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「良い服が欲しい」なら…NAHYAT(ナヤット)でオーダーするのが一番?もうニットだけのブランドじゃない!服好きなら見逃せない総合型ブランドに変貌【レポート】

 今最も「良い服を買う手段は何か?」と問われると、色々考えつくもののNAHYATナヤットの展示会に行ってじっくり服を選び、服を受注する…というのは一つの有力な手段です。

ナヤットはこれまでニット専業ブランドとして名を馳せてきましたが、昨年23年よりニット以外のアイテムにも着手。

シーズンは秋冬モノをメインに想定。
春に誰でも入場可能な展示会で服を見て、オンラインでオーダーし、秋に受け取るという形式になります。

従来のバリエーション豊かな、ここでしか手に入らないようなニットを中心とするものの、シャツ、パンツ、セットアップ、コート…と総合型ブランドへと変貌。


受注生産のメリットを活かして、素材使いやデザインの幅も確保され、また何よりも期間内に受注さえすれば確実に手に入る、というのが大きなメリットのブランドです。

デザイン、素材や縫製、副資材など細部までこだわったドメスティックブランドの洋服は値段が高いのみならず、お金を出せば確実に手に入るというものでもありません。

少量生産であることもありますが、人気ドメスティックブランドの人気アイテムは洋服好きの人気が集中し、買いたくても入手困難なこともしばしば。
発売日が平日金曜日というケースが多いこともあって涙を飲んだことのある方も多いでしょう。

ナヤットは基本的に受注上限数なども無いので、欲しいと思ったアイテムを確実に手に入れることが出来るのです。

反面、デメリットと言うか、当たり前ですが受注ですからシーズンのおよそ半年以上前に支払いを済ませないといけないですし。
実際着られるのは半年以上先なのに洋服を選ぶというのは、洋服がどれだけ好きな人でも至難の業なはず。

気分、気持ちや、欲しいモノってやっぱり半年あればすっかり変わってしまいますからね。
シーズン前は絶対買う!なんて思っていても、いざ発売されると買わなかったなんてこと誰にでもあるはず。

プロ中のプロであるバイヤーだって、当たったり外れたりですからね。

ふらっとお店に立ち寄り、試着して、良いと思ったらそのまま持ち帰れる…それはそれで一つの大きな価値なのです。

そうした難しさもありますが、ナヤットの服、めちゃくちゃ良いのよ…。

私が昨年購入したのは、ニットとパンツ。

まずニット。

本当にニットは種類豊富なナヤットでも、オーダーするとなるとこれ一択でした。

NAHYAT Sixth Season N-085 Fog Green




わずかに青みを帯びた仄暗い緑と薄茶、白で構成されたアルパカウールの柔らかな杢糸。水彩画のように滲んだ色は、複数色を撚糸したのち糸の表面を摩耗させる特異な技法によって調色され表現されています。

こう解説された色味は、一言で言い表すのは不可能な、複雑性のある色味。
グレーっぽいグリーンと言ってしまえばそれまでですが、その一言で終わらすことは到底不可能な深みがあります。

また、研磨されたように擦れたアルパカの繊維は、撚糸では表せないふくらみを生み、単に全体的にフワッとさせただけでなく、本当に一針ごとに空気を含ませたのではないかと思えるほど繊細な起毛感があります。

こだわりが詰め込まれているのに、軽やかさやクリーンさ、女性が着ても成立する可愛らしさなども残されたバランス。

淡い色のアウターから、真っ黒なアウターまで何を羽織っても調和してしまうような不思議な淡さ、トーン。

着心地もカシミヤニットのような極上のそれではないものの、チクチクなどは全くありませんし、何より温かい。

受注会で見た時から、全く初めて見るような、でもずっとこんなニットが欲しかったような。
ニットにもっと望んでも良いのだと見識を改めさせられるような、そんな発見のあるニットでした。

もちろん高額ではあるものの、本当にオーダーして良かったとシーズン中何度も思った逸品です。

もう一つはパンツ。

NAHYAT Sixth Season W-003C/# 1   Black Olive




カラー名Black Oliveの、濃く深いオリーブのツイルパンツ。

形としては、もう本当にオーソドックスな、ストレート〜微テーパードのツイルパンツ。
太いけれど、太過ぎない…、ワイドパンツ穿いてます感の出ない、本当に絶妙な太さ。

その表情は、いわゆるチノパン等とは一線を画すもの。
デッドストックのミリタリーパンツに使われるヘリンボーンツイルとか、これが本当に昔は実用品として使われていたの?と思うくらいに何とも言えない雰囲気と迫力と深みを備えているものですが、これもそんなことを感じさせる生地、深過ぎる色味です。

実は私達がミリタリーパンツに求めていたのって、ポケットとかではなく、この生地とか色味の持つ雰囲気そのものだったんじゃないか?と思えるほど。

そんなわけでミリタリー系パンツとはまた異なる、オリーブパンツの表現…そしてその最高峰ではないかな?という出来でした。

そんなナヤットの今年、24年Seventh Seasonは、月末31日までのオーダー締切。

東京BOOK AND SONSでの展示会は31日までとなっています。


このnoteでは最後まで悩んでいる方に向けてできる限りアイテム詳細レポートをお伝えしますよ。

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