飲みに行こう

久しぶりに会う。飲み行こうってもう何回目。

好きといえず、これも何回目。

当日。

前日、飲み過ぎてしまって二日酔いだから、ランチ行っておしゃべりしようって君から。

前日、今日の為にいつもより控えめにしていた僕は一体。

二日酔いだ。その苦しみは分かる。だから、炎天下で動き回るのは辛いだろうからと、機会を改めることを提案するも大丈夫と。

会いたい気持ちはあるんだ。少し嬉しかったりする。

午後14時待ち合わせ。君が来たのは14時30分。用事のある駅から二駅目を待ち合わせ場所にした自分に拍手。


ランチ。

カレーを美味しそうに食べる君。

それが一番好きな顔、仕草。このパターン。それでもういいかって思ってしまういつものパターン。

おしゃべり。

どうやら君と会わない半年の間に彼氏が出来ていたようだ。

驚きつつも、これもいつもと同じパターン。最早心の動揺ありきだ、君と話すときは。紆余曲折あって別れた模様。浮気だったみたいだ。前もそんなこと言ってたな。

でもそれは言わない。

正直、ホッとする。やはり君が好きなんだと。

そして一人暮らしを始めたと君。

今色々揃えていて、それが楽しいと。取り敢えずはソロを極めると君は言う。そうか、そうだよねって。

話しているうちに着信音。君は電話に出る。今日の19時で大丈夫ですと。今日ソファが届くんだと嬉しそうな君。どうして辻褄が合っていく。

駅に向かう、ホームまで見送る僕。今度は飲み行こうねって君。そこにはソファの配置に悩む君がいた。落胆することも今に始まったことでもない。

彼女の中でその日全てがちょうどよく噛み合っていたというだけで、辻褄が合っていくと考えるのは邪推であることもわかっている。

わかっているのが辛いんだなとコンビニで買った缶ビールを飲み干し、電車に乗り込んだ。

#君 #エッセイ  


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