銀行はスペシャリストをつくれるのか?

 今週号の東洋経済は斜陽産業としての銀行の特集で、みずほグループ坂井CEOのインタビューが掲載されている。見出しは「ゼネラリストに価値はない」だ。銀行員はスペシャリストであることが求められ、銀行もスペシャリストを育てていくという決意表明だろう。このことは言われて久しいが、本当に銀行はスペシャリストをつくることができるのか。そもそも就活では「銀行」ないし「銀行グループ」という入り口でどの部署に配属されるのかわからないという制度で、スペシャリスト志向の学生は集まるのか。最低でも、銀行営業、信託、証券、コンサルティング、資産運用など分野を明示しないと、やりたいことがはっきりしている学生は、それぞれ、コンサルティング会社、投資顧問会社などに流れてしまうのではないだろうか。結果ゼネラリスト志向の強い(やりたいことが決まっていない)学生だけを吸引することになるのではないだろうか。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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