ナタカ

短歌と呼ぶには早すぎる

天坂さんといちごつみ

1月26日、天坂さんといちごつみを始めました。天坂さんは主に、天坂寝覚というお名前で自由律俳句を作っておられる方です。
10首完結、奇数が天坂さん、偶数がナタカです。
振り返り。

1. 青空を知ることもなく骨だけになってしまった傘を弔う/天坂

→かっちりしたのが来た!天坂さんの歌は固体・液体・気体でいうと液体っぽいと思うのですが、これは固体っぽい(何言ってるのか分からなかったらすみません。雰囲

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ともだちにならう蜜柑を剥いてあげる/喪字男

ともだちにならう蜜柑を剥いてあげる/喪字男(「彼方からの手紙」9号)*1

初めてこの句を見たとき、怖いと思った。今でもそう思っている。一見どこにも怖い要素はないのに怖さを感じさせる、すごい句だと思う。それは、怖い言葉を使って人を怖がらせるよりもずっと難しいことだ。
蜜柑を剥くことで友達になろうとする不器用で温かい句という読み方もできるようだし、もしかすると作者の意図はそちらかもしれない。
しかし

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桔梗さんといちごつみ

桔梗さんと100首でいちごつみをしました。
奇数がナタカ、偶数が桔梗さんで、桔梗さんの歌にいくつか感想をつけています。
(桔梗さんは旧仮名、私は現代仮名で詠んでいるので単語の表記は変わってます。)

1. 風の背を追う人だったいつだって先頭をゆく人だったから

2. はじまりと終はりの夏が過ぎてゆく 翼などない背骨が軋む 【背】

3. 翼持つものになりたいきみひとりくらいをちょうど包めるような 

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自選30首

●自選30首が流行っているようなのでやってみました。

ただボタンひとつ外したそれだけできみはそんなに女になって

お客様さま起きてください終点です 晴れた夜ですまだこの世です ※うたの日「です」

るるるると電話が鳴るけど今ちょっと泣いているるる出られないるる

結婚の知らせばかりを聞きながら星の綺麗な離島に暮らす ※うたの日「結」

7の背をちょっと反らして書いてみるこれがあなたの書いている

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無題

夜10時、会社を出て森田と駅まで歩く。
「昨日本屋で万引きが捕まるとこ見たんすよ、なんて言うんすかああいうの、私服警官的な?Gメン?」
「森田が本屋に行くことにまず驚いたわ」
「なんすかそれ、知的好奇心が満たされますよ本屋は」
まさか森田から知的好奇心という言葉が出ようとは。
「お前本屋で何買うの」
「え、ヤンジャンとか」
そう言って森田は自分でげらげらと笑った。
「あーかっこいいっすよねああいう

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連作「鉄は熱いうちに打てと言うから」

タイトルが雑ですが忘れないうちに20首。

「鉄は熱いうちに打てと言うから」 ナタカ

四時はまだ夜だと思う止まらない誰かの咳を遠くに聞いて

朝五時の駅で大縄飛びをする人にはFacebookが似合う

守るべきものはなくても言われるがままにシートベルトを締める

離陸する瞬間ふっと息を吐くような機体の震えがあった

小雨降る北口を出てさまよえばこんなところに魚民がある

バス停のすぐそばに海かん

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