最近AbemaTVでウルトラゲームスというチャンネルが始まり、テレビ番組っぽいゲームを扱った番組が放送されてる（ニコ生全盛期はもっといっぱいあったけど）。OPENREC.tvではガチゲーマー、コアゲーマー、プロゲーマーといった「うまい人」たちが配信してる一方で、ウルトラゲームスではこれまでの人生で2分くらいしかゲームをしたことのないような人や、初心者丸出しでめちゃくちゃ下手な人もけっこう出演してる。

それは想定視聴者がライトゲーマーかもしくはあんまりゲームをしない・知らない人だからで、そういう人が共感したり自分事のように感じられるようにしたりするために、戦略的に「下手な人」を起用してるんだと思う（たぶんほとんど既存プレイヤーしか観てないだろうけど）。

でも、そんな出演者に限ってゲーム内でのちょっとしたことで派手に騒いだり、過剰なリアクションをしたり、はたまた全然関心ないのに関心ありげな態度を取ったりする。そうした姿をちょっとゲームをやってる人が見ると、めちゃくちゃムカつくだろう。例えば『集まれ！LoLスタジオ』を観てると、出演してる女性陣に対して僕も正直イライラすることがある。

もちろん演技でやってることもあるだろうし、自然とそうやってしまうのかもしれない。とはいえ、特に自分が好きなゲーム、得意なゲームで上記のような態度を取られて嬉しく思う人はいないはず。たとえそのゲームをやったことのない、ここでいう想定視聴者に該当する人が見ても、楽しいとは感じないと思う。

僕は別に彼女たち（これはLoLスタ出演者に限らない総称）がゲーム下手だから、何も知らないからイライラしてしまうんじゃない。ゲームに対して表面だけ向き合ってる感じがするから好きになれないのだ。あくまで仕事で、番組の中だけで触れるものという態度にこそやきもきする。「あ、この人プライベートじゃ全然やってないな」と感じて、ものすごく冷めてしまう。

その一方で、最近Twitchでケイン・コスギがLoL配信を始めた。まだまだ下手で思うようなプレイができず、なかなか勝てないが、観ててとても楽しい。それはケインが真剣にプレイし、うまくなろうとしているからに尽きる。どんな状況でも諦めない、味方のせいにしない、常にポジティブといったことも大事だけど、それ以上に、弱さをさらけ出しながらもそこから本気でうまくなろうとしてる姿にこそ共感する（青木志貴も本気でゲームを楽しんでるから好き）。

Twitchでの配信は仕事じゃなくあくまで好きで（プライベートで）やってることなので、ゲーム番組の出演者とは事情が少し違う。出演者に仕事・番組内でゲームに触れてもらう場合、仕事外でもプレイしてくれと言うのは、依頼する側としては難しいというのも理解できる。

でも、未プレイのゲームでも真摯に向き合える出演者と作っていく番組は面白くなるだろうし、むしろじわじわ話題を呼んで未プレイの人の興味を引くだろう（実際、ケインの配信を観てるのにLoLをやったことがないとチャットで言ってる人もいた）。これからのゲーム番組は、ぜひゲームに対して本気になれる出演者とともに作られていってほしいと思う。結局、人って何かに夢中の人を好きになるものだ。