Naoyuki M

「学ぶ」について考える企業ではたらく、UXデザイナー。

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ヤコブ・ニールセンのユーザビリティ10箇条を、今あらためて(おまけ付き)

ヤコブ・ニールセンのユーザビリティ10箇条プロダクトデザインを行う際に、知っておいて損のない知見として、『ヤコブ・ニールセンのユーザビリティ10箇条』というものがあります。 もう20年近くこういう仕事をしていると、"あたりまえのもの"扱いされますが、「便利ツール」として、たびたび真正面から思い出すことに大きな意味があると感じます。ので、自分なりの解釈込みで概要をまとめてみました。 ひとつずつ見てみます。 1. Visibility of system status (シ

    • 「対話によって作られるコンテンツ」にユーザーインタビューのヒントがある

      世の中の「インタビュー」を観察してみるリサーチのためのユーザーインタビューをもっとうまくやりたいと思う人は、多いのではないでしょうか。 テレビや雑誌の取材、番組の中の司会者の引き出し、政治番組の討論、映画の中の役者の会話、などを「ユーザーインタビュー」に見立てて目を凝らしてよく観察してみると。 取材者は相手から「視聴者/読者の興味を引くことば」を引き出そうとしている。 司会者は相手から「台本に沿って番組のコンテンツを推進することば」を引き出そうとしている。 討論者は相

      • OBSERVATION FIRST

        2020年1月29日〜30日の2日間、デンマーク発のデザインカンファレンス『Design Matters Pop-up in Tokyo』に参加しました。来日した様々なスピーカーがとてもクオリティの高いピッチを見せてくれました。 1日目および2日目にも登壇した、Bang & OlufsenのデザインリードMichael König氏のセッションにて、彼はこのように言いました。 「プロトタイプは、できる限り極に振れ。重要なのは、そのプロトタイピングに学びがあるか、だ。」

        • 会議とはMURALを描くこと

          議論するってむずかしい会議などで議論するシーンにおいて、こんな悩みごとありますよね。 対立が生まれてしまい前に進まない。 建設的な意見が生まれない。 人間関係がじゃまになる。 発散して何が結論かわからなくなる。 総じて、「会議のムダ」とか「ファシリテーターの不手際」とか「決裁者への不満」とか、そういう結論に片付けられがちです。 そもそも会議とは調べてみました。 会議(読み)かいぎ 合議体の構成員が一堂に会し,一定の事項 (議題) について,互いに意見と情報を交換

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          エシカルデザインの概況

          エシカルデザインとはエシカル(ethical)は「倫理的な」という意味。「エシカルデザイン」とは「倫理的なデザイン」というコンセプトです。 まだ明確な定義はなされていないと思われますが、海外に目を向けるといくつかの組織やデザイナーたちが、"エシカル"というキーワードを掲げて、その取りくみについて宣言をしている様子が見受けられます。 参照:https://2017.ind.ie/ethical-design/ ソーシャルメディアのエシカルデザインソーシャルメディアにおける

          エシカルデザインの概況

          「共創型デザイン(Co-design)」を実践するデザイナーでありたい

          「共創」とは「ユーザーが企業の商品開発活動に参加すること」ではなく、「ユーザーと企業がともに共有価値を創り出す場を持ち続けること」です。 市場経済において需要を供給が超え始めた昨今、社会から真に求められるものを持続的に創り出すことができるかどうか、が企業活動に求められるはずです。それは、ビジネスを成功させる売れるものづくり、だけでも、顕在化したユーザーの課題解決、だけでもダメで、ユーザーとともに創り上げる価値によって実現するソーシャルインパクト(CSV:Creating

          「共創型デザイン(Co-design)」を実践するデザイナーでありたい

          わざわざ理論

          『怠惰の法則』すごい以前、TakramのPodcastでゲスト出演されたGUILD深津さんが「怠惰の法則」というお話をされていました。 聞いてない方には是非聞いていただきたい!たいへんおすすめなんですが、ざっくり言ってしまうと、「怠け者や意志の弱い人にとって優しいサービスが、勝ち残る」という法則です。 Amazonとかメルカリとか、そういうインターネットサービスがうまくいってる理由の一つに、「圧倒的に楽だから」というのがあると思います。強いサービスや商品ほど、これが当ては

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          読んだ 『観察の練習』 菅 俊一

          あけましておめでとうございます。今年は本をたくさん読みたいなあ、ということで。 ぼくは、エレベーターに乗るとぼんやりとツッコミどころを探す癖があります。ボタンがペタンコで押しにくいな、とか、流れるアナウンス音声がまわりくどいな、とか、降りた後に目的地が右か左かわからなくなるな、とか。職業柄でしょうか。暮らしの中にあるユーザーインターフェースについては、常々気にしてしまいます。 この本では、著者の菅さんが感じた、日常に潜む「違和感」についてを、いっしょに考えながら追体験でき

          読んだ 『観察の練習』 菅 俊一