C4 LAN 2017 WINTERに出展した企業が、ブランディングのために本当はやるべきだったこと

CyAC主催のC4 LANが今冬も開催された。僕は3日間のうち2日間遊びに行って、クラロワとUNOとおばけキャッチをやっていた(まさか日曜日に朝帰りするとは……)。

前回より会場が広くなり、参加者だけでなく企業ブースも増えた。出展していたいずれの企業も、ほかのイベントなら検討もしないような企画――恒例となったゲーミング足湯やゲーミングピザ、マウスカーリング選手権など――を行ない、滅多にない機会を活用していた。

しかし、どの企業もどうにも的を外しているというか、いまいち場を理解しきれていないように感じた。それは言いかえれば、企業としてゲーマーやコミュニティとどう向き合えばいいのか、距離感や方法を掴み損ねているのではないかということだ。

目的はブランディング

スポンサードや出展の目的は、C4 LANに参加するようなコアゲーマーに自社や商品に興味を持ってもらうことだろう。まさかあの場で商品の購買に直接的に繋げたいと考えていた企業はないだろう。あくまで大きな目的は自社や商品のブランディングだったはずだ。

ブランディングとはつまり、ゲーマーに寄り添った企業として親近感を持ってもらい、ほんのりと社名やブランド名、商品を覚えてもらうこと。別の言い方をすると、自社に愛着を抱いてもらい、いつかの購入機会や利用機会に「そういえば」と思い出してもらうえるように印象づけることだ。今回出展していた企業は、その目的のためにあれやこれやと策を練っていた。

たしかに、足湯やピザ、コーヒー、オークション、ガチャといった出し物は好評だったし、盛り上がっていた。しかし、3日間のうちブースに誰も来ていない時間が大半だったのではないだろうか。ブースがあって、商品やパンフレットが置いてあって、親切そうなスタッフが待機しているにもかかわらず。

僕もそうだが、企業ブースに長時間いる理由がなかった。遠目から見ていてもほとんどのゲーマーが一度立ち寄ったあとは素通りし、ほとんどの場合、二度目がない。各企業ブースを回るスタンプラリーは面白い企画ではあったが、それも一度きりで終わりだ。どの企業も、思ったより人が来てくれなかったと感じているかもしれない。

もちろん、Intelブースに何度もコーヒーをもらいに行っていたゲーマーはいたかもしれない。しかし、コーヒーを提供することが目的ではなかったはずだ(しかもタリーズのコーヒーだったので、タリーズの宣伝をしていたことになる!)。

積極的にアピールしようとしたのがダメだった

長時間も誰も来ないブースに手持ち無沙汰で立ちっぱなしのスタッフを見ていると、本当にそれでいいのかと思わざるをえなかった。では、何がダメだったのか。答えは実に簡単で、ブースに来てくれた人に対して「接客」しようとしていたことだ。

つまり、商品の説明をし、ブランドをアピールしようと身構えていた。C4 LANに遊びに来ているゲーマーの誰が企業や商品のことを知りたがっているのか、まずはそこに考えるべき課題があるだろう。そして、あの場がそもそも商品をアピールする場、社名を全面に出す場としてふさわしかったのかも考えなければならない。

もちろん、ふさわしくなかった。それならブースに来てくれた人にブランドを積極的にアピールするのではダメだったのなら、どうすればよかったのか? 

僕は出展企業が失敗したとは思っていないし、それなりの成果を上げられたことだろう。しかし、もっといい感じにできることがあったのではと思っている。それはC4 LANだからこそ可能な方法だ。

コミュニティとは人と人の繋がり

思い出してもらいたいのは、C4 LANのあり方。C4 LANはたくさんのコミュニティによって成り立っている。すなわち、ゲーマー同士、人同士の繋がりだ。出展企業は、企業であることに縛られすぎていたのだと思う。もっと「人」を表に出せばよかったのだ。

当たり前の話だが、ゲーマーはゲーマーが好きだ。3日間ぶっ通しでゲームをしてしまう人には愛情すら感じる。そういう人と同じ空間を共有したというなら、もはや家族同然だ。

企業も本当はその一員になるべきだった。そう、ゲームをすべきだった。

もし企業ブースで社員が延々と夢中でゲームをしている姿を参加者のゲーマーたちが見たらどう思うだろう? 普通にイベントならどうかしていると思われるかもしれない。しかし、C4 LANという異空間にあっては、おそらく「めちゃくちゃゲームが好きなんだな」と思われるのではないか。ゲームやゲーマーに寄り添う企業として、それ以上の評価がありうるだろうか?

ときどき、近くに来てくれた人と一緒に遊んでもいい。そのとき会社やブランド、商品なんて一言も口に出す必要すらない。しかしそれでも、「あの企業のゲーム好きと一緒に遊んだ」という体験は、きっと企業ロゴと一緒に記憶に刻み込まれるだろう。

それこそがブランディングだ。

言うまでもないが、連れてきたプロゲーマーや有名ストリーマーではなく、企業の中の人のことを知ってもらうのが大事なのである。

↑暗くて見えにくいが、参加者が5、6人寝ている。Twitchはイベントもゲーマーも理解していると言える。

異常なイベントだからこそのやり方

C4 LANがある意味で異常なイベントであることは誰もが理解している。それは出展企業にしても同じで、だからこそ出展したいと考えたはず。だとすれば、そういう場にふさわしいこと――足湯やピザやオークションのような――をしなければもったいない。

ブースを構え、商品とパンフレットを並べ、スタッフが近づいてきて説明する。そんな正攻法では印象に残るはずもない。せっかく出展するのだから、異常なイベントだからこそのやり方を考え抜いてほしい。また、主催者側も出展企業による商品やブランドの直接的なアピール・プロモーションは禁止にしてしまうと面白いかもしれない。

次回、2018年5月のC4 LANの企業ブースはどんな感じになるのだろうか。いまから楽しみで仕方ない。

※上記は、もし企業ブースのフォーマットが完全に規定されていたなら的外れな議論だ。ちなみに実現しなかったが、某社にラジオ体操をしてはどうかと提案した。

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謎部えむ

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