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2015はクモ糸の量産元年

クモの糸の強度は鋼鉄の340倍という。

伸びがあって切れず、餌の昆虫をからめとる繊維は実に不思議なものである。これを人工的に作れないか?という夢を持った慶応大学湘南キャンパス(SFC)の若い研究者がついにやり遂げた。

やっとできた人工の糸は2cmほどで、単なるゴミとしか思われなかったが、今年は量産を始める。その規模は毎月1トンである。量産というなら、たくさんの蜘を摑まえてきて飼育するかと思ったら、そんな浅はかなものではなかった。第一クモを一緒にしておくと、共食いを始めるし、1種のクモが数種の糸を吐き出すので、均一なものを取りだすことなど無理だそうだ。微生物の遺伝子を操作して作るとのことだが、それから先は読んでも理解がついて行かない。用途は自動車の車体、防弾チョッキなどがまっさきに挙げられる。

現にこの会社(研究した関山氏が創業)はトヨタの部品会社と共同して自動車への展開を視野に入れて進んでいる。社名はスパイバー(スパイダーではない。蜘のスパイダーと繊維のファイバーをかけあわせたもの)。

関山氏は言う。

「石油由来の原料と膨大なエネルギーを投じて大量にものを生産し、大量に消費する時代は、もはや終わりに近づいています。今後はコアなニーズにあった材料を、持続可能な方法で必要量だけを作る方向へとシフトしていくでしょう。私たちが目指しているのは、「QMONOS」という材料を足がかりに、従来は未開拓だったタンパク質を素材として使いこなす分野を切り拓き、一大産業を創出していくこと。そして、この分野において、日本がイニシアティブをとっていくことです。
5億4千万年前、地球上で一大イベントが起こりました。「カンブリア爆発」です。古生代カンブリア紀初頭、ものすごい数の生物が一気に出現し、今日見られる生物の門(生物学における分類の一階級。上から、界・門・綱・目・科・属・種。)は出そろったと言われています。地球史を大きく変えた生物多様性のビッグバンが起きたわけです。そして、カンブリア爆発の数億年前、遺伝子レベルでの多様性はすでに生じていたと言われています。
私たちはいま、試行錯誤しながら未知の遺伝子を作り出し、膨大な数のデータを蓄えています。まさに、カンブリア爆発が起きる前と同じ状態なのです。近い将来、タンパク質を自在に操る新たな技術を開発し、世界のものづくりにビッグバンを起こそうとしているのです」

参考☞http://www.academyhills.com/note/opinion/13112608GenkiQMONOS.html

#先端技術 #クモ #ファイバー #エネルギー #持続可能 #多様性 #地球 #ものづくり

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