創作物に関して嬉しかったことを思い出した

今日紙の本を自費で出して遊んだら楽しいよというお話を、仲良しの人からしてもらった。いわゆる同人誌というやつで、ページや部数によるけど1万円弱から作れるらしい。意外とお得だ。

さて私は自分の作ったものが紙になることについて、実のところトラウマを持っている。それを切っ掛けにして結構本気で人が狂う所を目の当たりにしてしまったからだ。
それはともかく私の嬉しかった話です。

前述の辛目の思い出とセットで脳の中にしまい込まれていたらしい創作の喜びのお話。

想い出の舞台は高校時代である。
私は俳句を詠んでいた。授業の課題だった。

切れなくて 一度外したミサンガを また探そうかと考えている

あ、これ俳句じゃない!まあいいのですよ。よく覚えてるなぁ、私。
私はまあ大人しい女だったので運動部の男子と話すことが無かったんですね。同じ教室に居るだけで、目も合わないような人でした。

そういう子が私の書いたものにふらーっと寄っていって小さな声で言ったのですよね。

なんで分かるんだろう。これ考えた人誰だろう。天才だよ。

私は貴方のことを全然分かっていないけど、その心に響いた。それがとても嬉しかった。

時を同じくして高校時代。

部活は書道部。
これも覚えています。
たしか書いたものは半切かな。

海凪げる日の大河を入れる

この時は顔も知らない生徒でした。
なんですか、これ。これ大好きです。持って帰りたい。

そう言うのが聞こえたんだ。
黙ってたら顧問の先生が、書いたのはこの子だよと紹介してくれた。

本当に欲しいなら持って帰ってもいいですよ。そして要らなくなったら遠慮なく処分してください。

何という言葉が返ってきたかは忘れてしまったけれど、その人は私に握手を求めて私の書いたものを持って帰った。

ありがとう。
私の書いたもので納得のいってないものでも本当に好きになってくれた。
私は匿名で書き、私自身の意思や考えを知らぬままに私から生まれたものを好きだと言ってくれて本当に嬉しかった。

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