見出し画像

naraノート:09 二月堂観光の思い出その2

その1

二月堂の石段を登ると、踊り場に立派な手水舎(ちょうずや)があった。そこには龍の彫刻を施した見事な手水鉢があり、4歳になる息子も興味を持った様子。手を清めながら、龍の彫刻と鉢から落ちる水に魅入られていた。

そして、手水舎からさらに石段を登るとようやく二月堂の堂内。まずは二月堂から東大寺、奈良の眺望を楽しむ。前日が雨だったせいで天気は曇り。雲の切れ間から陽はさすが、青空は見えない。

それを少し残念に思いながら、登ってきた石段を見下ろす。土曜日というのに石段を登ってくる人影は殆ど無い。

長男は二月堂の廻廊を気に入ったらしく走ろうとするので注意する。母と叔母は二月堂の本尊に手を合わせている。観光客はまばら。私は時間を忘れてその空間に佇む。奈良は歴史観光の地としては京都の二番手になっていて、観光客の数では圧倒されているけれど、それ故に歴史の息吹を感じるという点では奈良の方が優れていると思う。東大寺は幸か不幸か観光客でごった返していて忙(せわ)しないが、まだここは知られていない。東大寺に観光に行く人が周りに居たら是非お勧めしたい場所だ。

二月堂を後にすると、左手に東大寺方面へと続く廊下、正面に古色蒼然とした休憩所が現れる。たいして疲れていたわけでは無いが、私は休憩所の存在感に惹かれ中へと足を踏み入れることにした。

つづく

#奈良 #二月堂

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?