わざわざ理論

『怠惰の法則』すごい

以前、TakramのPodcastでゲスト出演されたGUILD深津さんが「怠惰の法則」というお話をされていました。

聞いてない方には是非聞いていただきたい!たいへんおすすめなんですが、ざっくり言ってしまうと、「怠け者や意志の弱い人にとって優しいサービスが、勝ち残る」という法則です。

Amazonとかメルカリとか、そういうインターネットサービスがうまくいってる理由の一つに、「圧倒的に楽だから」というのがあると思います。強いサービスや商品ほど、これが当てはまりますよね。

いや〜、これ昔のクライアントへの説明に使いたかったな〜、なんて思います。笑。

でも、"わざわざ"やっちゃうかも

しかし最近、ふと思ったのです。ひとって、変な生きもので、「それめんどくさくね?」と思うようなことを好き好んでやって、それを「こだわり」なんて呼んじゃうことすらありますよね。ということで、それを勝手に名付けてみようと思いまして。

『わざわざ理論』
わざわざしたくなるような行動は、ユーザーがうれしい理由になる。

そしてもしかしたら、そのうれしい感情は「怠惰」に勝てるかもしれないポイントとなる、という理論(持論)です。

わざわざは、うれしい

『わざわざ』ということばは、古語の「態態し(わざわざし)」からきたことばだそうです。

「わざわざ」は、古語の「態態し(わざわざし)」から由来しています。
「態(わざ)」には、「意識的に何かをする」という意味があり、「態」を二乗する「態態し」は「わざとらしい」という意味になります。したがって、もともとの「わざわざ」という言葉には、好意的というよりは否定的・マイナス的なイメージの意味が込められています。
間違いやすい「わざわざ」の正しい使い方と例文-Mayonez

わざわざする、ということは、「本来マイナスとなりうる行動を、あえてとる」ということになります。「めんどうなんだけど、つい、やっちゃうんだよね〜。」という声が聞こえてきそうなやつです。そこには、マイナスを超えるプラスの価値がある、という裏付けになりそうです。

例えば…
豆を挽いてコーヒーを淹れる、の、豆を挽くタスク
栓抜きが必要なビール瓶を飲む、の、栓抜きで栓を抜くタスク
お誕生日ケーキにろうそくをたてて火をつける、の、ろうそくをたてるタスク

こういう行動を「わざわざタスク」と呼んでみましょうか。「わざわざタスク」にこそ、効率性とか、便益ではなかなか説明のつきにくい、人間くさい「うれしい体験」のヒントが隠れていそうです。

わざわざは、測れる

だいぶテキトーですが、わざわざの度合いを捉える指標として、「わざわざ指数」というものを考えてみました。あるひとつのシーンの行為全体にかかるコスト(「時間」「難易度」「金額」など)に対する、「わざわざタスク」にかかるコストの割合です。

わざわざ指数 = 「わざわざタスク」のコスト / シーン全体のコスト × 100

例えば「豆を挽いてコーヒーを淹れる」というシーンの行為。全体として10分かかるうち、豆を挽いている行動時間が3分あったとしましょう。すると、豆を挽くという行動の「わざわざ指数」は30ということになります。専用の道具が必要でお金がかかるので、その費用も計算に入れたいところです。コーヒーを淹れる方法を覚える学習コストも必要ですね。(が、あまり掘り下げる複雑でアレなんで割愛します。引き続き考えますテヘペロ。)その「わざわざ指数」が高くてもユーザーが好んで選択しているのであれば、その行動に何らかの強い価値を感じている、ということです。

このプラスの価値をユーザーの行動から発見して、うまく抽出して、サービスや機能として再現できたら、ユーザーのうれしい体験づくりのよい素材になると思うのです。

わざわざは、幸せ

上でも触れたように、「わざわざタスク」にはコストがかかります。そのコストは、削減できそうなコストです。でもあえて、しない。時間的にも物理的にも心の余裕がある状態でないと、「わざわざタスク」は実行できない、と思うのです。

つまり、逆説的に、「わざわざタスク」ができる状況というのは、一見無駄な行動にコストを割くことができるような、精神的に良好な状態である可能性が高い、したがって、幸せな気分なのではないか、と考えられます。

わざわざは、脆い

とここまで書いてきましたが、「わざわざタスク」がもつその価値は、もしかしたらとっても脆いものかもしれません。なぜなら反対側にには「怠惰の法則」的なものがあるからです。「楽な別の何か」という怠惰性の価値を新たに知ることによって、バッサリ切られちゃう可能性もあります。

この10年ぐらいの世の中を振り返ってみても、バッサリ切られちゃったもの、しぶとく残ってるもの、いろいろありそうですね。

以上、「わざわざ理論」ってのを思いついたよ、というお話でした。

※ご意見などぜひコメントいただけたらうれしいです。
※テヘペロってもう死語ですかね。

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Naoyuki M

「学ぶ」について考える企業ではたらく、UXデザイナー。

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