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西の方角にいらっしゃる仏さま 阿弥陀如来

ドンと沈む夕日があまりにキマっていて、名所でもないけれど写真に撮りました。 

これは奈良の商業施設「ミ・ナーラ」から見えた夕日です。 


この場所は長屋王の邸宅があったことで有名で、長屋王が無実の罪を着せられて亡くなったことも有名です。 

死後その亡骸は生駒山に葬られたとの記述が『続日本紀』にあり、この夕日が沈む方角であります。 

古代から悲劇の人は西の方に縁がある気がします。 

大津皇子は、その死後二上山に葬られましたし(奈良から見ると西側) 

聖徳太子さまの息子、山背大兄皇子もその危機のとき、生駒山に逃げました。 

西方極楽浄土の意識が広まるともに、夕日を拝して瞑想することなどもはやっていきます。 


まさに太陽が沈む方向にいらっしゃるのです。 

みほとけの世界というと、つい天の向こう…お空のほうにそういう世界がある気がしますが、経典には水平方向に進むとある、と書かれているそうです。 

つまりあの沈む夕日に向かって、どんどんどんどん歩みを進めていくと、いつかたどり着けるのかもしれない。 

そんな気持ちにさせてくれるのかなあと思います。 


巻頭イラストはhananosuさんのものを拝借しました。ありがとうございました。


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