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会社を辞めオランダに移った100の理由

9月20日に日本を出て、同じ日の夜遅くオランダのデンハーグに着きました。前回のエッセイを投稿してから、すでに1か月以上が経ってしまいましたが、それだけ準備に忙しくしていたということです。いまは、ようやく住む部屋を見つけた、というところです。生活が落ち着くまでには引っ越しや住民登録、起業登記などの作業が山積みで、本格的にオランダでの活動をスタートするまでに、少なくともあと1か月くらいはかかりそうです。

前回、「なぜ日本を離れようと思ったか」を書いたところ、想像以上の反響がありました。見ず知らずの人からも多くのメッセージをいただき、日本を離れて暮らしたいと考えている人が多いことをあらためて知りました。しかし、あの記事の中でも述べているように、私はただ日本がいやになったからオランダに出た、というわけではありません。私自身をより成長させたいという思いや新たな経験を獲得することで自分自身の可能性を拡げる意味も含んでいます。

「なぜ会社を辞めてオランダに行くのか?」という質問を、友人や仲間から投げかけられるたびに私は「理由は100個くらいある」と答えてきました。周りの人に私の考えを知ってもらうため、そして、私が後々、自分の初心がどこにあったのか、いつでも振り返って羅針盤代わりとするために、その100の理由を明らかにすることにしました。それぞれの判断のよりどころとなっている認識については、さまざまな見方や意見があると思いますが、これらは全て私の主観に基く個人的な理由です。なにかのお役に立てればありがたいです。

理由はいくつかのパートに分けられるのですが、まずは私の人生観に関するものがあります。「人生とは何か」というテーマは、学生のころから考え続けていて、自分なりに一定の方向性は出ていると思っています。大学一年生の時に交通事故で重傷を負い、かろうじて生還させてもらったことが、そこから先の私の人生に大きな変化を与えています。その原点にあるのは「せっかくこの命があるのだから、思い切って生かそう」という自らの生命活動への渇望です。

<私の人生とは何か?>

1:自分の可能性を最大限に引き出すため

2:私が人生の主人公であり続けるため

3:豊かな人生を実証するため

4:自分が納得できる人生を送るため

5:自分のバイタリティーをさらに強化するため

6:いつもわくわくしながら生きるため

7:足跡の残る人生を送るため

8:人生を楽しむため

9:家族と一緒に過ごす時間を増やすため

10:愛を実践する人生にするため

11:自分が生きる意味を考えて行動すると道が拓けてくるため

12:いつ死ぬことになっても後悔しない人生を送るため

人生観とは少し違った観点ですが、私のイメージや意識の持ち方から出てきた理由があります。きわめて観念的なものでもあり、非現実的だと思われるかもしれませんが、実はこうしたビジョンは、私が最も大切にしているものです。スピリチュアルだとか精神世界だとか、呼び方はなんでもかまわないのですが地球に生まれていることと、いまここに自分がいる本質を追究する部分です。人によっては、何のことを言っているかわかってもらえないかもしれませんが私という存在への本質的な問いを実践すると、このような理由が出てきます。

<私はなぜ今ここに生きているのか?>

13:自分の魂を輝かせて生きるため

14:地球人として生きるため

15:幼虫から蝶になるように、自分を大きく変身させるため

16:いつでも自分の夢を叶えるため

17:時代の最先端を歩くため

18:自分の行動を通じて周囲の人の気づきを促すため

19:今を生きるため

20:一日一日を意味のあるものにするため

21:直観的に、このままではまずいと感じたため

22:周りの人たちに刺激を与え続けるため

23:あらゆる人とフラットに付き合う人生を歩んでいくため

24:私の人生における機が熟したため

25:石井ゆかりさんの「3年占い」を読んで私は転身できると確信したため

26:易者に「トップに立って行動する人で独立もよい」と言われたため

27:神と宇宙とご先祖様が私のことをしっかり応援してくれているため

28:鈴木隆秀とは何か、とことん追究するため

さて、私という個人に焦点を当ててみると、その反対側に組織が浮かびます。会社組織に18年あまり在籍したことでいろいろな効果や影響を受けました。それらが混ざって、いまの自分ができあがっています。組織と個人というより「個人のあり方」がよりしっくりくる言い方かもしれません。私は個人としてどうしていくのか、という観点からも、いくつかの理由が浮かんできました。

<個人としての私のあり方は?>

29:組織よりも自分の判断を大切にするため

30:私という個人の活動の全てを社会に生かすため

31:肩書きや看板に頼らない生き方を実践するため

32:個人でも生きていける時代になったため

33:やりたいことを実現する私であり続けるため

34:これまでの経験をもっと社会に生かすため

35:個人の可能性を制限する組織から離れるため

36:組織の中の仕事では物足りないと感じるようになったため

37:実力のない人が上にいる組織に身を置きたくないため

38:自分のリズムで生きていくため

39:個人より組織が大切にされる社会で生きたくないため

40:組織で管理職になることに魅力を感じられないため

41:個人の自由を最大限に生かすため

42:自分の将来の責任を組織に押し付けたくないため

43:世界中のどこでも生きていけるようにするため

44:海外の日本人フリーランサーに触発されたため

45:言いたいことが言える「表現の自由」を体現するため

私が会社を辞めてオランダに移住することを決めたとき、私は浜松市に住んでいました。おおらかでオープンな浜松市の土地柄は、生まれ育った静岡市とは正反対で、小中学生時代に転校が多かった私にはぴったりと合いました。私はどちらかといえば、心を許せる友人が少ない方だと思っていますが、浜松市に移ってから友人が増えました。私の周りの浜松の友人には、起業家や経営者がたくさんいました。いろいろな土地から来ている人が多く、独立心が強い人が多いという印象があります。友人でもある彼らの言動から、多くのことを吸収しました。私の人生のターニングポイントとなったのが浜松でした。

<起業家の友人たちからの刺激>

46:浜松の起業家、経営者たちを見ていて刺激を受けたため

47:自分の得意分野で、まだ誰も手掛けていないことに気づいたため

48:Visionを持ちVentureすればVictoryする「3つのV」を実証するため

49:図らずも既得権益層となってしまった自分を打ち破るため

50:今からでも自分で道を切り拓く生き方を始めようと思ったため

私は、大学を出てずっと放送局に勤めてきて、取材を含めた放送現場の仕事、特に記者の仕事にやりがいを感じてきました。仕事とか職業というのは人生で相応の割合を占めるものと考えています。自分の仕事について真剣に考えれば考えるほど、もっと理想を追究しようと情熱が湧き上がってきました。記者の仕事、報道の仕事への問題意識は、自分を動かす大きな理由になりました。

<報道記者の仕事はこれでよいのか?>

51:これまでとは違った視点で報道を学ぶため

52:報道とかジャーナリズムをあらためて考えるため

53:日本のニュースのあり方を変えるため

54:日本の報道が世界的に見て著しく遅れていると思うため

55:市民のメディアリテラシー向上に資するため

56:報道でローカルとグローバルをつなげるビジョンを持てたため

57:報道のプロフェッショナルとして生きるため

報道とは別の観点ですが私はテレビ局の社員でした。実際のところ、テレビは社会の中でもかなり保守的で古い体質が残っている業界の一つだと思います。ネットや技術革新に押され、時代の流れから取り残されそうになっている中で一生懸命、新しいものを生み出そうとする人たちもたくさんいますが、一方で国の免許制度と旧態依然の高収益体質にあぐらをかく人たちが全くいないわけでもありません。テレビという大きな枠組みを見つめたとき、私自身に特別なこだわりや執着がないことがわかりました。むしろ、テレビ業界の古い部分をどうすれば打ち破ることができるのか、に関心が向かいます。それはつまり、いずれ新しいテレビを創造することにも繋がるのではないかと感じています。

<テレビは今、どこに立っているのか?>

58:見ていて恥ずかしくなる番組を作る人たちと一緒にされたくないため

59:自分の友人たちは、もうあまりテレビを見ていないため

60:テレビから、教養や教育の要素がほとんど消えてしまったため

61:テレビ局のやっていることが時代遅れに見えて仕方がないため

62:テレビ局で、報道以外の事業に興味が持てないため

63:広告は時に人を欺くものであり、私はそこに加担したくないため

さて、日本で生まれ育って学んで仕事をして、気づけば40歳になりました。40年間、日本で生活してきたからこそ日本について考えることがあります。記者として、日本のいろいろな人たちを見て、取材させてもらってきましたが特に東日本大震災後の政府の対応や危機管理状況を見ていて、主に政治の面であまりにひどい日本の状況に、目をつぶっていることができなくなりました。正直に言えば、日本に税金を払いたくないと考えるようにもなりました。もうこんな日本から脱出したい、という思いがないわけではありませんが、むしろこの先、どうすれば日本をよりよい社会に建て直せるのか、日本で継承されたすばらしい文化をどのように育んでいけるのか、という思いの方が強いです。

<私の日本はどこへ行くのか?>

64:福島第一原発事故を全く収束することができていないため

65:これから生まれてくるわが子を放射能汚染から守るため

66:政府が原発推進政策を取っているため

67:私の地元の浜岡原発が再稼働に向けて準備しているため

68:2020年の東京オリンピックに、いまだに賛成できないため

69:政府の税金の使い方に納得がいかないため

70:貧富の差が拡大する日本社会に嫌気がさしたため

71:自戒を込めて、日本の市民の民度が低いと思うため

72:日本はきわめて狭い世界だとわかったため

73:納得のいく議論のないまま特定秘密保護法や安保法案が成立したため

74:日本国憲法が変わる前に海外に拠点を移しておくため

75:地震や噴火の被害から自分と家族を守るため

76:日本でもまた戦争が起こされそうなため

77:日本でまた原発事故が起きそうなため

78:私にとって日本は生きにくい社会になってしまったため

79:日本の未来に希望が持てないため

80:これからの日本のあり方を落ち着いて考えるため

81:日本のモデルになるシステムや制度を学ぶため

82:日本の文化と精神を次の世代にしっかり伝えるため

83:いずれ日本を再生させるため

日本を出てたどり着いたのがオランダですが、地球上で数多ある国や地域からオランダを選んだことには理由があります。もともとは、ドイツやフィンランドを移住先の候補として考えていて、これらの国々に下見にも行きました。それが結局オランダに来ることになったのは、オランダと日本の関係に依るところが大きいのですが、個人的にもオランダと強い縁があったと考えています。

<私はオランダに縁があった>

84:海外移住のハードルがもっとも低い国がオランダだったため

85:自分が思い描いた姿より、さらに理想的な形でビザが取得できるため

86:オランダが「世界で最も報道の自由度が高い国」の一つであるため

87:大学時代のオランダ人の友人が私のことをよく覚えていてくれたため

88:オランダの友人が、私の夢と目標の実現に手を貸してくれたため

89:オランダを調べれば調べるほど、自由で先進的で魅力的であるため

90:わが子にオランダの教育を受けてもらいたいため

91:日蘭関係から、大学時代の専攻である日本研究に再び興味を持ったため

92:現代の日蘭交易を自分の手で実現させるため

私は考えることが好きですが、つい小難しく考えてしまうところがあります。しかし、もっと小さな、一見くだらない単純な理由もたくさんあります。毎日の暮らしは小さな選択の積み重ねからできているものですから、単純にあれがしたい、これがしたいという、あまり大きな意味を持たないようなことでさえ俯瞰的に見てみれば、人生を変える理由に十分なり得るとも考えています。

<もっと単純に、やりたいことをやろう>

93:学生時代から、いつか海外で暮らしてみたかったため

94:朝、目覚ましのアラームに睡眠を邪魔されない生活を送るため

95:結婚指輪に刻んだ「A WHOLE NEW WORLD」を実現するため

96:JALのマイレージをエアチケットに交換するため

97:ローンで家を買うのがばかばかしくなったため

98:買ったまま読んでいない本をじっくり読むため

99:世界を渡り歩いた金子光晴に憧れているため

100:私が、会社を辞めてオランダに住みたいため

40歳になった私が、会社を辞めてオランダに移住した理由は、考えていけばそれこそきりがありませんが、100個にまとめるとすれば以上の理由です。それぞれの理由について、紐解いていくこともできますが、かなり長くなるのでまたの機会に譲ることにします。オランダでの生活が始まり、過去を振り返る余裕はしばらくないと思いますが、今後、なぜ自分がここにいるのか、と悩んだ時にこの理由を開いてみると、また道が拓けるかもしれないと思います。

次回からは、私の心の中のことではなく、オランダへの移住についての実際を少しまとめてみようかと考えています。まだこちらに来て10日しか経っていないので、すぐに現在進行形の実況になってしまいますが、私のケースから、オランダへの移住がどのようなものか知っていただく記事にするつもりです。ごくごく個人的な日記のような記事でしたが、最後まで目を通していただき、どうもありがとうございました。温かいお茶でも飲んでくつろいでください。もしできましたら、下の欄の「このクリエイターの活動を応援したい」から、あなたの金銭的なサポートをいただければ、まことにありがたく存じます。

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