しょうさんの友達は朝が早い。

週末の早朝。

7時過ぎに玄関のピンポンが鳴る。

こんな朝早くに誰？？

ミキさんが慌てて起きて、身支度を整え玄関に向かうまでに時間がかかる。

その間に来客はタバコを吹かしながらしょうさん家の庭でウロウロしながら玄関が開くのを待っている。

「よぉ！しょうさんいるかい？」

「あらしばらく〜」（あら、お久しぶりという意味）

そこからまたミキさんは家の中に入り奥の和室で寝ているしょうさんを起こしに行く。

しょうさんの場合は寝巻きから普段着に着替え、
必ず帽子をかぶってからじゃないと来客とは会わない。

だからここからまたしばし来客は待つことになる。

でも来客者も急かしたりはしない。

かといって自分が非常識に早い時間に訪ねてしまった、と焦りもしない。

当たり前のように平然と庭で景色を眺めながら待っている。

しばらく経って、
「おー、おはよう。随分早ぇーなぁ〜。」

身支度を整えたしょうさんが出て行くと、友達は決まってこう返す。

「おはよう。まだ寝てたのかよぉ笑？」

まだって…7時だけど、訪ねてくる方も早すぎるんじゃね？

年寄りの朝は早い。
特に農家はもっと早い。

しかし、しょうさん家は、
朝のゴミ出しや特別な用事がない限り、
『9時起床』は変わらない。

しょうさんの友達にはマイペースな人が多く、
好きな時間に、突然訪ねてきて喋りたいだけ喋ったら、じゃーなと勝手に帰っていく人が多い。

しょうさんは、気にしていない。
朝早すぎるのは多少眠いと思っても、
夜遅くまで友達がしょうさん家に居座っても。

あーそうきたか。
と、返事をする。