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奈良にうまい菓子あり

奈良にうまいものなし。奈良を愛する文豪 志賀直哉の言葉である。昨今その言葉は、奈良に対する否定的なイメージとして定着してしまった感がある。

しかし、奈良生まれ奈良育ちの私としてはそのイメージを払拭したい。そんな思いから、会社の同僚や後輩あるいは知人に対して帰省時のお土産として奈良のお菓子を手渡し、反応を観察するという実験めいたことを行っている。

そして、3つ!

皆から良い反応をもらえるお土産を見い出したのである。今日はその3つを紹介したい。おそらくどれもこれも旅行本には取り上げられていないはずのものである。

その1 柿日和

奈良と言えば、地味に富有柿の名産地である。当然柿をお菓子にするところが出てきても不思議ではない。とは言え私は柿があまり好きではない。干し柿に至ってはハッキリ嫌いと言える。そんな私が初めて美味しいと思える柿のお菓子に出会った。それが今回紹介する「柿日和」である。しかもこのお菓子、私が嫌いなはずの干し柿なのだ。柿にしても干し柿にしても、その独特な香りと甘さは食べる者を選ぶ。しかし「柿日和」はどういうことかその独特な癖を上手に消し去っている。初めて試食した時は、口の中に優しい甘みが広がり「あれ?柿てこんなに美味しかったの?」と驚いた次第。以来、値段も手頃で数もあることから、私の中では奈良土産の定番となっている。もちろん、食べた人の反応もすこぶる良い。

その2 ほろっと

さて、この名前を見てどんなお菓子を想像するだろうか?実はこれ、クッキーである。それもあるものが含まれているため、ほろっと塩味的なアクセントが効いて、クッキーの甘みを引き出している。そのあるものとは「刻み奈良漬」である。つまり「ほろっと」とは「刻み奈良漬クッキー」である。この説明を聞くと、渡された人は大抵罰ゲームかよ!と思うことだろう。実際そんな反応を同僚からもらった。しかしである。これが食べてみると予想に反した美味しさなのである。分かり易く例えると「塩バニラ」と同じである。奈良漬と言っても刻んであるため、匂いもそれほど気にならない。だから、純粋にクッキーとして楽しめる。もちろん奈良漬以外のものをアクセントにしても良かったのでは?という疑問は残るが、奈良土産のアイデンティティを与えるためには、それを選択せざるをえなかったのだろう、というのが私の解釈である。ただ表向きは、奈良が誇る最高学府「奈良女子大」による奈良漬の研究分析の結果を元に、本格洋菓子店「ドネードゥガトー」が作った高尚なお菓子という風に説明されている。ちなみに姉妹品として「奈良漬サブレ」もあったりするので、欲張りな方は両方食べてみては如何だろうか?

その3 パスタでポン!

ファッジ コンシェルジェ。このお菓子を作っているお店の名前である。奈良には似つかわしくないお洒落な名前だ。ここは法隆寺で有名な斑鳩の里で営業しているが、主戦場は楽天市場になる。なので、奈良土産という点にはいささか物言いがつく。それに先の2つと違って、奈良の特産品とは全く関係が無い。パッケージの会社ロゴに鹿のシルエットを入れて、何とか奈良土産としてのアイデンティティを保っているという印象だ。その特徴を一言で表すと「ポン菓子を作る工程をパスタに応用してできたお菓子」だ。結果、癖になる食感を手に入れることに成功していて、一度食べ始めるとついつい2度3度とお代わりしてしまう。更に、このお店のキャッチコピーは「ちいさなキャラメル工場」。だから、パスタでポン!には様々な味のラインナップ、例えばメープル味やチョコレート味、はたまたきなこ味なんてものまであるけれど、試してほしいのはキャラメル味だ。先の食感と組み合わさると鬼に金棒。袋が空になるまで止まらない。値段もスーパーで買えるようなお菓子より少し高い程度。多めに買って家に常備しても良いのかもしれない。

あとがき
これにて紹介は終わりです。気がついたら長文になってしまいました。最後までお付き合いいただきありがとうございました。もし、これを読んでこんなお菓子もオススメだよ!というものがあれば、コメント欄にて教えて頂けますとありかだいです。

なお、これを読んで今すぐ食べてみたい!と思った方のために、通販へのリンクを有料エリアに設置してみました。そんなのGoogle先生に聞くわ!というのでも良し、100円でそのリンクの紹介を見て時間を節約するのも良し。

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