自分の作品を自分で褒めるスタンスになった理由

こんにちは!

美少女画作家の細川成美です。

第5回目の記事は
「自分の作品を自分で褒めるスタンスになった理由」です。


8月下旬にて、無事に三回目の個展を終了しました。


その会期中に率直な質問をいただいたので、今回はその質問について語っていこうと思います。

その質問がこちらです。


「あなたは自分の作品を"可愛い"、”可愛い”とアップされることが多いですが、クリエイターやイラストレーターの方にはあまりいらっしゃらないタイプだと感じました。何故そのようにして作品をアップするのですか?」


合わせてこちらの画像もご覧ください。


そうです。
私は自分の作品を自分で褒めてアップする。
そういうスタンスでtwitterを運営する画家です。


中には、そんな私の言動を見て不快に思われた方も多いでしょうし、

何だこいつは!と驚かれた方も多いでしょう。

ご好意を持ってくださった方も、もしかしたらいるかな?
いてくださったら嬉しい限りです。


ちなみに質問者の方は、特に悪意なく、率直に疑問を持って質問をくださったようです。


クリエイターの中には、謙遜をする方も一定数いますし、

皆様が抱く画家の典型的なイメージとしては、
『ローゼンメイデン』に描かれた人形師や『富江』に描かれた画家のように
ああでもないこうでもないと自分のこだわりを追い求めているイメージの方が強いと思いますので、
「完成した作品に満足できない」
「作品を自身で褒めない」
そういった画家像の方が想像しやすいかと思います。

私も創作を始めた時は、これを美徳として意識してきました。



ただ画家として活動を始めてからは
気に入っている部分に関しては意識的に褒める方向に
シフトチェンジいたしました。


しかし全部を全部一緒くたにして「素晴らしい」と褒めているわけでも、
絵を描いている最中から酔いしれているわけでもなく、
描いている時はごく冷静に、客観的に「どう描けば可愛くなるのか」ということのみ思考して描いているわけです。

修正を重ねて最終的には満足な出来のものばかりですが、
下書きの段階では実は可愛くなかった作品も多数存在します。


何故自分で作品を褒めるのか、これには大きな理由があります。


このことについて、これから説明していきましょう。




↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓



ということで、

「作家の言葉は、作品(商品)のラベルになる」

まずはここから、話していきましょう。


私は絵画を売っています。

ということは、私が行っているのは商売です。

「自己表現」「アート」「絵を描く人」というイメージが先行し、
意外と忘れがちなこの事実。

そう。
私は、自分の最大限の技術とその完成品を使って、商売を行っています。

売約済みのものも含めて私の絵は「買ってくださった方」「運命的な出会いをして、買って下さるかもしれない方」と結ばれています。


つまり絵画作品で完結するものではないのです。

れっきとした商品でもあるのです。



その上で話を進めますが、

加えて絵画は "一点" もの。
その分価格も、(個展に来てくださった方は理解して下さるかもしれない)
高めに設定されています。

お金のない学生の方ごめんね。
でも作品は私の娘のような存在だし、
作家としての生活費と今後の創作活動存続の費用にするため、
安くは出来ないのです。


もしもあなたが、
一点ものの誰かの作品を気に入って
いつもより高い金額を払ってお迎えした作品に関して、

・画家が気に入っていない
・画家が駄作だと感じている
・画家は他の作品に比べ劣ると思っている
・画家は可愛くないと感じている

これらの情報があったら、悲しいと感じませんか?
自分が好きで買ったものを作者に否定された気分がしませんか?

また、作品を選ぶ際、
上記の情報がある作品をお迎えしようと思いますか?



私が買い手なら、欲しいとは思いません。



作品を”貶す”文面を添えて投稿する、

それはどういうことかというと、

商品に悪いラベルを付けて棚に並べることと一緒なのです。



もう一度だけ言わせてください。
私がしているのは自己表現でありつつ、同時に”商売”なのです。


ということは私にはちゃんと、取らなければならない責任があります。

この作家なら、この作品なら欲しいと思ってもらい、

結果、
その人の財布を開かせて
高校生だったら何ヶ月分のお小遣いかもしれない。
何週間分のバイト代ってこともあるかもしれない。
もしくはコツコツ貯めた何ヶ月分の貯金を切り崩しているかもしれない。
そういうお金を払わせるかもしれないのだから。


その払っただけの価値を、作品に感じてもらいたいのです。




作家業を続けて3年。
一体何枚の絵を描いたのか今ではもう思い出せないけれど、初めて売れた絵画のことは今でもはっきりと覚えています。

ギャラリーのオーナーから、「売れたよ!」と報告を受けて知りました。
ふわふわして、すぐにはあまり実感が湧きませんでしたが、展示を始めて数ヶ月の新人の自分の絵でも欲しいと思ってくれる人はいるのだと、嬉しい気持ちになりました。


在廊でギャラリーに出向くと、キャプションには確かに売約の印が貼ってありました。それを見たら、なんだか急にスーッと目が覚めて、怖くなったのです。

無名の私の絵画には、学生である自分は払ったことのない、かなり高めの値段が設定されていました。そこにしっかりと貼られた売約済みのシールが重りみたいに少しのしかかった感じがしました。



今後、私がどんな風に生きていくのか、
どんな作家になっていくのか、
買った方の理想のようにはならないかもしれない。
その後、出世しないかもしれない。

作家が素晴らしく成長するという保証はない。
それによってこの絵画の価値は大きく変動する可能性があり
自分が少しでも判断を誤ると、
その人にとって一瞬で無価値なものになってしまう恐れがあると。

作家の一存で価格が決められ、作家の行動で価格(客観的な評価や価値基準)が変動するであろう作品。

価値は未知数ですべて作家の将来次第、その作品を買って作家に投資するという行為。

もちろん、社会的な価値を獲得しておらずとも、頂いた手紙が自分にとって大切に思えることと同様に価値を見出す場所は様々で、買った方にとって不動の価値を誇り続ける場合もあるでしょう。

そうわかった上でも

作品を買うという行為は、とても無防備な行為だと思いました。



もし良くないものでも作者が質を偽って伝えてしまえば、
作者を信用しているファンは買ってしまうかもしれない。


作者がどうするかにほぼ委ねられている、

作品を人に買わせるということが、どういうことか、

それをずしっと感じた瞬間でした。



それから
作品がストレートに誰かを魅了する時、

作者である自分がそれを阻害するような内容を言ってしまうことは、
絶対にあってはならないと思いましたし、

買ったことを後悔させるようなことがあってはならないと思いました。


とはいえ、さすがに私は一人ですし、
自分が成長していく方向性は自分の意思で決定するので
作品をお迎えしてくれたすべての人の理想を叶えることは出来ません。


でも、たった一枚の絵に感化される人がいるように、
作者である私のたった一言に、大きく影響を受ける人がいる。

私がその作品に対して配慮ない言葉を添えることで
誰かが幻滅したり悲しんで、
作品の価値が0円に変動するかもしれない。

その可能性を意識的に下げることはできる。


だから私は作品を褒めます。

それは同時に
「自分で自信を持てる、愛せる、褒められる作品」を取り扱っています。
ということを伝えているメッセージです。

反対に、そう思えないような作品ははなから取り扱いません。

わざわざそのような作品を上げて、貶すこともしません。


そういったことを念頭に入れて、私はアカウントの運営をしております。


私がしているのは自己表現と同時に「商売」
全ては買い手を意識しての行動なのです。





さて、ここまでは何故作品を褒めるのか?について説明させていただきましたが、そのお話と同時にこちらも話しておかねばなりません。

それはこちらです。


「特定の作品を異常に持ち上げない。」


こちらも、作品を悪く言わないことと同じくらい、
私が大事にしていることです。


アーティストとのコラボや、モデルを起用したものなど、そういう意味での特別な作品はありますが、

作者である私自身が、特定の作品だけを異常に褒めるような行為は、

あえてしないようにしています。


なんで?
別に貶してるわけじゃないし、良いじゃん!

そう思う方も多いと思います。


特定のものを貶すことも、
あるいは特定のものを褒めすぎることもしてはならない。

理由は、

どちらの行為も作品に優劣を生んでしまうからです。


作家がある特定の作品を褒めて何度も投稿したりすることは、
それ以外の作品を所有する方に対して快いものではありません。

性根がひねくれていることを自覚して言いますが、
もし私がその立場なら、ムッとすることでしょう…。


私が特に大切にしているのは

「作品の価値をフラットに維持すること」

それは
「買った方それぞれが自分の所有する作品を一番だと思える土台作り」

になっています。


作品を理解しようとする時、作品を理解するとっかかりを探す時、
まずキャプションやタイトルを読むか作者本人に内容を聞くのが一般的な美術鑑賞のスタイルです。

つまりファンにとって、作者の発言は重要度がかなり高く、
作者が発信したものはほぼ絶対的なものになってしまう。

意図せずでも作者自身が作品の優劣を表に出してしまうと、
それは答案のように、作品の位置を不動のものにしてしまいます。



どの作品が好きか、どの作品を良いと思うか、

また、何故そう思うのか、

作者が実は何の作品を気に入っているのか、

私にとってそういったことは、
ファン同士で是非語り合って楽しんでほしいと思う内容です。


ファン自身が作品に好みの優劣を付けてくれれば良い、

また自身がお迎えしてくれた作品のことを一番に思ってもらいたい。

そういう考えのもと、作家を続けてみて行き着いた結論です。



どうだったでしょうか?

これまでに何回か質問をいただいてきている内容について、

今回は話させていただきました。


ご理解いただけましたでしょうか?


何の気なしにツイートしているように見えると思いますが、
これ以外にもかなり細かいルールを決めてあって、

それを基にツイート内容をかなり厳選しています。


そのルールに関しても、またお話できたらいいなと思いつつ、


今回のnote「自分の作品を自分で褒めるスタンスになった理由」

を締めさせていただきます。



次回もお楽しみに!





もしよかったらこちらも
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


第一回目「コミュ障がデザイン科に進んだら詰みますか?」
第二回目「(雑記)ひたすら少女漫画を避けて生きてきた。」
第三回目「意識しておかないと、欲は死んでいく。」
第四回目「〜に似てる!/〜ぽい!発言は作家にとって得しかない。」


細川成美への仕事の依頼はこちらから
↓↓↓
gmail gun.and.chocolate1028@gmail.com

聞きたい話やテーマ受け付けてます
↓↓↓
https://odaibako.net/u/giRly_darkness

細川成美 Narumi Hosokawa
美少女画作家兼、イラストレーター
twitter https://twitter.com/giRly_darkness
HP http://gdarkness.wixsite.com/narumi-hosokawa
facebook https://www.facebook.com/profile.php?id=100008155931149
instagram https://www.instagram.com/narumi_hosokawa/

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

励みになります!
75

細川成美

note編集部のおすすめ記事

様々なジャンルでnote編集部がおすすめしている記事をまとめていきます。
1つのマガジンに含まれています

コメント2件

めちゃくちゃに面白くて、めちゃくちゃわかりやすかったです。
⤴︎あ、オオムラさんに先こされた!
たしかに。
「買った人それぞれが自分の所有する作品を一番だと思える」というところ、ぐさりときました。健全な自己愛が利他的に作用する…面白いです。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。