浴衣について

冬は浴衣の季節ではないと思う方が多いかもしれません。ふむ。でもいま私は浴衣を着ているから、この話をしましょう。ま、旅館にいるわけですね。
早速ですが浴衣は好きなところと嫌いなところがあるので、僭越ながらこの場を借りて発表していきたいと思います。どうぞよろしく。

さあいよいよ浴衣好き?嫌い?ランキングもいよいよ残すところあと2つになってまいりました。
気になる浴衣の好きなところ、第2位はッ…………

布が効率的に使われていて、端切れが少ないところ

ですっ!
そして嫌いなところ、第2位はッ…………

布を効率的に使うことをメリットとして呈示する割には貫頭衣にボロ負けしているところ

ですっ!
おーっとここで似たようなランキングが好きなところと嫌いなところにランクインしました! どういうことなのでしょうか? お話を伺ってみましょう。

えー、はい。浴衣ね。浴衣ってさ、端切れ布が全然できなくてすごく効率的だし、勿体なくないんだよね。いまでいえばSDGs?なのかな?笑。江戸の人は勿体ない精神があったそうだからね。じゃあ赤穂浪士四十七士の命は勿体ないと思わなかったのかね?必要悪というやつですか?はい……。
でも布を余らせないという点では貫頭衣に優るものはないと思うんですが、どうでしょうか? うん。浴衣は普段着に使えないけれど、貫頭衣は使える。浴衣がメリットを発揮するときは……ほら、夏祭りで浴衣来てくるイベントとかありますね。でも貫頭衣も悪くないですよ。ワンピースってありますよね。あれ、貫頭衣ですから。

先生へ
大分冷え込みますが、お体はいかがでしょうか?
あれから浴衣にあって貫頭衣にないメリットについて考えてみたのですが、いくつか思い当たりました。
浴衣は前で2つの布を重ねるので、腹周りのサイズによらず、腹囲を測らなくても同じ型で作れるのではありませんか? それから、開(はだ)けることができるのも強みだと懐います。へへ、、
僕より

プペル君へ
前略
君たちはどう生きるか? 君の名前は確かプペル君、……いや、バベル君だったかな? ともあれ元気そうで何よりだ。だが浴衣は朝起きた時にちょっと大変なことになるから全然笑い事ではないのだ。そこのところ、忘れないでおいてもらいたい。え? 東横INNのホテルの部屋着のほうがすごいことになるって? まあわからんでもない。あれが楽しみでわざわざ釜山まで行って東横INNの会員になったような部分もあるね。
かしこ

和装が好きな人からしたら、花火大会とかで急に浴衣とかいう本来は人に見せるようなものではない服で燥いでいる人々を見るにつけて悲しくなりますね。先人たちが命を賭して守った未来がこれか……って。うんうん、それは大日本帝國が悪いね……。

でも僕は自由な時代だからこそ多様性が保たれるし、洋装も和装も許されるんだと思っています。いまも隣国で民族衣装が制限され、言語が制限されている現実がありますが、前世紀に繰り返した過ちを繰り返すべきではないのです。
だからこそ服装の自由は素晴らしい。しかし翻ってこんにち、服装が自由だけどみんなが揃いも揃ってGUしか着ていないのは同調圧力によるネオ全体主義なのか、それとも……?

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