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心理学を利用した営業・接客で他人の心を操れるのか!?

私は過去に臨床心理学と犯罪心理学を学ぶ機会がありました。
今の仕事である営業職や前職であるアパレル経営でお客様と交渉していくうちに社会心理学に興味を持ち20年以上トライアンドエラーで実践した『使える心理学』の紹介と解説をしようと思います。

タイトルにあるように心理学を利用した営業・接客で他人の心を操れるのか?ということですが、結論から申しますと『他人の心を自由自在に操ることはできないが、心理学を使った質問やテクニックを使うことで、こちらが決めたゴールにある程度誘導していくことはできる』です。
催眠術や洗脳とは違いますので術者の思い通りに操ることはできません。しかし催眠術の導入やマインドコントロールにも心理学のテクニックが使われています。余談ですが洗脳・マインドコントロール・心理学は似ているようで少し異なります。ざっくり分別すると
『拷問などの暴力と恐怖で』支配するのが洗脳(ミサイルをバンバン発射している某国など)
弱いところに付け込まれ『罰と報酬』を植え付けられた人が知らず知らずのうちに支配者に操られ逆らえないのがマインドコントロール(オウム心理教など)といったところでしょうか。
人の心は十人十色ですが、今回の心理学のお話は【そう】来られると【こう】したくなるという相手の深層心理に呼び掛ける話術や技術のことです。

もちろんですが、例えば車屋さんでの接客で車を買う気が全く無い冷やかし客に車を売ることはできませんし、ベンツが大嫌いな人にベンツを売ることも当然できません。ある程度きちんと話を聞いてくれる姿勢があるのが前提です。
お客さんにスペックや他の車との違いなどの説明をだらだらするだけで印象に残らないありきたりな接客では『その車に元々興味を持って、買いに来ているお客さん』以外にはなかなか売れないでしょう。

しかし『この人は他のセールスマンと違って本当に私の事を考えてくれてるんだな。どうせ買うならこの人から買いたいな』と思わせることができれば、実際に売れるかどうかは予算やこだわりなども複雑に絡み合い結果次第とはなりますが、売れる確率自体の底上げをすることは可能です。
今回はそうなるように心理学のテクニックを利用し、誘導することを目的と致します。

今は例え話で車屋さんを例にあげましたが、心理学は飲食業や接客業、営業職など人と関わる仕事に使えますし、仕事など全く関係なく、気になるあの人ともっと仲良くなる手段として有効に使えます。

もしかすると一部の人は心理学を悪用するなんて!と言いたくなるかもしれません。
安心してください。そんな人も自分を正当化したいときや、相手に自分の意見を通したいとき無意識に社会心理学のテクニックを使っています。
一例をあげると、あなたが結婚のご報告を相手方のご両親にしに行くとき、きっといつもより綺麗に正装し、会話の内容なども相手に好印象を持ってもらえるよう自己プロデュースしますよね。
これは心理学的には相手に【ハロー効果】を期待しているからです。
ハロー効果とは見た目や話しの内容、学歴や今までの経歴などの一部の情報を基に全体の評価を判断してしまう心理です。
全体の評価は前述した一部の情報に引っ張られますので、『見た目や話の内容がきちんとしているからきっと結婚してもきちんとやっていってくれるだろう』と全体の評価を良い方向へとイメージさせるテクニックの一つです。

社会や企業もこの世界は心理学の原理を利用して購買意欲の促進を促すことが当たり前となっております。
企業や商品のCMなどで好感度の高いタレントさんを機用することで企業全体のイメージUPや『あの女優さんが使ってる(宣伝している)商品ならきっといいもののはず』という心理は先ほど出てきたハロー効果ですし、コンビニやスーパーなどでは左回りの法則を基にディスプレイされています。

古い営業マンの上司からは「お客さんには何回も顔を合わせて面談しろ」と言われたことがあるのではないでしょうか。
これを【単純接触効果】と言い、顔なじみになり会う回数を重ねるほど相手方の警戒心を減らす効果があります。
ポストに入っているチラシには『期間限定!』や『今だけ半額!』とか『このチラシを見た方だけに!!』などの特別感を演出する【ハード・トゥ・ゲット】という手法を目にされると思います。

とても面白い表現方法としては【フレーミング効果】というのがありまして
「当社はお客様満足度90%です!」と表現するのと
「当社でお買い上げされたお客様の10人に1人は不満があるようです。」と表現するのでは全く同じ内容のはずですが前者の方がポジティブに、後者の方がネガティブな感じを受けたと思います。

このように心理学を使ったセールスは昔から存在しております。
それならあなたも心理学を使われる側より使う側になる方がお得です。
特に使う予定が無い方もこの記事を読んでもらえば様々な場面で『あ~、コイツ何か仕掛けてきてるな?』と察知することができるようになるでしょう。


さて、前置きが長くなりましたが、ここからは営業などで使える心理学を具体的に見ていきましょう。

心理学を使い相手と長く途切れない会話をするテクニック

初回面談やまだ気を使う相手との会話では沈黙は気まずくなってしまうので避けたいですよね。
この方法を使えば3時間くらい平気で会話が途切れず、尚且つ相手の深層心理にある本当の想いや気持ちを引き出す会話術が可能です。

【バーナム効果】
誰にでも当てはまるような抽象的な表現であたかも自分の事を言い当てている、私の事を理解してくれていると錯覚させるテクニックです。
占い師が頻繁に使用する手法で「あなたは面倒くさいなと感じるような場面でも、上手にその場の空気に合わせた立ち振る舞いをする能力に長けています。」など実は誰にでも当てはまるような内容の言い回しです。
営業で使用する場合は「今日は少しお疲れみたいですね。」と相手を気遣う姿勢を見せたり、会話をつなぐのにも便利です。
また「〇〇さんは本当に優しい方ですがここぞという場面ではきちんと意見を言ってくれるので安心です。」など自分を前に出さない人をさりげなく褒めて良い気分にさせたい場面で効果があります。

【コールドリーディング】
観察眼をフルに使い相手に起こった事を見抜き推理する技法です。例えば雨が降っていない日に腕の袖口や服に濡れた形跡があった場合、『ここに来る直前にトイレに行ったんだな』と推察するなどです。
あまり人間関係が出来ていない状態で名探偵のようにずばり言い当ててしまと気味悪がられるのでオブラートに包むのが大事です。
左手の結婚指輪を見て「おいくつのときにご結婚されたんですか?」という質問をし家庭や子どもの話題からお小遣いの使い方、趣味の話などへと話を膨らませていくような使い方がおすすめです。
いつもネクタイをシングルで巻いてる人が今日はダブルで巻いていた場合に「今日はよりビシッと決まってますね」と声をかけることができたならあなたの評価は間違いなく上がるでしょう。

【サトルクエスチョン】
考え方はコールドリーディングと同じく観察眼を使い推測しますが、わざと限定的な質問をすることで本心を引き出すテクニックです。
ランニングシューズを履いているお客さんに「お休みの日は必ず走るんですか?」と投げかけます。
『休みの日は必ず』とわざと限定して質問するのがポイントです。
もちろんたまたま当たって本当に休みの日に必ず走るというパターンも稀にあるでしょうがそれはそれでOKです。事実ならそれが本音となりますのでどんどん掘り下げて話をすればいいだけです。
ただ殆どの人は否定してくるはずです。「いや~、2週間に1回くらいですね」とか逆に「いや、ほぼ毎日走りますよ」とかです。この否定後のフレーズが本当に感じている気持ちになります。
サトルクエスチョンは間違ったことを言われるとつい訂正したくなるという心理を利用したもので、この訂正の内容が本心であり本音となります。
まだ警戒心のある人に「よく走るんですか?」と質問したところで「はい」とか「まぁ、たまにね。」と返され会話が終わってしまいます。
ランニングシューズまで購入してるということはその人にとって走ることは趣味だったり、ダイエットの手段だったり、健康の為だったりとこだわりや理由が必ずあるはずですから、ここを一言で終わらせるのは非常にもったいないです。
人は自分が興味のある話題に食いついてきますので会話もたくさん続きますし、共通の興味を見つけることで苦痛なく話が続いていきます。

ここからは心理学を利用して相手を徐々に自分のレールに引き込んでいき、最終的に自分の定めたゴール(契約や成約)へと誘導していく具体的なやり方を順を追って解説していきます。
先述した通り、車を買う気が全くない人に車を売ることはできません。
心理学用語を並べてただ意味を解説するのではなく、順序立てて心理を誘導することにより、『実は何も買う気がなかったけどついついTシャツ買っちゃった』という現象を誘発する手法となりますので犯罪などの悪用厳禁でお願い致します。また効果を保証するものではないことをご了承の上ご購入していただければと思います。

【本編目次】

相手のパーソナルスペースに入り込むテクニック
(4つのテクニックの使い方を解説)

相手にこちらの要求を受け入れてもらいやすくするテクニック
(5つのテクニックの使い方を解説)

最終目標
(1つのテクニックの使い方を解説)

おまけ
(1つのテクニックの使い方を解説)

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