㊷大方の企業経営者は儲からないと分かっている部門に資金と人材を投入し続けがちであると、かつて誰からか聞いたことがある。折角ある部門であるから、何とか利益を生み出したいと思いながら、存続させようとする。
その部門を捨てる勇気がないのである。
かつて倒産の危機に瀕していたアップルに暫定CEOとして着任したスティーブ・ジョブズが最初に行ったのが、まさに「捨てる」ことであった。ジョブズが着任した時、アップルは40種類もの製品を抱えていたそうで、そのほとんどを思い切って捨て去り、強みの発揮できる四つの製品に絞り込んだそうである。いわゆる「選択と集中」である。
今日、アップル社はiMACやiPADで隆盛を極めている。ドラッカーは「昨日を捨てることなくして、明日を作ることはできない。優れた人材が昨日に縛られていたのでは彼らを活躍させることは出来ない」と言っている。
私たちも身の周りを見直し、自分の業務を整理し、あまり意味のない業務は捨て、明日のために有効であると思われる業務に集中し、あるいは充実させ、それぞれの立場で活躍できる職場環境を創り出そう。