たらえかなえ

東京生まれ東京育ちの25歳、奈良へ移住。

たらえかなえ

東京生まれ東京育ちの25歳、奈良へ移住。

最近の記事

なんにもない

自分は何者なんだと最近思う。 映画化されたどこかの小説家の小説のタイトルみたいで月並みな表現だなあと小っ恥ずかしくなるが、ここ最近自分が何者なのか問う時間が本当に多くなった。 そちらの世界から離れて自分を纏っていた色々なものが剥がされたことと、こちらの世界に入ってほぼ全てのことが白紙から始まったからだろうか。 身包み剥がされた自分はまだ何も知らずまだ何も成し遂げることができず、早く肩書きや信頼が欲しくて焦る日々。 「焦らず地道に着実に進んでいけばいいじゃないか。」

    • ちょっくら稲刈り行ってきた

      8月、先輩が住む下北山村で田んぼの雑草抜きのお手伝いをした。 それから1ヶ月。 涼しい風が心地よくて、秋が来たなーと思いきや、日差しが強くてまだ夏が残ってるなーと感じている日々が続いていた。 そんな時に先輩から稲刈のお誘いを頂いた。 稲刈当日、この日もなんだかまだ蒸し暑くて、真夏のリゾート地に行くかのような真っ青なノースリーブのワンピースを着て家を出た。 一向に秋らしくならない気候から現実逃避するため「稲刈り」という行事を体験することで半ば強制的に秋を自ら感じに行くような

      • ささやきの小径の先に

        春日大社の境内の中に、静謐な森林の小径がある。 「下の禰宜道(しものねぎみち)」 通称「ささやきの小径」と呼ばれる道だ。 この道に一歩足を踏み入れるだけで、 観光客で溢れかえった落ち着きのない雰囲気から脱することができる。 馬酔木(あせび)と呼ばれる木が生い茂り、陽の光を遮って美しい木陰を作っている。 涼しい風が通っていて、小川の水の音も清らかだ。 訪れたのは8月下旬だが、汗ひとつかかなかった。 この小径をまっすぐ進むと辿り着く場所がある。 志賀直哉旧居だ。 かね

        • 青丹もいいが、碧も良し。

          あをによし 奈良の都に咲く花の にほうがごとく 今盛りなり 「奈良の都は、花が咲き乱れてよい香りでいっぱいになる頃の様に、今真っ盛りである。」 「奈良」の枕詞になる「あをによし」の字は、「青丹」と書いて、こんな色。 日本の伝統色です。 余談ですが私の部屋のカーテンは、ほぼこの色です。 つい先日、奈良の下北山村に行きました。 ほぼ山に囲まれたこの地域で拝めるのが「前鬼(ぜんき)ブルー」と呼ばれる綺麗な色の川。 タイトル画像の場所も綺麗ですが、もっと綺麗な前鬼ブルーが拝め

        なんにもない

          シティガァル、田んぼへ入る

          どうも。 東京生まれ東京育ち25歳独身女です。 先日、会社の先輩が移住して生活をしている下北山村という所へ行ってきました。 奈良の南部に位置し、村へ行くには山道をウネウネウネウネ…。 奈良の中心地である奈良市内からは車で2〜3時間ほど掛かります。 村から40〜50分走れば和歌山県に突入。 まさに奈良の果て。 そんな下北山村で、先輩の持ってる田んぼの雑草抜きのお手伝いをしました。 均等に並べられた稲の間から、ワサワサと茂るたくましい雑草たちを抜いたり踏んだり。 バッタ

          シティガァル、田んぼへ入る

          伝統と人。奈良団扇を作って

          前回の記事で、「奈良まほろばソムリエ」を目指す旨を書いたが、1級の受験資格を得るためには主催が指定する複数の講座を受けなければならない。 いわゆる奈良をより深く知るためのフィールドワークだ。 記念すべき第一回目の講座は、 伝統工芸品である「奈良団扇」の制作体験。 団扇は古来、中国から魔除けのアイテムとして日本に伝わり儀式的な物として使われていた。 奈良団扇も春日大社の神官の手内職として作られていた歴史がある。 江戸時代以降、庶民用の団扇を作り始めるようになった際、現在

          伝統と人。奈良団扇を作って

          移住までと、これから

          移住するにあたって、25歳計画というものを24歳の後半に立てた。 (なぜ25に拘るのかは、前記事を見てほしい) 【25歳計画】 その1、人生で一番短い髪型にしてみる その2、奈良まほろばソムリエ検定2級合格 その3、奈良に移住する このド低いハードルからド高いハードルの設定は、目標を1つずつ達成していく気持ち良さをジワジワと与えてくれ実に効果的だった。 人生に何かの目的が欲しいと思ってる人は、「なにそれ目標にするようなこと?w」みたいなことから初めてみると良いのかも

          移住までと、これから

          奈良へ移住。

          羯諦羯諦 (ギャーテーギャーテー) 波羅羯諦 (ハーラーギャーテー) 波羅僧羯諦 (ハラソウギャーテー) 菩提娑婆訶 (ボージーソワカー) まだ薄暗く冬の寒さが肌に突き刺さる午前5時前、奈良薬師寺の境内をスニーカーの底で砂利を擦りながら歩き金堂へ向かう。 私の後にも前にも、同じ砂利の音が重なる。 堂内に入ると、薄暗闇の中で蝋燭の灯りの中に浮き上がる薬師三尊像が見えた。 昼間に見るよりも、一層荘厳だ。 その前に座する管主(住職のこと)の後ろ姿は、古来から続くこの朝のお勤

          奈良へ移住。