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#55 ソーランはこのまま終わるのか

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きみがただ、きみであってくれますように

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<閑話休題>

テレどま回想録も真っ只中ですが、個人的に気になるニュースが入ったので、想ったことが霞んでいく前に文字に起こしておきたいと思います。

ここを読んで下さるような方々にはもはや周知のニュースかと思いますが、秋に開催延期をしていたyosakoiソーラン祭りが正式に中止になりました。

この決断をするにあたってギリギリまで開催方法を検討していたであろう実行員会、組織委員会の皆様には感謝を示しておきたいです。
大変に心苦しい立場だと思います。まずはお疲れ様でした。そしてありがとうございます。来年以降の開催を心より期待しています。

そしてここからは一ファンとして純粋に感じた見解を語っておきたく、
決して批判や糾弾を目的とした内容ではない事を前置きさせて頂きます。


<率直な疑問>

昨今の社会情勢を鑑みれば致し方ない判断という点は、理解して余りあるものと思っています。最近起きたフェスイベントの悪影響もあってか、多くのイベント・お祭りが世論の逆風に晒され、十把一絡げに不要不急の催し物とされているのが現状です。

結果だけを見れば2年連続中止(当日にオンラインイベントはありましたが)のyosakoiソーラン祭り。
気になるのは、それが「今後にどう影響していくのか」という先行きまで想定した上での判断だったのか?という点。

もちろん2019年までと同規模の開催が難しい事は明らかです。多くの人が2019年以前の祭りの姿での「100%の復活」は求めてないと思います。
特定の会場に限定した形、屋内施設、札幌市内チーム限定でも、チーム参加人数限定でも、結局行きつく所のオンラインイベントでも、本当にどんな形でも実行する事は不可能だったのか。

本当に何もやらずに2021年は終えるのか?ということ。

一歩でも半歩でも「0.1歩でも足を踏み出す事を今年はもうしない」ということ??

公式HPには
コロナ禍での祭りの在り方、我々に今できることを考え、多くの方の協力を得ながら、自治体のイベント開催ルールに則ったガイドラインの作成や会場づくりなど、準備を進めてきました。
という一文がありました。
具体的にはどういう活動をされてこられたのかは、筆者が情報弱者なだけかもしれませんが、存じ上げていません。
結果には結びつかなかったかもしれませんが、もっと広く、強く、その活動をアピールされても構わなかったのではないかと感じます。

恐らく「祭開催というリターン」よりは「祭りを断絶させないリスク」を取ったとも思います。今年無理をして、来年以降の開催に影響(例えば行政の後援取り消しなど)があれば本当に厳しくなる。それは間違いではないと思います。

ただ同時に「未来に何かをつなげる」という気概が感じられない、というのも正直な実感です。

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<各地のお祭りは>

少し視点がズレますが、今年のどまつりが開催された後、ソーランや高知よさこい祭り、その他各地の祭りとの比較が絶対に行われるだろうなぁとは思っていました。

開催による世論の反発、来年以降の継続が危ぶまれるというリスクを抱えつつも、とにかく「1回の演舞だけでもリアル開催」に拘った上に、オンライン企画も成功させると、やれることをやれるだけやってある意味「強行」したどまつり

通常の開催は見送り、小規模な代替イベントを企画し準備を続けつつも、結果としてはそれも中止として、今年の開催は見送った高知よさこい祭り

世間の反発が予想されつつも、現状は開催に向けて進んでいるみちよさ
どんな形を目指しているのか?情報が不足していますので解りませんが、台風も含めて3年連続中止というわけにはいかない!という意識が感じられます。どんな小規模でもやろうという感じ

そしてギリギリまで開催方法を模索し、最終的に中止を選んだソーラン

ここで強く念押ししておきたいのは
何かの判断がが正しくて、何かの判断が間違いではない」ということ。
判断は「何を一番に重視したか」の結果にすぎない。
それには各地の事情や地域性、社会情勢やタイミングも十分関係します。

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<ゼロに戻っているという意識>

また視点を少し変えますが、今の状況ってその要因は違えど、各地で祭りを興した時代に近いと感じます。

それってここでやる必要ある?」「無理だよ!そんなイベント

お祭りの創世期は色んな反対や無関心に遭いながら、それでもそこに意味や意義を見出し、賛同者や協力者を募って産み出されたものでした。そして現在に繋がっています。

粘り強さと突破力。その力があるかないかの差が、祭りとしての判断と行動の結果の差になったのではないかなーと。
その点に於いては「創業者が現役で動いている」どまつりは、その想いが他の祭りよりも少し強かったのではないかと推測します。

もちろんどまつりの所在地である愛知県という地域の経済状況や、東西交通の要衝という地政学的な位置、という優位性も追い風になっている点はありますが、それを言ったらyosakoiソーランだってもう創業30年のノウハウを持った、歴史と実績のある運営組織です。

30年

ベンチャーが10年で9割以上倒産すると言われる中で、企業で例えれば老舗に入ってくる継続年数です。

世の不況で営業を終了する事になったとしても特別不思議な事ではないし、不努力だ!とも思いません。世の中に必要とされる時代が過ぎ、来たるべきその時がやってきたと言うだけで。

既に在るものを年々引き継ぎ、もちろん常に必死だったとは思いますが、それでもそれをこなしていくだけでは超えられない時代に入ってしまったのかなと感じます。過去に例のない事象に立ち向かい、抗う知恵と勇気が必要なのかもしれません。

現況の結果だけ見れば、今のyosakoiソーランは「嵐が過ぎ去るのをじっと耐え続けるのかな?」というイメージをどうしても抱いてしまいます。
タイトルに挙げさせてもらった「このまま終わるのか?」という言葉は、中傷的な意味合いではなく、客観的に見た一つの予測として普通にあり得る未来と感じ、記させて貰いました。

そして終わってしまったとしても、それはその現場の最前線に立つ当事者達が選んだ未来として、これまで頂いた時間と出逢いに感謝した上で、ありのままに受け止めようと思っています。

・・・まぁこういう考え方の人間が、お祭りの企画側には向いてないということだけは、はっきりと理解しております(笑)

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<結びに>

何十年も前から祭りの在り方については常々議論がされてきました。HP掲示板などが隆盛を誇っていた時代には、板上で激論が交わされて事もあります。

筆者の基本的な考え方は「一番想いを持って行動できる人が、したいようにすればいい」という事です。「こうあって欲しいのに!と思うなら自分が動け。人が積み重ねた努力に横から文句だけを言うな」です。

重ねて言いますが、今回のnoteは各地のお祭りの下した判断の正誤を問う内容でも無ければ、ソーランを否定する内容でも、どまつりを賞賛する内容でもありません。

人は感情を基軸として行動するものですが、その気持ちを、言葉を、他者の感情を尊重せずに発するのは、獣と何ら変わりません・・・

優先させたもの、選んだ選択が違ったというだけの客観的な事実の話です。その選択が今後にどう影響し、どんな未来につながっていくのか・・・?

一ファンとしての興味は、まだまだ尽きません。

尽きては、いません。




まだまだ何かをサポートして頂ける様な大層な書き手じゃないのでサポートなんて恐れ多くてとてもとても…>゜))))彡