スクリーンショット_2017-11-21_22.14.30

メルカリとワークスアプリケーションズのインターンからみる「これからの時代の採用戦略とは」

11月17日から24日までメルカリのBOLD Internship に参加しました。

今年の3月にワークスアプリケーションズのインターンにも参加し、

この2つに実際に参加することで感じた

「これからの時代の採用戦略」について、自分なりにまとめていきます。



ワークスのインターンは、

「後輩にオススメしたいインターンシップランキング」

6年連続第1位。(Jobweb調べ)

に選ばれるほど、インターンの登竜門的存在として認知されています。

応募者数は、年間8万人を超えるぐらいのもの。




メルカリのBOLD インターンは、

第1回の前回でも1000人を超える応募があったぐらい勢いがある。

今回で2回目の開催ということなので、

おそらく今後、このインターンの価値は高まっていくはずです。



そもそもインターンで何をするのか?

ワークスのインターンでは何をするのか。



【内容】http://career.worksap.co.jp/internship2019/より引用

実際のビジネスで起こりうる難解な「答えのない課題」に対し、課題を分解・分析し、理想を導く仮説を組み立て、それを実現する新製品を企画。
実際に製品を開発し、大手企業経営者を想定したプレゼンテーションに挑んでいただきます。


簡単に言えば、ビジネスの一連の流れとして、

新製品を企画して、開発まで行った上で、

プレゼンテーション(営業)を行います。

約20日間に渡り、(休みの日も頭を使っていたので、体感として1ヶ月)

自ら課題を設定し、理想を描き、製品を作るところまで実施します。


そして、報酬として、以下の2つが与えられます。

①金銭的対価(成績優秀者は、別途成績に応じた対価が支給される)

②成績優秀者には、3年間の入社パス(インターンシップ終了時に所属している教育機関卒業後3年間、当社規定のタイミングで任意に行使可能)


この3年間入社パスがあれば、

他社入社後、留学後、起業後で会っても、

規定のタイミングでいつでも入社することができる。


というのが、このインターンの大きな特徴です。



メルカリのインターンでは何をするか。



【Mission】https://www.mercari.com/jp/recruit/boldinternship_2017/より
世界で戦うために、まずは、世界を見てきてください。
アメリカ/イギリスに学生を派遣するインターンです。
1週間、現地で暮らし、その場所ならではの発見から、
「メルカリが世界で勝つためのアイデア」
を考えてきてください。


そして、学年は不問。

僕は、2018年卒業の4回生として参加しましたが、

別に卒業年度を偽っている訳ではありません。

(単位を取得し、卒業できるよう奮闘しています。笑)


メルカリの新卒採用は「学年不問・通年採用・実力主義」です。


報酬は、

①金銭的対価(12万円)

②往復航空券+宿泊費は別途支給

となります。


言わば、お金をもらいながらアメリカにいくことができるというインターン。


メルカリのインターンと従来のインターンとの大きな違いは、

従来のインターンは、

基本的に日本でインターンを行い、報酬として海外へいくことが多い。

それに対し、メルカリのインターンでは、

全員に海外に行ってもらう。それも社員が付いている訳でもなく、学生のみで。


「航空券と宿泊費を渡すから、好きな時期に行ってきて」と。


後ほど採用戦略で触れますが、メルカリは、

「性善説」に基づいた上で、ルールを設計しているため、

完全に行動を任せられています。


そもそも、なぜこのようなインターンをしているのか?

企業の採用戦略があって、インターンは成り立っています。


採用戦略は、その会社の人事戦略、経営戦略に基づいて作られているので、

採用戦略を知ることは、すなわちその会社の経営戦略を知ることにも繋がります。


つまり、ここで触れるのはあくまで一部でしかありません。

特徴的なものをいくつか紹介していきます。


※ちなみに、企業の採用戦略を踏まえた上で就職活動をすると、

会社をみる視点も変わります。

(これを戦略的就活と名付け、今後ノウハウ化していきます)


ワークスの採用戦略

「無限採用」

採用人数の上限を決めずに、優秀な人材であれば無限に採用する考え方。

https://www.ceo-vnetj.com/president/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%80%80%E7%89%A7%E9%87%8E%E6%AD%A3%E5%B9%B8/ より


「営業する上において、、『今年は300億円以上売ったらダメだ』なんて言ったらモチベーション下がるでしょう。リクルーティングも一緒のはず。だからどんなときでも優秀な人材は無限に採用することに決めました」


企業に必要なのは、人である。

だからこそ、採用に関しては妥協せず、優秀な人材を確保し続ける。


メルカリの採用戦略

「10人会って10人採る」

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO17570700S7A610C1000000

「日本の採用は、とにかく分母を増やしますよね。ですが、その会社が好きか、興味がなければ、意味がない。小泉(文明社長)も常に言いますが、10人会って、10人採用するのが一番美しいと思います」


まずは、メルカリを好きであることが前提である。


あくまで一例ではありますが、

こうして比較すると企業の哲学などが見えてきます。


これからの時代の採用戦略とは何か?

①性善説に基づいた「自立した個」の想定


「性善説でルールを作る」
https://industry-co-creation.com/management/4778


性善説であることは、

「自立した個人」を想定しているということ。


つまり、自ら思考し、自ら行動する人物であること。


これは、2つの会社のインターンを経験する中で強く感じました。


誰かが作ったレールの上を走るのではない、

自ら道を作り、問題を発見し、問題解決を行うことができるかどうか。


言われたことを素直にやるだけで評価されることはない。

なんでもかんでも企業が教えてくれることはない。


むしろ、

自分からアクションを起こすのは、当たり前であるぐらい。


そのようなことが、採用における価値観として浸透しています。



②失敗を許容する文化がある



これに関しては、企業文化に近いことですが、

採用戦略にあたっても、この思考の重要性は高まっていると思います。


「教え込むことが教育ではなく、

 最も重要なのは、チャレンジできるフィールドを提供することだ」

CEO牧野さんの基本的考え方です。


挑戦にはリスクが伴います。

そのリスクを踏まえたり、許容するような設計が、

求められてきていると思います。


日本社会の特性として、

失敗に厳しいことが挙げられます。


だからこそ、「寛容性」がないと、

その企業に挑戦が生まれない。


この「寛容性」や「期待」という言葉は、

自分自身が大事にする価値観の一つでもあります。


③新卒一括採用制度に左右されない設計

「3年入社パス」 (ワークス)

卒業後、3年間いつでも入社できる権利。

最近、リクルートライフスタイルでも、「2年パスポート」が生まれてきたり、これらは、新卒一括採用に逆行する形で生まれています。

https://www.recruit-lifestyle.co.jp/news/pressrelease/others/nw22574_20170123


「学年不問・通年採用・実力主義」(メルカリ)

『25卒でもOKだよ』 —ボストンキャリアフォーラムを終えて — #bcf #bostoncareerforum


https://medium.com/@guro/25%E5%8D%92%E3%81%A7%E3%82%82ok%E3%81%A0%E3%82%88-%E3%83%9C%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%82%92%E7%B5%82%E3%81%88%E3%81%A6-bcf-bostoncareerforum-41a287de0631


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

メルカリHRグループ マネージャー石黒さんの言葉です。


もちろん、「新卒一括採用」は、メリット・デメリットの両方が存在すると思います。

(これは新卒一括採用に限らず、世の中の事象は基本的にプラス・マイナスの側面あります)


だからこそ、別に新卒一括採用の仕組みが残っていてもいい。


大事なのは、それに左右されることのない「選択の自由」があること。

制度だけでなく、空気も含めて。


少し崩して言えば、「別にどっちでもいい」というソリューション。


これからの時代の採用戦略とは。

①性善説に基づいた「自立した個」の想定

②失敗を許容する文化がある

③新卒一括採用制度に左右されない設計


着実に世の中の流れは、変わり始めていると思います。

これまでの当たり前は、今の当たり前ではない。



それを知った上で、僕ら(学生)は何をするべきか。


数年前に比べ、圧倒的に就活サービスも増え、

学生の売り手市場。


就活をする学生にとって、

とても恵まれた環境になっています。


しかし、そこに甘んじている人に未来はない。


一番伝えたいメッセージとしては、

「学生時代のチャレンジが、

   確実に評価される社会になっていること」


いつも身近にいる人には言っていますが、

「大学生活の時間の使い方で、人生が変わる」


これだけ時間がある中で、何もできなかったら、

社会人になって、何か大きなことを成し遂げられることはない。


「時間」という無形資産を、

何に投資するかで、得られるリターンが変わります。


これまでももちろんありましたが、

そのチャレンジを評価する採用の流れは、

着実に生まれています。





ただ、がむしゃらにチャレンジすれば良いって訳でもない。


まずは、その領域をサービスとして、

仕組み化していくために、進めています。


2018年中には、一つ形となると思いますので、

楽しみにしておいてください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?