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「ながし」って何ですか?

7年ほど前、某市民ランナー向け教室のコーチを引き受けたときに言われた言葉です。

カルチャーショック

私は競技実績はない。趣味で走る少し速いランナーぐらいだ。
そんな私でも、何かの縁で市民ランナー向け教室のコーチ依頼が来て引き受けた。
それまでも、大阪国際女子マラソンを目指したいという女性市民ランナーの方を中心に何名か指導してきた実績はあった。
それなりに一般向けならできるという自信はついていた。
でも、その時に受けた教室の初回で、それは脆くも崩れ去った。
対象が全くの初心者向けで、陸上経験が全くない方たちであったこと。
少なからず、陸上競技をかじってきていた私は、部活さながらの指導を始めてしまった。
集団で体操・ストレッチして、アップして・・・メイン練習して・・と。
いろいろできないことがあっても、初回だし初心者だし・・・という理由で「まぁいいか!」という上から目線で来ていただいてる方をみてしまっていた。やってもらってるメニューもそれなりにこなしてくれてましたし・・・
そして、最後にその時はやってきた。
私が「最後にながし2~3本して終わりましょう」と言ったら・・・
会員さん「ながしってなんですか?」と返事が来た。
「えっ!?」私は固まった。
陸上してきている人なら、常識的になんとなくわかってること。
私は全く説明できなかった。
このとき、私も指導しながら、教えてもらってる身なのだ ということを知った。

実はわかってるつもり

ながしってなんですか?
この説明すらできなかった私は、実は、いろいろ知ってるつもりになってるだけなのでは?と思うようになった。
それ以来、自分の言葉で表現できるように、それぞれの言葉を分解して考えるようになり、自分の体で実験するようになった。
アップってなんだろう?ダウンって何だろう?
アップする意味は???ダウンする意味は???などなど。
深く考えるようになって、実は「不要」なんじゃない?とか、「もっと実験するべき」なのか?とか思うようになってきた。

常識は常識ではない

常識と思ってることは、実は、少し違う分野に行けば常識ではないかもしれない。
小学生のころ、よく「1+1=2」ではなく「1+1=田」という冗談がはやっていた。まさにそうだと思う。
長距離している人にとっては、「夏はスキー場」「冬は海」
ある種常識ですよね!?笑
でも世間一般でそんなこと言ったら、「えっ!?」と思われます。
坂ダッシュと聞いて「上る」方がイメージする人多いかもしれませんが、「下り」をしたっていいじゃない?
常識と思っていることにとらわれすぎると、新しい発想が浮かんでこない。
「ながし」ってなんですか?ここから私のコーチははじまった。

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