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AI化の果てに職業人が見る光景

ども。ならなすおです。
今回は、生成AIが席巻する現代を、中小企業診断士の視点で考察してみたいと思います。

本稿では、職業人としての私(中小企業診断士)が作り出すサービスと、そこに生成AIが介在する余地について、QCDの3点で捉えます。
・Q:品質(Quality)
・C:コスト(Cost)
・D:納期(Delivery)

結論を先に言ってしまうと、私の場合は、品質向上、コストダウン、納期短縮、いずれにもAIは大いに役立ちますが、AI氏が私に取って代わる、という心配は少なそうです。

ここで、一応言っておきたいんですが、「中小企業診断士はAI時代でも食いっぱぐれない」みたいな論考があるみたいですが、私は不同意です。
今でも、そんな食えてないですから。
中小企業診断士、しがなさMAXです。
AI時代が来たからといって、急に有能にはならないですし、急に受注は増えないと思います。
その代わり、多くの職種が食いっぱぐれると言われている論考にも不同意です。
本稿は、その辺の不同意の論拠にもなっています。

では、以下、話を進めていきます。
よろしくお付き合いください。


近未来デカ
(AIにて作成)

(1)Q[Quality 品質]

中小企業診断士の納品物とは、「診断レポート」や「助言」、「サポートして作り上げた事業計画」なんかになると思います。

そういった納品物の品質が、クライアント企業さんの経営方針を決める助けになったり、補助金を取るのに役立ったり、金融機関さんに事業説明をするのに役立ったりするので、中小企業診断士は、クライアント企業さんからお金をもらえます。

つまり、納品物のクオリティが低いと、そもそも仕事になりません。
私の仕事では、QCDの中で一番大事なのは、Qです。

納品物のクオリティを決定している要因は、人によって違うと思いますが、私の場合は、以下のようなものです。
①政策関連の知識
②豊富な支援経験
③丁寧な業界、市場リサーチ
④先端分野(DX)の助言ができる
⑤論点整理が得意

このうち、③や④は、生成AIに仕事を振ることで、クオリティを上げられそうです。
特に、データ収集と、分析ですね。
データを大量に探してきて、演算して、といった作業。
経済分析やマーケティングの分野では、多変量解析(起きている現象と、周辺の出来事を説明している変数との関連を分析する手法)というめんどくさい作業が役に立つことが時々あるんですが、「自分でやれ」と言われたらめんどくさくて、また時間がかかってやれないことも、生成AIにやらせることができそうです。
マーケットリサーチの精度は、上がりそうですね。

他方、⑤の論点整理などは、クライアントさんの思考経路の把握や、参照する文献、データの読み解き方など、現状の生成AIに処理させるには難しい事柄もあります。

まとめると、「AIに全任せは到底できないが、うまく使うことは可能」です。

笑顔の肉攻防戦
(AIにて作成)

(2)C[Cost コスト]

私は、2024年2月現在は1人でやっているので、コストは、「自分の稼働時間」と「外注費」になります。
たくさんコストがかかった仕事には、たくさんお金をいただかないと赤字になります。
つまり、(1)で触れたリサーチ業務や、レポート作成時の校正業務などに生成AIを使えて、短時間で終えられ、若しくは外注しないでいいようになれば、コストが下がります。
ただ、現状では、「めっちゃ時間足りねー」ってほど受注はないので、AIに任せなくても十分回ってます、、、

次に、生成AIに任せられるようになってコスト面でがらりと変わったのは、「画像生成」です。
本来ならプロのデザイナーさんにお願いしないといけないようなイラスト等を、もちろんクオリティはプロには劣りますが、生成AIが作ってくれる。
画像生成AIのおかげで、私のブログと動画については、2024年2月現在、外注費ゼロで作成できています。

さらに、私の場合、本来かけるべき広報コストをかけていないから受注が少ない、という問題もあるのですが、例えばブログ等の検索順位を上げていく「SEOライティング」では、生成AIが大活躍しているようです。
この辺も「広報代行さん」「SNS運用代行さん」に任せるコストを考えると、相当節約できるのでしょう。

コスト面では、「うまく使えば、めっちゃ浮く」と言えそうですね。
私の場合は、元から、コストは自分の稼働時間とChatGPTプラスの20ドル/月だけなので、「めっちゃ浮いたー」とは言えません。
ただ、生成AIを活用することで外注費が浮いている、とは言えると思います。

(3)D[Delivary 納期]

3つ目の納期ですが、ここは、「生成AIを使いだしたらめっちゃ時間かかって納期遅延が発生したー」とかいう事象はおそらく発生しないので、プラス面しかないのでしょう。

クオリティとの絡みで、「検査、修正に時間をかけないといけなくなった」という場合は、もう生成AIの使用をやめちゃいましょう。

本編とは一切関係ないけど
すげー具合悪そうな人
指も1本少ない(AIにて作成)

(4)まとめ

やりますね、生成AI氏。
C(コスト)とD(納期)に関しては、「鬼安く、鬼早く」を実現して社会を変えていきそうですね。

ただ、問題は、Q(品質)です。
問題は、というか人類がもっと自信を持ってもいいところ。
今、まだAIが作った画像、わかりますよね。
AIが作った文章も、わかります。
たとえわかんなくなっても、「お前文章書かなくていいよ」とはならないです。

大量失業時代とかも、来ないです。
人口が減って人手不足なんで、選り好みしなきゃ、多分仕事あります。
そもそも、好きな分野でそこそこクオリティ出せる人なら、しばらくAIに負けないと思いますよ。

クオリティを、出し続ける限り。
多分、どんな分野でも。

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