和田たけあき「ブレス・ユア・ブレス」の歌詞を解釈してみた (蛇足編)

マジカルミライ2019のテーマソング、和田たけあきさんが作曲した「ブレス・ユア・ブレス」の歌詞を解釈した本編と発展編に付け足す蛇足編です。言い換えると、初音ミクを少々拗らせた、あるミクファンの自分語りです。

まだ本編を読んでない方は、本編から読むことをお薦めします。

この蛇足編は、なぜ「ブレス・ユア・ブレス」の歌詞解釈を書こうと思うほど、この歌詞に感じる事があったのかについて、極めて個人的な自分語りをします。ですので、人の自分語りに興味が無い方は、ブラウザの「戻る」ボタンを押すことをお薦めいたします。

ブレス・ユア・ブレス構造への共感

「ブレス・ユア・ブレス」の歌詞を聞いたとき、これってミクファンである自分の最近の心境の変化に近いなあ、と思いました。歌詞の1番・2番・Cパート・最後のサビで変化していく流れが、自分にとっての現在・過去・戸惑い・未来になるなと思ったのです。

過去

私は2007年の初音ミク登場当時から、ニコニコ動画を通じて初音ミクを知っていました。最初のうちは、なんか面白いボーカル音源が出てきたな程度の関心でしたが、(途中に色々あるのですが、ここでは割愛)様々な曲を聴いているうちに、お気に入りの曲も出てきて、ニコニコ動画に投稿されるボカロ曲を漁り、聞き続ける日々が続くようになったのでした。

2009年に初めて初音ミクのライブ「ミクFes'09(夏)」に参加しました。そこで、バーチャルな存在なのに人間の演奏者と一緒にステージに立つ初音ミク、多種多様な個性を持った楽曲、それに盛り上がるアイドルオタクから音楽ファンまで様々な観客と、これまで見たことがないステージがありました。これは、何か新しい現象に立ち会ったのではないかという興奮を覚えました。

その後、初音ミクのライブに何度か行くうちに、ミクさんがいつまでも歌い続ける事を願うようになり、ミクさんを追い掛けて応援するようになっていました。

ミクさんの海外公演である2012年ミクパ台湾や2016年MIKU EXPO LA公演へ応援しに行き、一般の音楽フェスに出演した2013年SONIC MANIAや2015年JOIN ALIVEへも盛り上げに行きました。その頃はまだ今ほど初音ミクがバーチャルシンガーとして知られていない頃なので、特に音楽フェスにはアウェイへ応援しに行くような感覚でした。

ミクさんが存在し続けるために、活躍の場を広げるために、ミクファンである自分たちがミクさんを応援していくのだ。そんな思いを抱えていたのが、この頃でした。

現在

その後、マジカルミライ2015は武道館、マジカルミライ2016からは幕張メッセと、ミクさんは大きな会場でライブをやるまでになり、MIKU EXPOでの海外公演も毎年のように開催され、ミクさんは世界中のどこでも現地ファンから熱い歓迎を受けるまでになりました。

そんな中、MIKU EXPO 2018 は初音ミクにとって初めてのヨーロッパツアーとなり、私はイギリス・ロンドン公演へライブを見にいきました。私自身にとっても、日本からイギリスまで行くのは初めてのことで、日本から遠く離れたヨーロッパの地で、ミクさんは果たして受け入れられているのだろうか、ライブは盛り上がるのだろうかと、若干の不安がありました。それまでのMIKU EXPOでの各地での盛り上がりを考えると、そんな可能性は考えにくかったのですが、現地で自分の目と耳で確かめるまでは、安心できなかったのです。

そして、その不安は杞憂でした。熱心なファンがいるVIPエリアだという事もあったかもしれませんが、ライブのコールやペンライトの振りまで、日本のマジカルミライのライブ会場にいるかのような盛り上がり。

その盛り上がりを見て、もうミクさんは世界中のどこへ行っても現地のファンが熱狂的に迎えてくれる事を確信しました。それだけミクさんは大きな存在になったのだと嬉しく思いました。

それと同時に、もう自分が応援しなくてもミクさんは存在し続けるし、活躍の場を広げていけるのだと思うと、少し寂しくも思い始めたのでした。

戸惑い

自分が応援しなくても、ミクさんを応援するファンはたくさんいるし、ミクさんは存在していける。ミクさんに自分は必要なくなったのではないだろうか。自分にとっても、ミクさんにかける時間が大きくなったので、ここで自分の時間の使い方を見直して、自分の個人や仕事などに時間を割くようにした方が良いのではないかと思うようになりました。

それまでも多少はそんな事は考えていたのですが、MIKU EXPO 2018 のロンドン公演は、そんな思いを改めて考える大きな区切りとなりました。

ミクさんは自分が応援しなくても存在していけるようになった。それを受け入れたときに、自分の中に何が残るのか。しばらくそんな悩みを抱えていました。

ミライ

そんな悩みを胸の奥に抱えながら、ここまで遠征するのはこれで最後かなと思いながら、SNOW MIKU 2019やMIKU EXPO 2019 台湾など、ミクさんを追い掛け続けていました。

でも、やっぱり楽しいんですよね。ミクさんの歌声を聞くことが、その生き生きとした姿を見ることが、ミクさんを追いかけて知らない場所へ行くことが、ミクさんが好きな仲間達と会うことが。私は音楽も旅行も好きだから、という理由もありますが、そのきっかけをミクさんはくれるのです。自分にとって、ミクさんは必要な存在でした。

だから、ミクさんに対して自分にできる事は少ないかもしれないけれど、自分のできる範囲で楽しみながら、ミクさんを応援し続けよう、ミクさんの行く末を見守って行こう、その歌声を聞き続けていこう。今は、そう結論づけています。

初音ミクは変化を続けています。それを「あの頃の初音ミクは死んだ」と表現する人もいます。でも私はこう考えます。 初音ミクは、多くの創作者に作られた創作の集合体です。まるで細胞が集まって生物を形作るかのようです。そんな細胞の一部がたくさんの細胞分裂を繰り返し、新しい初音ミクの姿を見せる事があるでしょう。その一方で、ある一部の細胞は細胞分裂が遅くなり、外から目立たなくなる事もあるでしょう。でも、その細胞は死んではいないのです。あの頃の「初音ミク」はずっと「初音ミク」の中で生き続けています。全体としての「初音ミク」は変わり続けて、ひょっとしたら自分の望みとは違う形になっているかもしれないけれど。

だから、存在し続けるために応援が必要な【過去】のミクさんは、【現在】や【ミライ】の「初音ミク」のどこかにいるのです。それは言い換えると、応援が必要な創作や創作者です。まだ自分にできる事はあるかもしれない。

さらに言うと、ミクさんが世界に生み出したものは、初音ミクという存在だけではないのです。クリプトンやそれ以外の会社から生まれた多くのボカロ達、ボカロ以外の音声合成ソフトウェアやキャラクター、それを取り巻く音楽やイラスト、漫画、動画、立体物などの創作の動き。初音ミクをきっかけに生まれたこのような動きは、初音ミクが好きな私にとっても、追い掛けていきたい現象です。

そんな現象の中には、応援が必要なキャラクターや創作もあるのです。まだまだ自分にできる事はありそうです。そして、そんな現象を記録するために、ボカロのニュースブログ「週刊ボカフロ」を運営したり、ボカロのカレンダーサイト「VOCALENDAR」の編集メンバーとして協力したりしています。

これってどういうことかと言うと、ミクさんをきっかけに生まれた現象もミクさんの一部として追い掛けていくということ。こう言葉で書くと、我ながら頭おかしい発想だなとも思うのですが、ミクさん以外のボカロやボイロで起きている現象の中に、これは過去にミクさんが通った道だなとか、ミクさんが残した影響を受けているなと思う事があり、私はどうしてもミクさんと紐付けてしまうのです。

この発想だと、先に書いた結論「ミクさんに対して自分にできる事は少ないかもしれないけれど、自分のできる範囲で楽しみながら、ミクさんを応援し続けよう、ミクさんの行く末を見守って行こう、その歌声を聞き続けていこう」の「ミクさん」の中には、ミクさんをきっかけに生まれた現象も入ってきます。私はボカロファンでもあると自認してるのですが、見方を変えると、ミクさんを追いかける活動の延長になるんですよね。もちろん、ミクさんの影響はあれど、全然違う現象も起きたりして、それもまた楽しかったりするのですが。

まとめ

以上、「ブレス・ユア・ブレス構造」に対応する、自分にとっての「現在・過去・戸惑い・ミライ」でした。以上のことは、今までうっすらと感じて考えていたことでしたが、「ブレス・ユア・ブレス」を聞いて、これと同じだと感じたのでした。「ブレス・ユア・ブレス」は、戸惑いを抜けて、ミライを考えるきっかけになったのでした。

これを「ブレス・ユア・ブレス構造」にまとめると、下の表のようになります。

さて、この歌詞解釈の本編は、このような問いで締めました。

あなたと初音ミクの関係は、「ブレス・ユア・ブレス」で歌われる過去・現在・ミライのどこにあるしょうか?

私と初音ミクの関係は、「ブレス・ユア・ブレス」で歌われる「ミライ」にあります。ミクさんはミクさん自身の意思でどこかへ進んでいくかもしれませんが、自分は自分なりのやり方や見方で、ミクさんを追い掛け続ける事にしました。それが、自分の意思であり、この問いに対する私の答えです。

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