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サンフランシスコが東京より歩きやすい理由

2019年6月にアメリカ・サンフランシスコ市内を色々歩いたのですが、東京よりも断然歩きやすいことに気づきました。なぜでしょうか。

かんたんな自己紹介・・2019年9月からニューヨーク工科大学でFine ArtsとTechを学ぶアラサー日本人。思春期にスイス留学を4年間、東京のIT業界上場企業やベンチャーで社会人を5年間経験した後、アート・デザイン経験0でも海外美大を色々合格した為、へんな自信だけ持って世界のNYへ挑戦しに行く。

サンフランシスコは坂の街ともいわれ、所々キツイ坂があることで歩きにくいと感じる人もいると思いますが、そのネガティブ要素を遥かに超えて歩きやすい街です。

そのポイントとして大きく3つあると考えます。

1.歩きスマホが全然いない
2.皆向かって右側を歩く
3.歩道を走る自転車等がいない

1.歩きスマホが全然いない

サンフランシスコ市内では歩きスマホをしている人がほとんどいなかったです(3日間で見かけたのは正に数人ほど)。驚きました。ぼくが知らないだけで制限する条例・法律があるのでしょうか。みんな前を見て歩いています。路上でスマホを触っている人はちゃんと止まって見ています。

多いのはワイヤレスイヤホンで話しながら歩いている人でしょうか。Airpodsユーザーはよく見かけました。ワイヤレスイヤホンだったりスマートウォッチだったり、スマホをわざわざ取り出さなくても良い環境になってきたことが理由に考えられます。

歩きスマホをしない他の物理的な理由で、マンホールの溝の幅が広いことが意外にあったりするかもしれません。
スマホを落としたとき、下がマンホールだったら結構な確率ですり抜けて落ちるレベルの幅広です(2つ折り携帯でもイイ角度で落ちれば問題なく抜けると思う)。
もしこれが歩きスマホの抑止力になっていたら面白い。そういう意味では、どこか歩きスマホで困っている自治体等で溝幅広型マンホールを実験的にやってほしいです。
効果がみられなくても溝のデザインを意識することで、マンホール愛好家へのアピールにはつながるかもです(ニッチ)。

歩きスマホはぼくが東京で嫌いな点です。。多くの人がスマホゾンビで下を向いて歩いている。そして相手が自分の道を完全にどいてくれることを無責任無意識に願っている。すれ違い時にぶつかることも多いです。その時に一言もない場合がほとんど。お互い嫌な思いをするのに、それが起きる前にすべきアクションを起こしません。

東京よりサンフランシスコの歩道の方が幅広くできている場所もあります。ただほとんどの所で違いはありません。東京の人々をそっくりそのままサンフランシスコに移動させて徒歩実験させても、結局お互いが自ら歩きにくい環境を生み出すように思います。

2.皆向かって右側を歩く

アメリカは文字通り全て「右側」を通ります。例えば車道は日本と逆の右車線(基本左ハンドル)。
そして驚いたことに歩道でも、対向する歩行者がいる場合、決まって自分から見て右側のルートを通るように歩きます。別にそのようなサインが街中にあるわけではなく、「右をとることが暗黙の了解」として存在するように思います。

日本は、少なくとも東京は左をとることが多いように思いますが、これがなかなか上手くいきません。
例えば、左手に建物、右手に車道がある歩道を歩いているとき、建物側に一番近づいて沿って歩くことが多い(少なくともぼくは。。)と思いますが、そんな時、前からも同じように建物側に沿って歩いてくる人を経験したことはないでしょうか。
結局ここでどちらかがルートを変える必要があるのですが、変えないことが多い。「左側をとる」という共通認識があれば、前から歩いてくる人が自らの左側をとって少しでもルートを変えてくれるため、お互いがスムーズに歩けるのですが、そうはいかないことがけっこうあります。

なぜ向こうから歩いてくる人は、左をとることを優先せず、建物側にずっと沿って歩こうとするか。ぼくは3つ目の理由が関係していると考えています。

3.歩道を走る自転車等がいない

サンフランシスコの歩道には、自転車やスクーターといった車輪系の乗り物はほぼ走っていません(ちなみにロサンゼルスも)。車道に二輪系の車両用が整備されていたり、坂が多いこともあると思いますが、なによりも歩道は歩行者が優先されるべきという当然の価値観が、住人ひいては観光客に共有されていると感じます。

東京にはもはやそのような価値観が失われつつあると思います。

今東京の歩道交通状況はめちゃくちゃです。本来車道を走るべき自転車が我が物顔で歩道を走るようになっています。自転車によっては結構なスピードを出していて危険です。
自転車が車道ではなく、歩道を走りたい気持ちも分かります。ぼくも以前自転車に乗っていたとき、場所によっていかに日本の車道が走りにくいかを感じました。多いのは路上駐車が上手くされていないときで、その場合自転車は自分にとってリスクが少ない歩道をとります(でもそれが歩行者にとって危険だと思ったので東京での自転車は完全にやめました)。

2つ目の理由の中で、「左側をとる」ことをしない歩行者がいるといった点に触れましたが、歩道を走る自転車が一番の原因だと考えています。つまり自転車によってはけっこうなスピードで歩道を走っているので、建物側のルートから外れた瞬間、後ろから自転車に追突されるのが怖いのです。ぼく自身もいつ後ろからきているか分からないので、歩いているときはいつも怖いです(ストレス解消のはずのお散歩で、ストレスをためることができる人種)。
建物側の一番左を歩いていれば、大体の場合自転車にやられることはないでしょう。だから歩行者はそのルートに集まります。

みんなが「左側をとる」といった合理的な選択肢を選ぶことができない環境が今の東京です(自転車に追突される怪我のリスクを避けるという意味では合理的)。

nari



大好きな横浜名物シウマイ弁当を食べる時、人生であと何回食べられるんだろう。。と考えます