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(大学教授と)ペア読書3 「賃労働と資本」

こんにちは!
生姜紅茶と腹巻きにはまっている温活女子・ナエトルです。

今回は、ペア読書第3弾!読んだ本は、マルクス著「賃労働と資本」です。
前回の記事はこちら→第1弾 第2弾 

今年は、マルクスの生誕200周年。
ということで、巷ではマルクスがちょっとしたブームになっているようです。しかし!そんな流行りに乗っかり本を選んだ訳ではありません。

今回この本を選んだ理由は、
進化経済学・政治経済学を研究していらっしゃる
瀬尾先生とペア読書をしたからなんです!
学生時代、地下室で「資本論」を読み漁っていたそうです。笑)

そもそも、「賃労働と資本」はどのような本か
要約文にはこのように書いてあります。
「労賃とは何か、労賃はいかにして決定されるか、という身近な問題から出発して価値法則を簡潔に説明し、余剰価値の成立を明らかにする。(中略)資本制的搾取の仕組を暴露したこのパンフレットは世界各国の労働者に広く読みつがれてきた。主著『資本論』への最良の入門書。」

「賃金とは何か」という本の主題はもちろん、「シェアリングエコノミー」「コミュニティの意義」まで幅広くディスカッションしました。
めちゃくちゃ勉強になった。

マルクスの考え方を少しでも勉強したい!
飲み会でかっこいいところを見せたい!(笑)
という方にはぴったりのブログになっていると思います

今回は、ディスカッションの議題ごとに要点をまとめて見ました。

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その1 マルクスが定義する「賃金」とは何か
賃金とは労働力の生産費。つまり、賃金=労働力の価格
生産費とは、労働力を再生産するのに必要なコスト。
(ご飯を食べること、お風呂に入ること、寝ること などにかかる費用 )

その2 最低賃金はどうやって決まる?
最低賃金は労働者の生存費=および繁殖費 によってきまる。
生存費=生きていくために必要な食べるものなどの価格。
人によって違うから、色々な観点から平均化して決まってる。
最低賃金の差も労働力価値で説明ができる。(都市は物価が高い=労働力を再生産するコストが高い=賃金が高い)

その3 「労働」と「労働力」の違い(重要)
労働=目に見えないぼやっとしたもの。身体から出しても出さなくてもいい。
労働力=商品。価格をつけることができる

その4 あらゆる商品の価格はどのようにして決まるのか
あらゆる商品が、労働力によって作られているとすれば、
労働力をどれだけ費やしたかで商品の価値は決まる。
あらゆる商品は、労働力によって価値を測ることができる。

その5 情報と知識の違い
知識は商品。
情報は、知識を生産するための手段。
情報に人間が労働(解釈)を加えて文脈づけることで知識にする。

その6 労働力で商品の価値が決まるなら、この本500円は安すぎ!笑
確かにそう!!
この本を書くのに費やした労働と本の値段が比例してない。
物価を労働力価値で説明するのは難しい・・・。

その7 反マルクス派の理論は?
物の値段はコストで決まるというもの。
材料費、人件費などに利潤を適当に上乗せする。
だけど、マルクス派からすると、利潤はどうやって決めてんねん!ってなる。(この問いに対する理論的回答はまだない。)

その8 お金の価値
もともとお金は金属で出来ていたから、そのもの自体に価値があった。
それが、紙になって、ビットコインになって・・・笑
だからお金の価値が上がったり下がったりしやすい。
単純に需要と供給だけで決まってくるから。

その9 限界費用がゼロの世界
限界費用がゼロ=価格がゼロ
そして情報化が進み労働者が排除されていく。
すると、労働力の価値で商品の価格が決められなくなり
あらゆる商品は無料で世の中に放出される。
すると、売買が成り立たなくなる。交換関係が生まれない。
つまり、シェアリングエコノミーになっていく。
モノを所有しない時代になる。そうなると労働力で価格を決めるという話は意味を持たなくなる。

その10 シンギュラリティって信じてる?
機械が導入されることで、人間の労働は排除されていく。
人間は労働を求めより低く、より悪く支払われている労働(つまり肉体労働)をするようになる。このことをマルクスは既に言及している。

機械を動かす機械ができ、人間の労働がいらなくなった時、どうする??
まあ、人間のまんまコピーをAIで作ることは無理と言われている。
だから何らかの形で人間は必要にはなる。でも必要な人数は確実に減る。

その11 社会的な繋がり
社会が成り立つためには、社会的な繋がりが必要不可欠。
社会的な繋がりがあるから、資本家が労働者の労働力商品を買ってモノを作り、労働者がモノを購入し、またモノを作り・・・という流れがある。
社会的な繋がりがあるから、人間は古代から発展してきた。
機械化が進んだ時、人間はどの立ち位置にいると思う??そこにいないと、社会的関係から排除されてしまう。
人間と人間との繋がりが絶対に必要になる部分がある。(例えば介護)
こういうところを狙っていくべき。

その12 組織に属するということ
会社には人的資本が必要不可欠。
機械化が進むと、人的資本がいらなくなり、会社が成り立たなくなる。
実際、自分の労働力商品だけで生計を立てる人も増えている。
だけど、そういう人たちも何らかの形で社会と繋がりを持っていなければならない。組織に属して何かをする方が、社会的繋がりは切られにくい。
歴史的に見ても、サロンやバー(飲みの席)から何かが生まれている

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最後に・・・
マルクスは人生をかけて
・資本主義がうまく機能しているのはなぜか
・資本主義の欠点を克服するためにはどうしたら良いか
を解いた人です。

生誕200周年だからこそ、
「賃労働と資本」を噛み砕いて、飲み込んで、
マルクスの理論を学びましょう!

ではでは。

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