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クズ編集者から身を守るためには契約書しかない

私はいま、あるメディアの編集を担当しており、約20名のライターに毎月30本程度の原稿を依頼しています。

全員同じ締切日にすると自分がパンクするので、月の上旬・中旬・下旬の三段階にわけて、平均毎日1本の入稿になるような流れで進めています。

ライターには事前に入稿日から公開までの日程を伝え、そのスケジュールに従って進めています。

具体的には

テーマ出し⇢テーマ決定(1〜2日)⇢入稿(5日〜10日)⇢校正・校閲(3日)⇢著者確認(1日)⇢校了⇢公開

ざっとこんな流れです。基本的には入稿から公開日までは早ければ3〜4日、遅くて7日〜10日という日程で進めます。もちろん原稿を大幅にりライトする必要があるときは都度、公開日までの日程がずれることはあります。公開後は月締めですべてのライターに振込日と振込額をお伝えして完了となります。

しかし、このテーマ出しから入金までのプロセスを一切省く三流編集者が世の中には少なからずいます。入稿したらあとは知らん顔という編集者が本当に多いのです。

フリーであっても、編集者は内容によっては月額契約をしてもらうことも多いので、毎月の収入が比較的安定していると言えるでしょう。

しかし、ライター業は基本的に原稿単位で原稿料が支払われるので、毎月の収入がなかなか安定しません。だから、たとえ1本1万円の原稿料でも、何日締めで何日に振り込まれるかはとても切実な問題です。

たとえば一社の仕事が原稿1本で1万円だとしても、5社なら5万円です。これをすべての会社に1カ月ずらされたらその月の収入が5万円減るわけです。もし1本3万円なら15万円です。支払う側にとっては微々たる額でも、受け取るライターにとっては死活問題になることもあるのです。

しかし、どんなにサボっても給料がもらえるサラリーマン気質のクズ編集者は、そんなことはお構いなしです。

たとえば、私はあるメディアで取材記事を隔月に1本書くという仕事を依頼されたことがあります。隔月1本という依頼だったので、1月、3月、5月と奇数月末納品のスケジュールを想定して準備をしていました。その後、正式な発注を待っていたのですが、担当編集者から一向に連絡がないので、私から取材先の提案をすることにしました。しかし、提案した取材先候補が決定するまでに数週間ひっぱられたため、取材から納品までに1週間足らずというきついスケジュールになってしまいました。 

私が1カ月以上の余裕をもって進めていても、担当編集者は毎隔月末に納品してほしいとは一言も言いません。隔月締め切りも私が勝手に決めたかのような態度で無視です。つまり、私から提案しなければ永遠に仕事は始まらないし、私から締め切りを設定しなければ永遠に締め切りは延びるということです。

提案があれば検討して、「やってもいいかな」と思ったら「じゃあ、やりますか」という超受け身スタンス。「やりたければどうぞ」というスタンスです。これほどライターのモチベーションを下げる対応はありません。提案してから「検討します」と言って1カ月以上放置した挙げ句に、それまでの提案はなかったかのように一切無視して、「ここ取材しませんか?」と言ってくる始末。

予定していた隔月納品もなかったことにされ、その月に予定していた収入はゼロになりました。しかし、微々たる原稿料だから担当編集者はどうでもいいと思ったのでしょう。

私はその担当編集者に、これまで何度もスケジュールがずさんな編集者に悩まされた話をしながら、遠回しに警告をしていたのですが、まったく自分には関係ない話としてしか受けて止めていなかったようです。

こういう状況が半年以上続き、1カ月も放置する編集者とは仕事ができないと思い、私はこの仕事を降ろさせてもらうか、担当編集者を変えてもらうよう上司にお願いしました。すると、それを聞いた担当編集者は「直接言ってくれれば対応したのに」とふざけたメッセージを送ってきました。相手はアラフォーのベテラン編集者です。「スケジュールをちゃんと管理してください」と言わなければわからないクズ編集者には説教するだけムダです。

金額の多寡の問題ではありません。私個人はその仕事が延ばされて、予定していた月に収入がなくても少額なのでさほど影響はありません。しかし、少額とはいえ会社がわざわざ記事を掲載するために予算を確保したにもかかわらず、それを無視して放置するのは、職務怠慢、職務放棄、背任行為でしかありません。編集者というよりビジネスマンとして失格です。それを「直接言ってくれればやったのに」「返事が遅いという自覚はありましたよ」と確信犯であったことを平然とほざく有様です。そんなクズ編集者が、今日も平然と給料泥棒としてのさばっているのが現状です。

こういうクズ編集者からライターが自らを守るには契約書を結ぶしかありません。毎月の納品物の内容、締め切り日、締め日、支払日、支払額などすべて明記してもらいます。もし、会社としてそのような契約は結べないと言われても、メールで確約してほしい内容を送って、了承した旨の返事をもらうだけでも牽制することはできます。また、契約書を要望するだけで、「このライターにはいい加減な対応はできないな」と牽制することはできるので、ぜひ試してみてください。それまでしっかりとした対応をしてくれた会社でも、担当編集者によって変わることは多々あるので、いままで大丈夫だったからと安心せずに条件やスケジュールなどは事前にはっきりと決めるよう心がけましょう。

もし、これまでクズ編集者にさんざん泣かされてきたという方や、これから初めておつきあいする会社だから不安だという方はご相談ください。個別の対応策、および契約書の書き方などを助言差し上げます。ライターも随時募集しております。

経済・ビジネス・社会・マネー・仕事術などに興味のあるライターさん絶賛募集中です!

narita.yukihisa@gmail.com


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