見出し画像

弟子屈町 × SDGs は可能性しかない

北海道「市町村における SDGs 推進モデル事業」で弟子屈町の担当になり、総合計画に SDGs を取り入れるというテーマで役場職員向けの研修講師として訪問しました。

SDGs については既に多くのメディアで紹介されていて、検索すれば基本的な考え方はすぐに学べるため、私が出向いてまで講義をするのは費用対効果的にどうだろうということもあり、SDGs の17項目は知ってることを前提に研修することになりました。

一方で、SDGs の項目は17もあるにもかかわらず、それぞれ抽象的な表現になっていて個人の主観で解釈の幅があり、行政の総合計画で事務事業を仕分ける際に17項目のどれに当てはまるか考えるのは、担当者の負担が大きいと感じていました。

そこで、予習用の資料として「SDGs 169ターゲットアイコン日本版」を提案しました。

17ですら多いと感じているのに169も!? と思うかもしれませんが、解釈の自由度の高い17のゴールに比べて169のターゲットは具体的なので、事務事業などがどれに当てはまるか判断するのはむしろ楽だと思います。

また、ターゲットの説明文はゴールの具体的な例になっているので、ゴールに対する理解も深まります。

そして、自治体 の総合計画に SDGs を取り入れる場合、その後の進捗と最終的な成果の確認が必要となるので、そのチェック項目を主観的に作るよりも SDGs 169 ターゲットを利用する方が効率的だし、国際基準で比較できて地域の立ち位置が明確になるのではないでしょうか。

というわけで、当日の研修の大きな流れは次のようにデザインしました。

1. そもそも「SUSTAINABLE」とは何かを考えるワークショップとミニレクチャー(宇宙船 SDGs 号、ナチュラル・ステップの持続可能な社会の4つの条件)

2. なぜ SDGs なのか、その経緯(環境か経済かの対立で停滞した気候変動対策)

3. 地域で SDGs に取り組む時の2つのポイント(No one will be left behind =行政を中心とした住民の福祉の増進、ESG 投資 = 民間を中心としたお金を出したくなる事業)

4. 総合計画に SDGs を取り入れるならまずこれを(SDGs169ターゲットアイコン日本版)

画像1

研修中に繰り返しお話ししたのは、弟子屈町には阿寒摩周国立公園があり、開発規制・環境規制があるはずで、SDGs という言葉が生まれる前から SDGs に貢献するようなことを気づかないうちにやっていたはず、ということです。

また、川湯・摩周・屈斜路という温泉地帯というのもポイントです。

研修前に副町長とお話しした時にも、役場の暖房は昔から温泉熱を利用していて暖房費を気にしたことがないとおっしゃっていました。SDGs 的に言えば二酸化炭素の排出量を増やさずにずっと暖房してきたということになります。

実際、役場周辺の排水溝から湯気が出ていて、温泉熱利用の余地はまだまだあるような印象を持ちました。

国立公園と温泉があり、多くの観光客が訪れる弟子屈町が SDGs に取り組む意義は非常に大きいと感じます。まずは1回目の派遣が終わり、次の訪問が楽しみです。

そうそう、弟子屈町を担当することが決まり、予習のために検索すると YouTube の弟子屈町公式チャンネルが本格的過ぎて驚きました!

UHBアナウンサーを辞めて地域おこし協力隊として弟子屈町に着任した川上椋輔さんが運営していると知り納得。研修の様子もアップされています。

発信力があるという点でも弟子屈町 × SDGs は可能性しかないですね。

この記事が参加している募集

SDGsへの向き合い方

バーカウンターで「あちらのお客様からです」ってあこがれます。