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kasumim
日和見
「みんなで連載小説 PART2 Advent Calendar 2018」何日目かの記事です。これ、本当に着地するのか?と思いつつ日和見です。
(今回のタイトルは物語の内容じゃなくて今の私の状況です。。)
テレビがどこかのイルミネーションを中継で映し出している。「平成最後のクリスマスはここでロマンチックに過ごしたいですね!」女性アナウンサーが無駄に高いテンションで言った。
私はテレビを消しカレンダーに目をやった。豊さんと会えるのは明後日…。2018年12月23日。約束の日が近づくにつれ「豊さんに会いたい」という気持ちが募っていった。
豊さんの細い指…指が触れた私の右手…
あの時の電話は誰からだったんだろう?
あの時もし電話が鳴らなかったら、私たちはれっきとした恋人同士になれていたのだろうか?
もう何度となく去来した思いを反芻した。
祐樹は気づくとリビングに来ていて「テレビつけてもいい?」と言うとこちらの返事を聞かずにテレビをつけた。
「お!ここ!ここだぜ、イブの日の店!」
テレビでは洒落たイタリアンの店を紹介していた。
そうだった。イブには祐樹と食事に行くんだった。
すっかり忘れていた自分に驚いた。