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あなたを応援したくなる5つの要因とは? 進化心理学で考察

近頃「応援」とそれに類する言葉が非常に注目されている。評価、信頼、サポートなどキリがない。

esportsやスポーツ、アーティスト、クリエイター、アイドルといった個が立つ業界だけでなく、会社員であっても応援される時代となってきた。

応援されたい理由、応援されることのメリットはいくらでも思いつく。応援の経済圏で生きていけるなら、それはとても素敵なことだろう。だが、応援するにはきっかけや動機が必要だ。いやそもそも、人はなぜ他者を応援するのだろうか。それが分かれば応援されやすくなるのではないか?

検索すればいかにも正しそうな答え(同一化や疑似恋愛など)が見つかるし、Jリーグの調査資料では観戦の動機を一覧できる。また、「プロ野球ファンに関する研究(V) 一ファン心理、応援行動、および集団所属意識の構造一」(2006年)では応援心理・行動が類型化されている。

これ以外にも社会学や社会心理学にもとづいた論文も多々あるが、それらは人が他者を応援する究極要因を説明したものではない。究極要因とはつまり、他者を応援することで遺伝子にどのようなメリットがあるのかを明確にする進化心理学(進化生物学)的な説明である。

どういった要素が人の応援行動・心理を促す(応援に関する遺伝子を発現させる)のかを理解できれば、遺伝子の視点にもとづいた、より効果的な応援のされ方を見出だせるはずだ。

そこで今回は「人はなぜ他者を応援するのか」を進化心理学的に考察し、その応用をもって「応援されるための方法論」を考える。

※進化心理学は人間の心理を進化生物学の観点で研究する学問領域。

※この記事では極力専門用語を使用せず、理論の説明は最小限に留めている。

※英語では「The Evolutionary Significance of Red Sox Nation: Sport Fandom as a Byproduct of Coalitional Psychology」や「Why do we cheer?」など参考になる資料があったが、日本語ではめぼしい論文も本も見つけられなかった(社会学視点のものはいくつもあるが)。ご存知の方は教えてほしい。応援に限らなければジェフリー・ミラーの『消費資本主義!: 見せびらかしの進化心理学』(2017年、勁草書房)がお勧め、この記事でもかなり参考にしている。

遺伝子の視点で考える

人間のあらゆる行動や心理を説明するとき、遺伝子の視点で考えることは不可欠だ。それゆえ、まず遺伝子の視点になるための考え方を説明する。人間中心の考え方はひとまず横に置いてもらいたい。

我々がものを食べるのはなぜだろうか。お腹が空いたから、好きなものを味わいたいから、といった動機を思いつく。その動機が「食べる」という行動に繋がるわけだが、動機自体はなぜ発生しているのだろうか。それは、遺伝子が増殖するために栄養を必要としており、空腹や味覚へ脳を通して「食べろ」という信号を送っているからだ。

それ以外にも、言葉を話すのも、ナンパをするのも、孫にお金を使いたくなるのも、あるいはケーキやラーメンをおいしいと感じるのも、誰かを不可抗力的に好きになってしまうのもすべて遺伝子にとってメリットがあるからだ。

そもそも遺伝子は自身を複製し、増殖させるために存在している。正確には、遺伝子自体に意思や目的はないが、DNAという物質にそういう機能が備わっていると考えてほしい。

だから、個体――人間1人1人――は遺伝子を増殖させる乗り物でしかない。遺伝子は個体が生存し、繁殖し、時に育児を行なうことに強いメリットを有しているため、乗り物である個体にそれをさせようとする。

先に挙げた人間の行動や心理は、生存・繁殖・育児に貢献するからこそ進化してきた(倫理観もそうだ)。ケーキを食べすぎると病気になったり死んだりしてしまう、と思うかもしれないが、人類とその直近の祖先が誕生して数百万年の間、糖分は効率的にエネルギーを作れる貴重な資源であったので、目の前にある糖分(例えばハチミツ)はすべて食べてしまうのが最適解だった。ゆえに、糖分をおいしいと感じさせる遺伝子が進化した。

糖分を摂りすぎないようにする遺伝子を持った個体は、残念ながら絶滅してしまった。だから、現代に生きる我々も目の前の糖分はできるだけ摂取すべきであるとプログラムされている。ケーキの食べすぎを制御するのは難しい(ただし満腹によって食べるのをやめさせる遺伝子は進化した。各人の好みや摂食障害などはまた別の話だ)。

逆に、遺伝子にメリットがない行動や心理は進化しない。我々には自殺する遺伝子が進化しなかったし、他者を虐殺しようとする遺伝子も進化しなかった。生まれてすぐ個体を自殺させてしまう遺伝子は増殖できず、自殺しない遺伝子を持つ個体が繁殖してその遺伝子を広めてしまうからだ。

伊藤計劃は『虐殺器官』で集団の食糧難が虐殺遺伝子を進化させたと書いたが(人口を減らして対処する)、実際には食糧難の状況では乳児死亡率が高いため、人はより多く子供を産もうとする。そして人口が増加し、労働力と技術力の増大によって食糧生産量が増していく。

とにかく、人間の行動や心理は遺伝子の視点で考えなければその根本的な部分は見えてこない。マーケティングの世界では消費者の心理を分析するためには「言葉よりも行動を見ろ」と言われるが、「行動よりも遺伝子を見ろ」というのがより正しい。我々の行動は遺伝子の影響を強く受けている(ニューロマーケティングは「行動よりも神経活動を見ろ」というコンセプト)。

この視点に立つと、「人はなぜ他者を応援するのか」という問いをより的確に表現できるようになる。ここで我々が真に問うべきは「ある人が他者を応援することで、その人が持つ遺伝子はどんなメリットを享受するのか」となる。

もう少し個人に寄り添うと、「ある人が他者を応援することで、その人の生存・繁殖・育児のいずれかにどのようなメリットをもたらすのか」となる。これを説明しなければならない。

遺伝子の悪巧み

次に、「応援」を定義しておく。ここでは「自分の資源を他者に差し出すこと」とする。資源とは金銭や物品、時間、栄養や労働などを指す。進化生物学では見返りへの期待を前提とする「投資」が使用されるが、あえてより中立的に定義した言葉として「応援」という言葉を使う。

※ちなみにこれは議論をかなり先取りしているが、ほかにいいアイデアを思いつかなかった。「応援」には見返りへの期待が備わっておらず、それが備わることで「投資」と呼ばれるようになるが、この記事では投資を含意する際も応援を使用する。生物学の文脈では投資でない応援は存在しない。

さて、ここで重大な疑問が立ち上がる。応援とはみずからを犠牲に他者の成功を促進することであり、応援された他者は応援した人より多く遺伝子を残す機会を得てしまう。応援は応援した人の遺伝子に何の貢献もしないように見える。だったら、他者を応援する行動や心理は進化しえないのではないか?

だが、他者を応援する人は現実に存在する。好きなアイドルのために惜しげもなくお金を差し出し、好きなYouTuberを支えるために何十時間も費やし、好きなアスリートに声援を送るために何度もスタジアムに足を運ぶ。

いったいなぜなのか?

現代社会においても、応援が遺伝子の直接的なメリットに繋がっているのかもしれない。あるいは、我々がついケーキを食べすぎてしまうように、太古の環境で有益だった行動・心理が現代の環境において不適切に働いてしまっている結果かもしれない。

どちらにせよ、応援の背後には遺伝子の悪巧みがあるはずだ。それを探っていこう。下記では3つの応援原理について解説する。

血縁者に対する応援

最初に、応援の原始的な形を考える。それは育児に見られる。人類において、親は子に自分の資源を分け与え、独り立ちできるまで育てる。なぜ親は自分自身で使えばいい資源を子に分け与えるのか? 子が親の遺伝子を半分共有しているからだ。あるいは兄弟姉妹や孫も遺伝子の1/4を共有するので、資源を分け与えたら自分の遺伝子のためになる。

ただし、親は子に無尽蔵の資源を分け与えるのではなく、過酷な環境で生きるか死ぬか分からない子を育てるよりも自分が生存してさらに繁殖したほうがいい状況では、子に資源を与えなくなる。この仕組みは血縁選択と呼ばれる。

血縁者への投資は応援の原始型であり、応援の行動と心理が進化する可能性が示されている。

親しい血縁者に10万円を差し出すときと、まったくの赤の他人へ10万円を差し出すときの気持ちを想像してみてほしい。血縁者への応援は心地良いし、嬉しい気持ちになる。すなわち、我々はそういう行動をするように遺伝子に仕向けられており、そのご褒美として快楽を感じさせてもらえているのだ。

配偶者に対する応援

血縁者以外への応援が快情動を喚起する場合もある。世間一般で言われる応援の究極要因を説明するなら、こちらの場合こそ説明しなければならないだろう。まず取り上げるのは(将来・現在の)配偶者への応援である。

配偶者は原則として血縁者ではない(配偶相手として血縁者を忌避する遺伝子がある)。にもかかわらず、多くの人が配偶者やその候補者に多大な資源を差し出し続けている。これは個体の繁殖という遺伝子のためのメリットから当然に肯定される現象だ。人類は繁殖しなければ遺伝子を増殖させることができない。

だから、その配偶者を獲得するために自身の資源を差し出す。あるいは、潜在的配偶者に選んでもらったり、ライバルとの競争に勝ったりするために、自身をよく見せようとする。この仕組みは性選択と名づけられた。

ジェフリー・ミラーは『消費資本主義!』で、他者に見せびらかそうとする特徴として一般知性、開放性、堅実性、同調性、安定性、外向性を挙げている。つまり、人は自身の知性などを見せびらかすことで高い繁殖価値があると伝えようとしているのだ。だから、そういう評判を得るためにさまざまなリスクを負う。現代ではお金の使用によってなされることが多いが、ほかのさまざまな方法でリスクを負って見せびらかしを行なう。

なぜ人がこれほどまでに恋愛に入れ込むのか。それは自身の遺伝子に対して多大なるメリットがあるからだ。望ましい配偶者を得るためなら、人は何でもするし何でも与える。もちろん、限りはあるが。

まったくの他者に対する応援

血縁者と配偶者への応援はメリットがはっきりしている。しかし、まったくの他者に対する応援はどうか?

これには進化生物学者も長年悩んできた。繰り返すが、他者が成功すれば自分の遺伝子を増殖させる機会を失うことになるため、それを促進する行動や心理が進化するはずがない。

だが、探していた答えは見つかった。その一例がチスイコウモリだ。チスイコウモリは食料となる血を得られなかった非血縁者の個体に対し、貴重な資源である食料を分け与える。

これは、自分がいつか食料を得られなかったとき、過去に血を分け与えた個体から譲ってもらうためである。実際、過去に血を分け与えられた個体は、分け与えてくれた個体が空腹のときに恩義に報いることが観察された。

進化生物学者はこうした行為を互恵的利他行動(主義、また社会的評判を得るための間接互恵という概念もある)と呼んだ。資源を差し出したその瞬間だけでなく、将来見返りを得るために先に恩を売っておくのだ(だから記憶能力が重要だと言われる)。

その見返りは生存などに貢献するから、他者に血を分け与えないよりも(狩りに失敗すると死ぬ)、分け与えるほうが進化的に有利になっていく(狩りに失敗しても生き長らえる)。

人間が他者を応援するときも、この互恵的利他主義が働いている可能性は高い。

まず血縁者同士の共同体が作られる。そのうち、紛争か交易か、いずれにせよ共同体同士が関係を持ち始める。当然、遺伝子の交流が行なわれる。すると、よその共同体にも血縁者が所属することになる。そうなると、共同体同士で手を組むほうが遺伝子に有利となっていく。

よその共同体には非血縁者も多いが、互恵的な関係を構築するほうがそこにいる血縁者の有利になる。その後、非血縁者同士も見返りがあるなら手を貸すようになった。

こうしたことの繰り返しによって、非血縁者同士で協力する社会性(互恵的利他主義)が生まれたのだろう。結果、他者と協力したり、他者を応援したりしたくなる遺伝子が有利になり、広まった。

ここまで簡単にだが、応援はまったくの他者に対しても何かしらの見返りがあれば、言いかえると、割の合う投資であれば進化しうることを説明してきた。

このあと上記で明らかにした3つの応援原理――血縁選択、性選択、互恵的利他主義を参照しながら、人が他者を応援する具体的な要因を考えていく。

5つの応援要因

冒頭で紹介した「プロ野球ファンに関する研究(V) 一ファン心理、応援行動、および集団所属意識の構造一」では、ありがたいことに応援するファン心理(応援する理由)が9つに類型化されている。

尊敬 ・憧れ
共依存的感情
ファン・コミュニケーション
熱狂的ファンの弱さへの両価感情
疑似恋愛感情
不安定性への魅力
メジャー志向
Bクラス的戦力への魅力
強さへの魅力

これらを進化心理学の視点でもう少し噛み砕いて、なるべく抽象的に分類したのが下記となる。

1.身内贔屓
2.仲間作り
3.恋愛感情
4.見せびらかし
5.直接的な見返り

1は2と近しく、3は4と近しい。そしてそれ以外を5に包括した。かつてリターンが繁殖に直列していた1と3は、特に応援要因として強力だ。

それぞれを詳しく見ていこう。個別の応援要因(動機)については上記の論文を参照してほしい。

1.身内贔屓
多くの人にとって、自分の血縁者を応援することはよいことだとされている。高校野球の大会に出場するいとこの息子に声援を送るために球場に足を運ぶこともあるだろう。先ほど説明したように、血縁者を応援すると快情動が引き起こされ、勝てば自分のことのように嬉しくなる。その裏には遺伝子と進化が鎮座している。

身内贔屓は応援する要因として最も一般的だ。では、どこまでを身内と呼ぶべきなのか。少なくとも血縁者を始めとする家族は身内である。先の「まったくの他者に対する応援」で説明したとおり、現代では身近な知り合いや友人も身内に含まれるだろう。自身が所属する学校や会社、趣味のコミュニティのメンバーも身内と言える。

その感覚は同じ出身地・居住地の人へも拡張されていく。さらに、日本代表を応援したい気持ちにすら繋がっていく。もしアルファ・ケンタウリ星人が地球にやってきて『CS:GO』で文明の存亡を懸けた試合が行なわれることになれば、選手がどこの国の誰であれ我々は地球代表として応援するだろう。

現代において共同体のほとんどのメンバーは他者だが、太古の環境で進化した遺伝子の悪巧みを考慮すると、血縁者か否かを問わず身内贔屓は起こる。具体的なトリガー(動機)はいくつもあるだろう。

2.仲間作り
人類は血縁者の優遇を経て互恵的利他主義の遺伝子を進化させ、仲間を作ったことで社会を構築するに至り、非常に社会的な種となった。仲間を作ること自体に遺伝子のメリットが生じるようになったため、我々は仲間を作ることに大きなに喜びを感じるし、一緒に何かをすると楽しく感じる。

誰かを応援すると、自分と同じようにその人を応援している人が見つかる。その人はまったくの他者だが、我々には身内贔屓の遺伝子が備わってしまっている。同じ人を応援しているから、身内に思えてしまうのだ。ゆえに、その人と交流したいと思うのはごく自然なことである。

翻って、ファン同士で繋がりたいという気持ちが応援の要因となるのも不思議ではない。

3.恋愛感情
応援要因として疑似恋愛が挙げられることがある。アイドルとそのファンをイメージすると分かりやすいだろう。しかし、本物の恋愛だろうが疑似恋愛だろうが、そのとき発生する快情動は同じなので区別する意味がない。

恋愛感情とは配偶者を得ようとするために必要なもので、その強烈さは時にライバルを殺してしまうほどだ。他者を応援するとき、この恋愛感情にもとづく場合は多々あるだろう。

実際に繁殖に到れる可能性は極めて低いと思われるが、この応援要因が遺伝子の悪巧みを発端とするのは間違いない。ケーキを食べすぎるのと同じで、現代ならでは状況において恋愛に関する遺伝子が発現してしまった不幸な(あるいは幸運な)例の1つである。

4.見せびらかし
人間は見栄を張るが、その起源は配偶者に選んでもらい、ライバルに勝つための性的アピールである。自分が高い知性や面白さといった資質を持っていることを見せびらかし、評判を得ることで、繁殖機会を得ようとする。

先ほど紹介した『消費資本主義!』はこの見せびらかしを進化心理学的に解説した本で、なぜ人が役に立たないうえに高価なものを買おうとするのかといった心理が説明されている。

それは自分の資質(一般知性、開放性、堅実性、同調性、安定性、外向性)を見せびらかすためだ。知ったかぶりもそうだし、面白い人の近くにいようとするのもそうだし、マイノリティのために寄付するのもそうだ。

応援にもこれがあてはまる。例えば、広島カープを応援することで地元愛があること(堅実性)、トレンドに乗っていること(同調性)などを見せびらかしているのである。そうすると、場合によってはそういう資質を好む配偶者を得られる可能性が高まる(そのための見せびらかしだと意識している人は少ないかもしれないが)。

見せびらかしは下記の「直接的な見返り」と同じで意識される感情をトリガーとするので、意図的に応援させるには重要である。

5.直接的な見返り
この項目では結果として遺伝子のメリットになるものの、金銭や感情などの直接的な見返りを意図して行なう応援について説明する。1~4も見返りを得るためなのだが、そこで言う見返りとは遺伝子へのメリットであり、さらに見返りが明確に意識されるわけではない。そのため、あたかも見返りを求めない無条件の応援に見えるが、表面的にそう見えるだけだ。

「直接的な見返り」は、資源を差し出すことで感動や楽しさ、喜びや一体感、あるいは自己満足や金銭・物品などを(意識的に)受け取ろうとすることを指す。応援対象の成功を自分事のように体験したり、自分では達成できない大きな成功を託すのもこの項目に入る。

楽しませてくれたお礼として応援する場合もあるし、楽しませてくれるだろうという期待から応援する場合もあるだろう。1~4よりは気軽さが強い応援要因と言える。これをきっかけに応援し始め、身内贔屓や恋愛感情に発展することもある。

社会性が応援のトリガーになる

以上の5つの応援要因を概観すると、どうやら応援行動・心理は人と繋がること、つまり何らかの社会性を刺激することがトリガーになりそうだ。そこで最後に、応援されるためにどうすればいいのかを検討する。

まず、応援されるには何より応援するきっかけを与えなくてはいけない。最初は直接的な見返りが得られると示そう。見込みファンを獲得するためには認知拡大と分かりやすい価値の提供が鍵となる。

加えて、自分を応援することが何かしらのステータスになると宣伝する。「あの人を支持したら周りに頭がいいと思われる」「あの人を応援するとモテる」と感じてもらえる空気を作り出そう。

そうして気軽な繋がりができたら、応援してくれる人を身内にしていく。そのためには正のフィードバックが重要になる。つまり、人は応援すればするほどのめり込んでいく。

ファンの作り方といった文脈でよく言われるように、応援者とコミュニケーションすることが重要となるだろう。SNSで交流する、名前を呼ぶ、身内っぽい親しさを出す、血縁者のような特別扱いをする、そうした手法が考えられる。

ファン作りはおそらく、最終的にはパートナーを作ることを言うのだろう。

意外か予想どおりか、応援されるための具体的な方法は実に平凡でオーソドックスである。しかし、逆に言えばたくさんの人に一気に応援されるためのスカイフックは存在しない。クレーンを積み上げて地道にファンを増やしていくしかないのだ。

応援されるために、いかにして人類に備わった遺伝子を刺激するか。この記事ではその糸口を提示してきた。人がなぜ応援するのか、それを根本から理解しておくことは、応援されたい人にとって不可欠の知識であるはずだ。上記が少しでも役立てば幸いである。

進化心理学は人間の行動と心理を深く考察し理解するために欠かせないツールなので、この機会にちょっと学んでみるのもいいかもしれない。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます! もしよかったらスキやフォローをよろしくお願いします。