移住準備のオランダで見えたもの50本
「会社を辞めてオランダに移住する!」18年間、テレビ局で、報道記者やディレクターとして勤めてきた私が決意したのは、ことしの立春の翌日のことでした。そもそも、会社を辞めようかと思い始めたのは、今から4年前のことでした。これまで、私は報道記者として毎日さまざまなできごとを取材してはニュースの原稿を書いたり、テレビに顔を出したりしていました。
仕事はとても刺激的でやりがいがあり、それはそれは充実した毎日でした。しかし、東日本大震災から1年が過ぎるころから、報道のあり方や社会のあり方について疑問を持つようになりました。私たちが放送しているニュースは、どの程度、社会に貢献しているのか、ニュースを放送するにしても、もっとよい方法があるのではないか、という疑問です。この疑問は自分自身の中で少しずつ大きくなり、海外から日本を見つめ直してみようと思い至りました。
私には、フルート奏者の妻がいます。数年にわたる相談の結果、妻も私の背中を押してくれるようになりました。そして、40歳を迎える今年2月、世界でも最も報道の自由度が高い国のひとつといわれているオランダに移住することに決めました。最終的に移住を決心した理由は、日蘭通商航海条約に基づく日本人の移住が、比較的易しいことがわかったからです。
ところが、実は私たち夫婦は、一度もオランダに行ったことがありませんでした。そこで、退職前の有給休暇をもらっていた今年5月、私たちは初めてオランダを訪ねました。観光とは少し違った、移住のための視察旅行です。結論から言えば、21日間の視察を通じて、ますますオランダが好きになりました。有料ノート「移住準備のオランダで見えたもの50本」にはFacebookで友人に向けて近況報告した21本の日記など、計50本のコラムを掲載しました。魅力的な社会と言われるオランダ、それが少しでも伝わればうれしいです。
【5月9日@羽田空港】
きょうから21日間オランダに行ってきます。
私の自由意志は、ここから結晶化されます。
これまでの人生で無意識のうちに集めてきた
パズルピースに全体像を意識させるのです。
知恵を想像する旅に胸がときめいています。
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