ポイ活の果て〜ジェラードン西本・美容室での悲劇〜
【あらすじ】
このお話しは、アラサー会社員『ナリ助』と、ナリ助の心の中にいるリトルナリ助(通称『リト助』)の日常を描いた駄文である。
【ポイ活とナリ助】
「ポイ活」という言葉はご存知だろうか。
ポイ活とは、ポイント活動の略称である。
買い物などでポイントを貯めたり、使ったりすることを指す欲にまみれた俗語である。
そんな欲望にまみれたポイ活に見せられたアラサー会社員がいる。
そう、ナリ助である。
ナリ助『あらまあ、ポイントが1,400ポイントも貯まってるわ、ウフフ、何に使おうかしら。』
会社のデスクで繰り出す爆音の独り言に、隣の女性から軽蔑した視線が突き刺さる。
ナリ助『よっしゃ!髪切ってサッパリしたいから、ポイント使って髪でも切るか!』
リト助『あっちゃん、かっこいい!』
ナリ助『ペコポン!』
古き良きオリエンタルラジオ「武勇伝」のリズムに乗りながら、仕事を放棄して電撃退社。
ナリ助『デンデンデデンデン♪』
上司『おーい、ナリ助のデスク捨てといてくれー』
無事に退社した後は、さっそくネットで美容室を予約する。
そのときに、指名料を支払えば美容師さんを指名することも出来る。
指名料は1,100円。
良心価格ではあるけど、汗と涙の結晶であるポイントがほぼ吹き飛んでしまう。泣く泣く指名は無しで予約。
ナリ助『指名なあ。ここの美容室には、とびっきりの美人がいるんだけどなあ』
と、大きめの独り言を放ちながら、お店の中で順番を待っていると、なんとそのとびっきりの美人が担当に。
美人美容師『ご担当しますねー』
ナリ助『アザーーーッス!!アザーーーッス!!』
カットが始まる。意外と話しも盛り上がってしまう。夢のような時間はあっという間に過ぎていく。
そして終わりはやってくる。
美容師『はい、ちょうど前回から伸びた分くらい切り終えました〜。(はよ帰れ)』
もう少し話したいナリ助は、
ナリ助『な、夏で暑いんで、もっと短くしてもらおうかなぁ、ニャチャァ(マジキチスマイル)』
そんなふうに追加でカットしてもらってたら、あら不思議。鏡の奥には笑顔の素敵な角刈り「ジェラードン西本」が一丁上がりさ。
ポイ活に励んだ末にたどり着いたのは、ジェラードン西本。
ナリ助『人生って世知辛いぜ。明日から仕事頑張ろう。』
リト助『なお、デスクは捨てられているもよう。』
美容師『あのー、早く帰ってもらえます?』
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