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松下政経塾

松下政経塾は1977年に設立され、敷地2万㎡の堂々たる塾である。

かつて150人の塾生がいて、OBの4割が政界に身を置いているが、最近は塾生12名と閑古鳥が鳴いている。入塾の競争率は10~20倍と難関だから、相変わらず難関ではあるが、時代の役割を終えつつあるのだろうか?

政治にはコストがかかる。政経塾で育った人材も、いざ政治家になるとなれば、実に多くの金がかかるだろう。一方で稼ぎ他方で政治活動を行うようなことは、今の時代では無理ではないだろうか?選挙区のいろんな会合、集会に顔を出して挨拶するにも「てぶら」ではない。少なくても1人分の会費プラスアルファを出すのが慣習になっている。これとて交通費まで含めれば、回数が多ければ、たちまち何十万円になるだろう。冠婚葬祭で地元議員の祝電・弔電が披露されるが、これも馬鹿にならない。コンスタントに集金する仕組みがあれば結構だが、まとまった金を受け取ればマスコミに追及される。清貧の政治家は理想だが、あまり清貧を厳しく求めれば、財閥のオーナーが身銭を切って政治をやる以外に、誰もできなくなるだろう。松下政経塾の衰退も、金銭の清潔原理主義の高まりによるものだと思う。


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