台風被害は「まずまず」だったのか

 台風被害について、二階幹事長が「まずまずで収まった」と発言して、野党の批判を浴びている。言葉の使い方はともかく、今回たびたび引き合いに出された狩野川台風に比較すれば、被害はかなり少なかったことは事実だろう。気象予測の精度は向上し、ハザードマップの作成など防災準備も改善され、インターネットを通じた情報の収集や発信もスピードアップしたからだろう。「まずまず」とのいかにも肯定的な響きを持つ言葉を使うことは、政治家としては批判されるべきだ。しかし重要なことは、言葉尻をとらえることではない。客観的な事実に基づき、何が機能し、何が機能しなかったのか、被害を少なくするための具体的議論につながる問題提起だろう。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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