであるのですが、昔は「體」と表記していました。「骨が豊か」と書きます。

「骨が豊か」ってどういうことでしょうか? 骨の数自体は、昔の人も今の人も変わっていません。この「骨の豊かさ」の感じが分かると、この文字の意味もしみじみと伝わってきます。

骨を使ったことばは数多くあります。
・骨身に沁みる
・骨を折る(骨折り損のくたびれもうけ)
・骨を埋める(覚悟)
・どこの馬の骨
・骨休め
等々、どの言葉もからだの表面ではなく、からだの深部、深いところから出てくる感じがありませんか?

人は死んでその体は焼かれても、最後に骨は残ります。「骨を拾う」のは、後に残った人の大事な役割ですね。

また、あまりいい表現ではありませんが、「恨み骨髄に徹する」という言葉もあります。人の心の情念の奥深いものは骨に宿ります。

骨のさらに一番奥、中心部にあるものが「骨髄」です。この「髄」は「真髄」や「神髄」という言葉にもある通り、物事の本質に通じるものです。
さてこの「髄」には何があるのか? (続きます)

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